【2024年】外国税額控除に関する明細書の記載例や確定申告のやり方をわかりやすく解説|SBI証券で米国ETFの取引をしている場合|

SBI証券で紹介しますが、どの証券会社でも流れは変わりません。
SBI証券以外を利用している人も参考にしてください。

こんにちは、みたお(@mitao_kabu99)です。

確定申告で外国税額控除申請をするのは面倒なので放置している人もいるかもしれません。米国ETFや株式の配当は先に現地で課税されるので、二重課税状態のままにしておくのはもったいないです。外国税額控除の申請は、慣れればそれほど手間ではありません。この記事ではSBI証券で取引しているパターンで外国税額控除の方法を紹介します。

配当支払い通知書等の確認方法などは証券会社ごとに若干違いますが、確定申告の方法は変わりません。

税務署に記載内容の確認をしています。数回確認して複数の人に聞いた結果、それほど厳密でなくても問題ないという回答でしたので、金額以外の部分で少々わからない部分があっても大丈夫そうです。金額の誤りはしないようにしてくださいね。

外国税額控除の詳細は以下の国税庁のサイトを確認してください。
参考:国税庁「No.1240 居住者に係る外国税額控除

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目次

事前準備 SBI証券(証券会社)から配当金の支払通知書を取得する

まずは証券会社から配当金の支払い通知書を取得します。SBI証券で電子交付サービスを申し込んでいる場合は以下の手順で取得できます。

STEP
口座管理から電子交付サービスを閲覧する

右上にある口座管理画面から電子交付書面ボタンをクリックします。下の図は一度に電子交付初演画面に移動させていますが、いったん口座管理画面ボタンを押してから、画面を切り替えると画面中断のタブが変わるので、一番右にある電子交付書面ボタンを押しても移動できます。

電子書面交付画面になったら「閲覧」ボタンを押すと別タブで「e-私書箱/plus」というものができると思います。

出典:SBI証券
STEP
開いた画面から配当金の支払い通知書を探します。

閲覧ボタンを押すと下のような新しいタブが作成されるはずです。

閲覧ボタンからタブが開いた状態
閲覧ボタンからタブが開いた状態

確定申告ををする場合、1月1日~12月31日分の配当すべての情報が必要になります。キーワード入力ボックスの右側にある絞り込みから「書面種類:外国株式等配当金等のご案内(兼…」を選んで探すのが簡単です。

書面種類で県債した状態
STEP
それぞれの帳票を確認して保存しておく

「外国株式等配当金等のご案内(兼)支払通知書」の帳票を確認します。クリックすると下のように展開されるので、中にあるPDFを開きます。

個別にPDFを確認する

下のようなPDFが出てくるので保存しておきましょう。確定申告で調査が入った時にも素早く対応できます。法定申告期限から5年間は書類の提示を求められる可能性があります。

支払通知書イメージ
支払通知書イメージ
STEP
数字を控えておく

確定申告で必要になるのは以下の4か所です。1年分を合計する必要があるので、エクセルなどに転記しておくと簡単に計算できます。

  1. 配当金等金額(※現地通貨ベースの金額)
  2. 外国源泉徴収税額(※現地通貨ベースの金額)
  3. 配当金等金額(円)
  4. 外国源泉徴収税額(円)
確定申告に必要な個所
確定申告に必要な個所

このあたりが厳密でなくてよいといわれた部分で、1年分をまとめて記載しても問題ないそうです。確定申告の納付確定日などは微妙になりますが税務署も細かいところまでは見てられないということですね。ただし、金額は間違えないようにしてください。

これで、1年間分の外国税額控除対象を確認できたら事前準備は終わりです。慣れれば30分程度で終わる作業だと思います。

外国税額控除の確定申告のやり方 ~外国税額控除に関する明細書の記載例~

次は実際の確定申告です。必要な書類が減るので国税庁のe-taxを利用するのが簡単です。

自分で書類を準備して作成することもできますが、確定申告は必要書類が結構多いです。数値を紐づけないといけない個所もあります。e-taxだとシステムが自動でやってくれるので手間がかなり省けます。

外国税額控除で作る資料

作成のメインとなるのが以下の書類です。これだけであれば特に難しくないので安心してください。e-taxなら必要な情報を関連付けてくれます。

・外国税額控除に関する明細書(居住者用)
※下のリンクの付表・明細書等(左側のタブ)の15番の書類

参考:国税庁「確定申告書等の様式・手引き等(令和4年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告分)

この記事では、外国税額控除部分の確定申告方法について焦点を当てており、その他の部分については記載していません。分離課税に関する申請では第二表と第三表(主に三表)が必要になる場合があります。第一表は総合課税に関連する箇所であり、配当を申告分離課税として申告している場合は第一表の「エ(配当」)の欄には金額は入りません。

確定申告の手順 所得税の基本

確定申告の前に、基本的な所得税の知識について先に理解しておきましょう。所得税(住民税も基本は同じ)は以下のステップで計算していきます。

  1. 各所得を合算して課税標準を計算(損益通算や損失の繰越控除を行う)
  2. 課税標準から所得控除を引いて課税所得金額をだす
  3. 課税所得金額に税率をかけて所得税額を計算
  4. 所得税額から税額控除を引いて納税額を確定させる

所得控除というのは、所得から引く金額で所得税などを計算するおおもとの金額を減らすことができます。医療費控除などは所得控除にあたります。

外国税額控除は税額控除にあたります。税額控除は実際に計算した所得税から控除金額を差し引きます。住宅ローン控除なども税額控除にあたります。

e-taxも「所得金額入力」⇒「所得控除金額入力」⇒「税額控除金額入力」の順序で作っていきます。外国税額控除は最後のほうだと理解しておいてください。

e-taxで外国税額控除の申請をする

この記事ではe-taxの手順は詳しく説明しませんので、外国税額控除までの手順は別途調べてください。そこまではざっくりと説明していきます。(下のSTEP1とSTEP2)

まずは国税庁のe-taxサイトへ移動します。個人利用を選びましょう。下のボタンから個人利用の作成へ移動できます。(別タブで開くのでボタンを押しても大丈夫です)

「確定申告書等の作成はこちら」ボタンから作成を進めてください。作成開始するとスマホ利用やカードリーダー利用などを選ぶことになるのでご自身で選択して進めてください。おそらくスマホ利用がやりやすいと思います。(この記事では印刷して提出を選択して進めた画像で説明します)

STEP
所得税を入力

会社員の方であれば一番左の所得税を選びます。個人事業主で青色申告をしている場合などは左から2番目です。そちらを選ぶ方は普段から確定申告されていると思います。

所得税から進む
所得税から進む

画面指示通りに進めていきます。収入金額・所得金額入力画面から給与所得を入力します。源泉徴収票などを参考にして入力してください。終わったら下の入力終了ボタンを押して所得控除入力に進みます。

※下の画像では適当な給与所得を入力しています。

所得金額入力画面
所得金額入力画面
STEP
所得控除の入力

所得控除の入力をします。よくあるのは医療費控除だと思います。なければそのまま次に進みます。下の入力終了(次へ)ボタンを押してください。

所得控除入力画面
所得控除入力画面
STEP
税額控除入力画面で外国税額控除金額を選択する

次が税額控除を入力する画面です。外国税額控除等の「入力する」ボタンを押します。

税額控除入力画面
税額控除入力画面
STEP
外国税額控除入力画面で金額を入力する

外国税額控除入力画面上部の「外国税額控除額の計算がお済でない方」を選んで、ここで入力するほうが簡単です。

下の画面の赤枠の日付などはそれほど重要視していないそうです。なので、配当金額をまとめて記載しても問題ないということでした。

金額は配当金支払調書の金額と一致させます。まとめて1明細として記載する場合は合計を記載してください。まとめて記載する場合は調整国外所得金額は②相手国での課税標準(円ベース)と一致します(させます)。

日付の令和xx年は、確定申告の年度に合わせてください。2024年2~3月に提出する確定申告なら令和5年となります。

外国税額控除入力画面
外国税額控除入力画面
配当金の支払調書
配当金の支払調書

所得税によっては全額還付されるわけではない

上で外国税額控除入力をしたら一通りの作業は終了です。外国税額控除の部分はそんなに難しくなかったと思います。最後に資料を確認しておきましょう。

e-taxで申請すれば必要な書類を関連付けて作成してくれるので便利です。上で外国税額控除の入力をしたらこれだけの書類が作られました。

作成した書類一覧
作成した書類一覧

まず申請書第一表に反映されます。下の図では所得金額などは適当な値を入力しています。

申請書第一表

外国税額控除に104円分が設定されました。上では127円(0.97ドル)を設定したのに若干金額が違っています。これは外国税額控除の控除上限があるからです。

下の書類は先ほど入力したものがそのまま必要書類に記載されているイメージです。

外国税額控除に関する明細書①
外国税額控除に関する明細書①

上の明細書の続きの3.以降(下の画像)が自前で作るとかなり面倒なので、e-taxを利用したほうがよいところです。下を見ると所得税の控除限度額(102円)と復興特別所得税の控除限度額(2円)の合計が104円なので上の第一表と一致していることがわかります。

外国税額控除に関する明細書②
外国税額控除に関する明細書②

外国税額控除はe-taxで確定申告するならなら面倒ではない

個人的な感覚としては、証券会社で配当の支払い通知書を集めて確認する作業が30分、確定申告の入力を実際にするのが1時間程度くらいかないう感じです。初めは確認しながらなので時間がかかると思いますが、慣れれば大した時間はかかりません。

今回説明した画像の金額だと少なすぎるので面倒だと感じる人もいると思いますが、金額が大きくなるほど外国税額控除の負担も大きくなるので、確定申告で少しでも取り返したほうがいいですよ。

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この記事を書いた人

◆ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)
大卒から15年以上、東京でシステムエンジニアとして働いたが40歳を前にFPに転身。ライフプランや資産運用に関する無料セミナーや個別相談を通じてお金に不安がある人の悩みを解消中。
得意な分野は資産運用。最近は不動産投資型クラウドファンディングの運用割合を増やし、投資初心者の方にもおすすめの分散投資先として布教中。

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