配当狙いであれば、不動産投資型クラウドファンディングもおすすめしています。かなりリスクが低く利回り4~8%程度を狙える投資手法なので、私も保有比率を高めています。なぜリスクが低いのに高い利回りで投資できるのかはこちらの記事で確認してください。

結論
キャピタルゲイン目的では購入しない銘柄ですが、配当目的ということと、三菱という名前を冠しているのであれば投資するのもありいうところです。ちなみに三菱HCキャピタル(8593)は株主優待はありません。
正直株価が急上昇していくとは思わないので、株価が安いタイミングで購入するのが重要だと考えています。株価チャートはこの10年だとおおよそ450円~750円程度のボックス圏内を動いています。(長期的に見れば徐々に上がるかもしれません)
現在の株価では購入するには高いので、株価が600円以下(できれば550円程度)で購入して株価の上げ下げを気にせずに長期保有し続けるのが基本戦略です
高配当株についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

ストーリー
三菱HCキャピタル(8593)はリースで大手の会社です。
実際には金融だけでなく、様々なセグメントを保有するコングロマリット企業といえます。
21年4月に日立キャピタルと統合、22.3期は最高益を出しています。
24期連続増配中で配当が有名な企業ですので、配当狙いの投資をすることになります。
配当利回りは4~5%程度というところです。(現在だと1株あたり30円程度)
株価は2022年8月25日現在670円程度です。
株価は大きく上昇しないと考えていますが、配当がでるので毎年30円ずつ減少しても実際はトントンになると考えれば、長期保有前提で投資するのが基本戦略となります。
企業概要・ビジネスモデル
【決算】3月
【設立】1971.4
【上場】1985.3
【特色】三菱UFJグループ。日立キャピタルと21年4月統合。リース首位級。M&Aで海外展開加速
【連結事業】カスタマー32(6)、アカウント25(6)、航空9(4)、ベンダー8(2)、不動産6(18)、ライフ6(5)、他14(3)
【海外】27 <22・3>
一応業種としてはリースとなっていますが、コングロマリット化しているので、もはや何の会社かはわかりにくい状況ですね。とはいえ、カスタマーソリューションと海外地域で半分以上の資産残高を占めています。
決算資料等ではセグメントは以下の通りとなっています。
セグメント | 概要 | セグメント資産残高※ |
---|---|---|
カスタマーソリューション | 法人・官公庁向けファイナンスソリューション、 ベンダーと提携した販売金融、不動産リース、金融サービス | 32,821 |
海外地域 | 欧州・米州・中国・ASEAN地域における ファイナンスソリューション、ベンダーと提携した販売金融 | 24,859 |
環境エネルギー・インフラ | 再生可能エネルギー発電事業、省エネルギー事業、 海外インフラ投資事業 | 4,347 |
航空 | 航空機リース事業、航空機エンジンリース事業 | 14,406 |
ロジスティクス | 海上コンテナリース事業、鉄道貨車リース事業 | 10,848 |
不動産 | 不動産証券化ファイナンス、不動産再生投資事業、 不動産アセットマネジメント事業 | 7,113 |
モビリティ | オートリース事業及び付帯サービス | 1,270 |
財務分析
画像はバフェット・コードの情報を使用しています。
https://www.buffett-code.com/company/8593/financial

売上高利益率ともにほぼ横ばい、22.3期は三菱UFJリースと日立キャピタルの統合により倍増。今後はまた横ばいに戻る想定。
利益に関しては横ばいか微増。23.3期以降の増加に注目したいところです。

EPSは20.3期頃まで右肩上がりでしたが、いったん減少しています。今後注目です。
配当に関して、24期連続増配と花王(4452)のようなパターンです。
配当性向は上のグラフはちょっと違っていて、実際には約40%となっています。売上が横ばいか微増程度であれば配当性向を少し上げても、増配を続けていくのではないかと予想します。

この辺りからが少し気になる部分です。キャッシュフローに関して、FCFがほとんどマイナスとなっています。営業CFがマイナスの期が多いところも気になります。合併後21.3期以降どうなっていくか注意していく必要がありそうです。

ROA、ROICの値が低く、ROEは財務レバレッジの高さからくるものです。
上のFCFがマイナスになっているときが多いのも同様で、業種的にこのような構造になりやすいようですが、個人的には少し投資を躊躇する要因になります。

従業員数は統合の影響により22.3期で増加しています。逆に1人当たりの営業利益は減少しているところはマイナスポイントです。
【その他】
21年3月決算数値だとROIC < WACC 、 EVA < 0 であり、通常であれば投資しないという判断になります。投資するとしても配当狙いであること、三菱系列だからまぁ大丈夫かというところになるでしょうか。
有利子負債 7,536,593,000,000 (86.3%)
株主資本合計 1,200,456,000,000 (13.7%)
投下資本 = 有利子負債+株主資本合計=8,737,049,000,000
営業利益 114,092,000,000
実行税率 31.2%
NOPAT = 営業利益 × (1-実行税率/100) = 78,495,296,000
ROIC = NOPAT / 投下資本 ≒ 0.9%
借りたお金の金利 3%とする。
借りた資金の資本コスト = 金利 × (1-実効税率)≒ 1.78%
Rf(10年物国債利回り)= 0.2% とする。
Rm(市場の長期平均リターン)= 7.3% とする。
マーケットリスクプレミアム(RmーRf)≒7.1%
β=0.9とする。(バフェット・コードの値を採用)
CAPM = Rf + β(RmーRf)=6.59
WACC =(2.322*0.347)+(14.4*0.)≒ 2.69
EVA = NOPAT ー 投下資本 × WACC ≒ -156,170,033,920
株価の想定
株価(8/22) / EPS = PER
667 / 69.2 ≒ 9.64 【22.3期実績EPS】
667 / 76.6 ≒ 8.7 【23.3期予想EPS】
年度 | EPS(円) | 1年前 | 2年前 | 3年前 | 4年前 |
---|---|---|---|---|---|
18 | 71.6 | ||||
19 | 77.3 | 8.0% | |||
20 | 79.4 | 2.7% | 5.3% | ||
21 | 62.1 | -21.8% | -10.4% | -4.6% | |
22 | 69.2 | 11.4% | -6.6% | -3.6% | -0.8% |
23(予想) | 76.6 | 10.7% | 11.1% | -1.2% | -0.2% |
24(予想) | 80.1 | 4.6% | 7.6% | 8.9% | 0.2% |
PER = 株価 × 株式数 / 当期純利益
9.63 ≒ 667 × 1,435,855,843 / 99,401,000,000 【22.3期実績純利益】
8.70 ≒ 667 × 1,435,855,843 / 110,000,000,000 【23.3期予想純利益】
8.33 ≒ 667 × 1,435,855,843 / 115,000,000,000 【24.4期予想純利益】
株価 = PER / 株式発行数 × 当期純利益
623 ≒ 9 / 1,435,855,843 × 99,401,000,000【22.3期実績純利益】
689 ≒ 9 / 1,435,855,843 × 110,000,000,000【23.3期予想純利益】
720 ≒ 9 / 1,435,855,843 × 115,000,000,000【24.3期予想純利益】
PER9倍程度を基準とするなら、23.3期予想純利益では株価は約689円程度です。
PERが何倍程度が適正なのかは難しいところですが、他の企業を見る限り、業種的にはそれほど高いPERではなく9倍は妥当な水準だと考えますが、もう少し株価がさがってから購入したいです。

過去チャートをみると、この数カ月で大きく株価が上がっているので、もう少し下がってから購入したいところです。

まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございました。
三菱HCキャピタルは連続増配で有名な企業なので、配当狙いであれば投資もありだと思います。ただ、通常であれば投資しない銘柄で、株価の上昇はあまり期待できない銘柄だと思います。
そのため、株価が安いタイミングで購入したいところです。現在の株価(2022/8/25時点:670円程度)では高いので、株価が下がれば検討したいところです。
ありがとうございました。
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