【銘柄分析】東テク(9960)<配当狙い>2022年下期以降の株価は?

この記事は2023年3月第1四半期決算短信までの情報をもとに作成しています。
この記事は投資の助言あるいは投資の勧誘等を行うものではありません。
また、結果を保証するものでもありません。

目次

結論

東テク(9960)はインカムゲイン狙いの配当として投資してもよいと判断しています。

22.3期まで11期連続の増配銘柄で今後も増配が続くのであれば非常に魅力的です。(配当性向が高まっているので、今後も増配が続くかは微妙なライン)

2022年4月ごろから急激に株価が伸びてしまいましたが、2022年8月22日現在の株価3590円であれば、購入の許容範囲と考えます。とはいえ、少し過熱感があるので、購入するならもう少し下がってほしいところです。

今後、大きな売り上げの減少などがない限り、基本的にホールドし続け、株価が想定よりも上がれば売却するというのが基本の戦略になります。(株価3590円でも配当利回りは約4%)

ストーリー

東テク(9960)は空調・同関連機器商社です。専業では首位となっています。

東テクグループの事業は大きく分けて、「空調」「計装」「エネルギー」の3つに分けられます。空調分野ではダイキン工業株式会社(6367)のNo.1販売代理店、計装分野では空調自動制御機器国内シェアトップのアズビル株式会社(6845)の特約店といった形で、業界トップ会社の販売店という強みを持っています。

11期増益中で、事業内容的にすぐに売上がなくなるといったリスクが少ないことも好感できる点です。

東テク(9960)へ投資する場合、配当狙いの投資がよいと考えます。2022年8月22日時点の株価3590円だとすると、22.3期実績の1株あたり139円の配当(通期)だとすると、約4%の配当利回りとなります。

11期連続増配中であること、当期純利益も今後数年微増を続けると予想しています。(一応会社HPでは2030年の当期純利益100億円となっていますが、それは厳しい気がします)

ただし、配当狙いであれば、株価が微増でも問題ありません。多少株価の上下があっても長期で保有しておいて、想定よりも株価が大きく上回れば売却するというのが基本戦略になると考えます。

企業概要・ビジネスモデル

企業概要

【決算】3月
【設立】1955.7
【上場】1993.12
【特色】空調・同関連機器商社の草分け。専業で首位。計装など工事部門拡大。保守工事子会社が強み
【連結事業】商品販売65(20)、工事35(32)、他0(44) <22・3>

セグメント内容
商品販売事業・空調機器、制御機器、設備機器を中心とした機器販売
・販売した機器のスポットメンテナンスや保守
工事事業・計装工事、管工事ほか各種工事の設計・施工
・施工工事に対するスポットメンテナンスや保守
セグメント説明

東テクの強みとして、ダイキンなど業界トップメーカーの販売店であることがあげられます。強い製品提供力と営業力から建築業者、設備業者、官公庁、民間施主など多くの顧客を抱えているそうです。

東テクの強み 東テクHPより抜粋

財務分析

画像はバフェット・コードの情報を使用しています。
https://www.buffett-code.com/company/9960/financial

バフェットコードより9960で検索

売上高や粗利率は全体的に増加傾向となっています。同社は空調関連機器商社として首位であり、すぐに急激な減少はしないと予想しています。

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EPS、BPSも増加傾向です。配当に関しては、22.3期まで11期連続で増配中です。23.3期予想では147円となっており、増配が続きそうですが、配当性向が40%を超えたので、増配が続くかは若干不安な面があります。(22.3期で配当性向が40.2%)

11期連続増益中なので、利益がでれば配当は期待できると思われます。利益が減少した時に配当がどうなるかが気になる部分です。とはいえ、11期増益中で現状では大きな不安はないこと、おそらく減益でも大きく減配はしないと予想できるので、配当利回りは高めの状況が続くと考えられます。

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キャッシュフローはFCFがマイナスの時もありましたが、21.3期以降またプラスになっています。

20.3期以降は借入金の返済をしており、財務キャッシュフローのマイナスが大きめになっています。その効果もあり自己資本比率が50%近くまで上昇してきています。

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財務レバレッジが減少傾向なので、安全性自体は増してきているといえます。

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【その他】

21年3月決算数値からは ROIC > WACC 、 EVA > 0 であり、事業に問題ないと判断しています。

有利子負債 12,285,000,000 (25.1%)
株主資本合計 36,750,000,000 (74.9%)
投下資本 = 有利子負債+株主資本合計=49,035,000,000

営業利益 6,297,000,000
実行税率 33.6%
NOPAT = 営業利益 × (1-実行税率/100) = 4,181,208,000
ROIC = NOPAT / 投下資本 ≒ 8.53%

借りたお金の金利 3%とする。
借りた資金の資本コスト = 金利 × (1-実効税率)≒ 1.992%
Rf(10年物国債利回り)= 0.2% とする。
Rm(市場の長期平均リターン)= 7.3% とする。
マーケットリスクプレミアム(RmーRf)≒7.1%
β=1.22とする。(バフェット・コードの値を採用)
CAPM = Rf + β(RmーRf)=8.862
WACC =(2.322*0.347)+(14.4*0.)≒ 7.141
EVA = NOPAT ー 投下資本 × WACC ≒ 679,705,800

株価の想定

株価(8/22) / EPS = PER
3590 / 345.8 ≒ 10.38 【22.2期実績EPS】 
3590 / 393 ≒ 9.13 【23.2期予想EPS】

年度EPS(円)1年前2年前3年前4年前
18228.7
19295.729.3%
20349.418.2%23.6%
21351.30.5%9.0%15.4%
22345.8-1.6%-0.5%5.4%10.9%
23(予想)363.95.2%1.8%1.4%5.3%
24(予想)3938.0%6.6%3.8%3.0%
EPS成長率 1年前は直近1年での成長率、3年前は3年間での年間平均成長率

PER = 株価 × 株式数 / 当期純利益
10.38 ≒ 3590 × 13,664,014 / 4,724,000,000 【22.3期実績純利益】
9.81 ≒ 3590 × 13,664,014 / 5,000,000,000 【23.3期予想純利益】
9.08 ≒ 3590 × 13,664,014 / 5,400,000,000 【24.4期予想純利益】

株価 = PER / 株式発行数 × 当期純利益
3457 ≒ 10 / 13,664,014 × 4,724,000,000【22.3期実績純利益】
3659 ≒ 10 / 13,664,014 × 5,000,000,000【23.3期予想純利益】
3951 ≒ 10 / 13,664,014 × 5,400,000,000【24.3期予想純利益】

現在の株価は3590円(2022/8/22時点)で、PERは約10倍となっています。来期以降の当期純利益予想は微増なので、PER10倍を基準に考えれば、株価も若干増加することは期待でき、配当利回りも現在の株価でいけば4%程度を期待できます。

では、PER10倍が妥当かどうかですが、類似企業のPERから考えても大きく外れているということはないと考えます。

類似企業のPER バフェットコードより

この銘柄へ投資する場合、キャピタルゲインを狙うよりもインカムゲイン(配当)狙いなので、長期保有することでリターンを期待することができます。株価が大きく伸びるタイミングがあれば売却のチャンスと考え、大きく伸びなければそのまま保有し続けることにするのが戦略の基本になると思います。

ただ、2022年4月ごろから急激に株価が伸びてしまったので、欲を言えばもう少し株価が下がったタイミングで購入したいところです。

TraidingViewにて作成

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございました。

配当狙いの投資として東テク(9960)はよい投資先かもしれません。今後も成長していくと考えられるので、配当を狙ってホールドしつつ、株価が想定よりも上がれば売却する戦略がよいでしょう。

ありがとうございました。

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この記事を書いた人

◆ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)
大卒から15年以上、東京でシステムエンジニアとして働いたが40歳を前にFPに転身。ライフプランや資産運用に関する無料セミナーや個別相談を通じてお金に不安がある人の悩みを解消中。
得意な分野は資産運用。最近は不動産投資型クラウドファンディングの運用割合を増やし、投資初心者の方にもおすすめの分散投資先として布教中。

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