ローム(6963)の株価と配当は今後どうなる?東芝との関係は?

この記事は2024年3月期第3四半期決算短信までの情報をもとに作成しています。
この記事は投資の助言あるいは投資の勧誘等を行うものではありません。
また、結果を保証するものでもありません。

こんにちは、みたお(@mitao_kabu99)です。

ロームはパワー・アナログ半導体関連部品を製造する会社です。直近1年間は株価がさえない動きをしていますが、24.3期の業績予想からすると、株価の上昇はまだ先かもしれません。

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目次

ローム(6963)の株価予想

結論としては、24.3期の業績でもう少し株価が下がりそうな気がします。来期に向けて明るい材料がみつかればよいのですが。

ロームの目標株価

株価予想はアナリスト・AIともに強気な数字をだしています。ただし、結論の文章からすると24.3期の状況(下のビジュアル決算など)は考慮されていないと思われます。

下のスコアではわかりにくいのですが、安全性が高い代わりに効率性が悪いように感じます。

ここでは松井証券のマーケットラボの株価予想と銘柄スコアを紹介しました。マーケットラボは株価予想の参考にするのにかなりおすすめです。詳しい内容はした記事も読んでみてください。

ロームの株価チャート

直近10年間を見ると、株価は徐々に上昇しているように見えますが、さらに10年前から見ると、株価が下落してから上がってきているのがわかります。現在の株価は20年前の約半分といったところです。

ロームの株価チャートから見た今後の株価予想

現時点では…
  • 転換線が基準線の下にいる
  • 遅行スパンがローソクの下にいる
  • ローソク足が雲の下にいる

テクニカル指標(一目均衡表)はさえない形に見えます。24.3期の業績見込みが悪いことも踏まえると、業績が急上昇するのは難しそうな気がします。

ロームはなんの会社なのか?

名称ローム ろーむ [電気機器]
企業URLhttps://www.rohm.co.jp/
市場プライム
決算月3月
上場1983.11
特色車載や産業機器向けパワー・アナログ半導体に強み。
SiCパワー半導体を大増産で育成中
連結事業LSI46(20)、半導体素子42(16)、モジュール7(12)、他5(18)【海外】69 <23・3>
株主優待なし
ローム(6963)企業概要

ロームのビジネス

ロームのビジネスは、自動車や産業機器、コンピュータなどに使用される部品(製品)を作っている会社です。細かい内容が知りたい方はロームの統合報告書などを参考にしていただくのが良いと思います。売上高は約5000億円なので規模はかなり大きい会社です。

ロームの配当と権利確定日

ロームは本決算が3月ですが、9月に中間配当があります。今後も年2回の配当は変わらないと思います。中間配当がある前提で、2024年の配当は以下のようになります。株価を2500円とした場合の配当利回りはおよそ2%ですので、高配当銘柄というわけではありません。

2024年3月期日程配当金権利付き最終日権利落ち日権利確定日
中間配当25円(済)2023/9/27(水)2023/9/28(木)2023/9/29(金)
期末配当25円(予)2024/3/27(水)2024/3/28(木)2024/3/29(金)
24.3期配当情報

上記中間配当は株式分割後で換算した配当額である点に注意してください。

ロームの平均年収は約850万円

有価証券報告書によると、ロームの平均年間給与(賞与含む)はおよそ850万円でした。一般的な企業と比較すれば年間の給与はかなりの高水準といえそうです。

平均年齢平均勤続年数平均年間給与
41.3歳14.9年8,563千円
川崎汽船の平均年収

ロームと東芝の関係は?

2023年7月に東芝の非公開化への参画に関係しています。出資規模はおよそ3000億円で、東芝の半導体事業と協力していくようです。こちらは決算資料や統合報告書にも記載されています。

また、この件とは別のようですが、東芝デバイス&ストレージ株式会社と共同で申請していたパワー半導体関連の計画が経済産業省に認定されたというニュースリリース(2023年12月08日)も出ています。東芝との関連は結構ありそうですね。

今後の展望と将来性

2021年度から2025年度までの中期経営計画「MOVING FORWARD to 2025」が展開されています。細かいことは省きますが、2025年の売上目標は6000億円、営業利益率20%、ROE9%以上としています。2024.3期は2023.3期よりも業績が落ち込む見通しですので、残りの期間でどれだけ迫れるかが課題となりそうです。

ロームのIR情報と決算数値分析

以下の決算数値はバフェットコードの画像を中心に利用しています。

https://www.buffett-code.com/company/6963/financial

売上の推移

10年間の期間で見ると、徐々に売り上げが増加しているように感じます。実際にはもう少し長い期間で見ると、2007年頃から売上は減少がつづき、2013年を底にして徐々に上昇しています。ただし、24.3期は売上前年比は減少する見込みです。

利益の推移

かなりざっくりした数字ですと、売上総利益(粗利)は30~35%程度、営業利益率、経常利益率は10~15%、といったところです。利益率自体は悪くありませんが、ROE、ROAはともに5%前後となっているので、効率が良いということではなさそうです。ちなみに24.3期の利益はかなり下落しそうです。

キャッシュフローの推移

営業CFが比較的大きく、フリーCFが安定してプラスになっています。23.3期は有形固定資産の取得(1000億円)によりマイナスが大きくなっていますが、おかしな感じはしません。

配当金の推移

2023年に株式分割をしているため、こちらは分割後換算の配当金です。配当性向は30%を目安にするそうですが、24.3期も前期同様の1株当たり50円(分割前換算で200円)となりそうです。なお、配当利回りはおよそ2%前後となっています。また、自己株式の取得も不定期に実施にするので、そのタイミングでは総還元性向が上がりやすくなります。

23.3期 統合報告書

ROEの分解式

ROE、ROAともにやや低い感じがします。ROEの目標は9.0%でいったん達成していますが、24.3期は再度下落するはずです。この業種であれば10~15%あってもおかしくないと思います。ここには載せていませんが、自己資本比率や流動比率、負債比率などがかなり良い数字なので、安全性が高い一方で効率性が悪い感じがします。

その他の分析1(ROIC、WACC、EVA)

EVAがマイナスの値をとっており、やはり効率性は良くないという結果になっています。

EVA:経済的付加価値
EVA(円)=投下資本×(ROICーWACC)
企業の本質的な収益力を実額で測定する指標。投資家が期待する付加価値を生み出しているか。 

有利子負債 40,336,000,000(4.4%)
株主資本合計 870,656,000,000(95.6%)
投下資本 = 有利子負債+株主資本合計=910,992,000,000

営業利益 92,316,000,000
実行税率 26.6%
NOPAT = 営業利益 × (1-実行税率/100) = 67,759,944,000
ROIC = NOPAT / 投下資本 ≒ 7.44%

借りたお金の金利 3%とする。
借りたお金の資本コスト = 金利 × (1-実効税率)≒ 2.202%
■借りた金コスト= 有利子負債比率×借りたお金の資本コスト=4.4%×2.202=0.097498
Rf(10年物国債利回り)= 0.2% とする。
Rm(市場の長期平均リターン)= 7.3% とする。
マーケットリスクプレミアム(RmーRf)≒7.1%
β=1.18とする。(バフェット・コードの値を使用)
CAPM = Rf + β(RmーRf)=8.578
■株主資本コスト=株主資本比率×CAPM=95.6%×8.578=8.2956898
WACC =借りた金コスト+株主資本コスト=8.2956898
EVA = NOPAT ー 投下資本 × WACC/100 ≒ -7,813,126,400

その他の分析2(EPS成長率や類似企業から判断する株価予想)

ESP(1株当たり当期純利益)が上がったり下がったりするので、数字の判断は難しいですね。

スクロールできます
年度EPS(円)1年前2年前3年前4年前
19107.82
2061.92-42.6%-16.1%
2194.0646.20%-6.6%2.2%
22170.162.60%65.8%16.4%17.4%
23204.6619.20%47.5%49.0%17.4%
24(予想)124.37-39.2%-14.5%9.8%19.0%
EPS成長率(2年以上前は単年成長率換算)

2024年3月21日現在の株価はおよそ2500円です。24.3期の予想純利益から換算するとPERは約20倍となります。現在の株価で23.3期の当期純利益から換算したPERは約12.5倍です。過去5年間のPERのレンジで最低が11.5倍であったことを考えると、株価は1500円近くまで下落することも予想しておいてよいかもしれません。

株価 = PER / 株式数 × 当期純利益
2559 ≒ 12.5 / 392,570,888 / 80,375,000,000 【23.3期実績純利益】
2507 ≒ 20.5 / 392,570,888 / 48,000,000,000 【24.3期予想純利益】
1528 ≒ 12.5 / 392,570,888 / 48,000,000,000

PERの推移

とはいえ、半導体関連などの銘柄は人気なので業績以上に買われそうな気はします。関連銘柄のPERも20倍は超えていました。

まとめ:24.3期は下落しそう、今後に期待

24.3期の業績予想からだと買いにくいですが、仮に中期経営計画の数値がクリアできるならここから株価は上昇しそうな気がします。それほど割安なイメージもなく、配当利回りが高いわけでもないので、強い思いがなければ別銘柄を探してもよい気がします。

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この記事を書いた人

◆ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)
大卒から15年以上、東京でシステムエンジニアとして働いたが40歳を前にFPに転身。ライフプランや資産運用に関する無料セミナーや個別相談を通じてお金に不安がある人の悩みを解消中。
得意な分野は資産運用。最近は不動産投資型クラウドファンディングの運用割合を増やし、投資初心者の方にもおすすめの分散投資先として布教中。

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