【米国高配当ETF】SPYDの買い時を解説!いくら配当金がもらえるの?

こんにちは、みたお(@mitao_kabu99)です。

分配金を目的としている投資家にとって、高分配利回りの米国ETFは有効な投資銘柄になります。SPYD(SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF)は高配当銘柄として人気のVYM(バンガード 米国高配当株式ETF)よりも分配利回りが高いので分配金を狙うならおすすめできる銘柄です。しかし、SPYDはVYMとは少し特徴が違うので、それを考慮した上での買い時を解説していきます。

SPYDの特徴
SPYDの特徴

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目次

SPYDの概要 配当金はいつもらえる?配当日は?

まずはSPYDの基本情報を抑えておきましょう。

基準価額(米ドル)35.77 (2023/06/23)
純資産総額(百万米ドル)6,152.16 (2023/05/31)
分配金回数/年4回
分配利回り4.97 %
経費率0.07 %
設定日2015/10/22
構成銘柄数約80
運用会社ステートストリート
SPYDのETF情報(2023/6/27時点)

SPYDはNYSE Arcaに上場している米国の高配当ETFです。NYSE Arcaはニューヨーク証券取引所(NYSE)の傘下でSPYD以外にも多くのETFが上場している取引所です。ニューヨーク証券取引所とは上場基準が異なり、新興企業が中心となっています。

運用会社であるステートストリート社はSPDR(スパイダー)シリーズのETFを提供しています。SPDRシリーズのETFは経費率が低く、0.1%以下の商品が多くそろっています。また、GOLD関連のETFも取り扱っており、金関連に投資している人はステートストリートのETFを利用している人も多いと思います。

ETF(ティッカー)名称ベンチマーク経費率(%)
SPLGSPDRポートフォリオ S&P500 ETFS&P 500指数0.03
SPMDSPDRポートフォリオ S&P400中型株式 ETFS&P中型株400指数0.05
GLDSPDRゴールド・シェア金地金価格(ロンドン金値決め)0.40
GLDMSPDRゴールド・ミニシェアーズ・トラストLBMA Gold Price PM(LBMA金価格(午後))0.18

SPYDの分配利回りは約5%となっており、キャピタルゲイン(株価の上昇)よりもインカムゲイン(分配金)を目的としたETFです。高配当ETFとして人気のあるVYMが約3%(どちらも2023/4/4時点)なので、SPYDの分配利回りのほうが高いことがわかります。

経費率は0.07%となっており、SPDRシリーズの特徴である低経費率を実現しています。SPYDは構成銘柄数は約80銘柄なので、分散投資の数としてはそれほど多くありません。セクター構成などに特徴があるので、この後説明します。

分配金関連情報

分配金は年4回受け取ることができます。過去実績は以下の通りです。毎年3月、6月、9月、12月の中旬ごろが権利落ち日となるので、それまでに保有しておくようにしましょう。

分配金履歴【2016~2022年】(クリックすると開きます)
日付(権利落ち日)分配金
2022/12/160.507258
2022/09/160.418383
2022/06/170.40499
2022/03/180.65271
2021/12/170.127557
2021/09/170.386582
2021/06/180.398912
2021/03/190.636159
2020/12/180.606617
2020/09/180.263572
2020/06/190.365715
2020/03/200.396187
2019/12/200.49717
2019/09/200.447676
2019/06/210.461955
2019/03/150.339422
2018/12/210.44335
2018/09/210.45071
2018/06/150.376101
2018/03/160.348771
2017/12/150.398982
2017/09/150.362827
2017/06/160.342752
2017/03/170.31759
2016/12/160.584971
2016/09/160.326104
2016/06/170.325596
2016/03/180.277192
STATE STREET社HPの情報から作成

年度別の分配金は以下のようになっています。

年度分配金(ドル)
2022年1.983341
2021年1.54921
2020年1.632091
2019年1.746223
2018年1.618932
2017年1.422151
2016年1.513863
STATE STREET社HPの情報から作成

【2023年】SPYDの権利落ち日、権利確定日、支払日一覧

権利落ち日というのは、この日に保有ETFを売却しても、そこまでの分配金はもらえる日です。日本株の配当と考え方は同じで、権利付き最終日の次が権利落ち日のイメージです。SPYDの権利落ち日は下のステートストリート社の資料から確認できます。

英語の資料でステートストリート社の全ETFが載っているのでわかりにくいかもしれませんが、「SPYD」で検索すると、すぐに見つかります。

参考:State Street社「SPDR Dividend Distribution Schedule PDF」

権利落ち日
【Ex-dividend date】
権利確定日
【Record date】
支払日
【Payable date】
分配金(米ドル)
【$/Share】
3月3/173/203/220.387419
6月6/166/206/220.465386
9月9/159/189/20
12月12/1512/1812/20
【SPYD】2023年の分配金情報(2023/6/25時点)

SPYDの構成銘柄とセクター構成割合

SPYDの上位構成銘柄は以下の通りで、全体では約80銘柄なので構成銘柄数としては多くありません。SPYDの銘柄国政の特徴として、上位構成銘柄でもウェイトが2%以下となっており、特定の銘柄への依存度が低いことがあげられます。(構成割合に大きな差がないので、上位構成はよく入れ替わります)

また、次のセクター構成でも紹介しますが、不動産セクター、金融セクター、公益事業セクターの構成比率がかなり多く、米国株式の中で特徴的な情報技術セクターは構成割合が少なくなっています。(分配金が出るものが少ないからだと思います)

ティッカー銘柄ウェイト
GILDギリアド・サイエンシズ1.73%
PFGプリンシパル・ファイナンシャル・グループ1.71%
CAHカーディナル・ヘルス1.65%
VLOバレロ・エナジー1.60%
XOMエクソン・モービル1.59%
DRIダーデン・レストランツ1.51%
CVXシェブロン1.50%
OKEワンオーク1.49%
IPGインターパブリック・グループ・オブ・カンパニーズ1.49%
OMCオムニコム・グループ1.49%
STATE STREET社HPの情報から作成 構成銘柄上位10社 2023/1/18時点

セクター構成は以下の通りです。特徴的なのは情報技術セクターやヘルスケアセクターの割合がかなり小さく、不動産や金融セクターの割合が多い点です。このような構成をしているため、情報技術セクターなどの先端技術の需要による株価上昇のような米国の典型的な上昇パターンでは、SPYDの基準価額の上値は制限される可能性が高くなります。

セクター名称組入比率
不動産22.76%
金融17.45%
公益事業14.32%
一般消費財・サービス9.68%
生活必需品8.19%
素材7.78%
コミュニケーション・サービス5.62%
エネルギー5.19%
ヘルスケア3.51%
情報技術2.76%
資本財・サービス1.18%
SPYDのセクター別構成比率 2023/6/27時点

SPYDのリアルタイムチャート

2020年のコロナショックではSPYDは大きく下落しました。それ以降、2020年から2021年にかけて株価が上昇しましたが、2022年の政策金利の上昇などによって再度下落しています。2023年も下落が続いており、結果的にこの数年基準価額は大きく上昇していません。

SPYDの主要なセクターである不動産セクターや金融セクターは不況下には基本的に弱いと言われています。2023年の米国株式市場は雇用が順調に推移しているため株価も踏みとどまっていますが、リセッション(景気後退)が発生する可能性も否定できません。リセッションが発生した場合、SPYDの基準価額も大きく下落することが予想されます。しかし、基準価額が下落時には、逆に分配利回りが上昇するため、スポット購入するタイミングとして魅力的な機会となる可能性もあります。

SPYDとS&P500の株価チャート比較

SPYDとS&P500を比較すると、上昇局面での違いが顕著です。特に2023年に入ってから、S&P500は大きく上昇していますが、SPYDは逆に下落基調となっています。これは、先述したセクター構成が大きく関与しています。S&P500の上位を占めるアップルやマイクロソフト、エヌビディアなどの情報技術セクター中心の大企業の上昇がS&P500を牽引している一方、SPYDはその恩恵にあずかることができません。

SPYDとS&P500の比較
SPYDとS&P500の比較

ただし、下落局面においては、分配利回りの高さが有効に働きます。2022年は米国株式市場全体が大きく落ち込みましたが、分配金を含むリターンを見ると、S&P500が20%近く下落したのに対して、SPYDは約2%の下落で踏みとどまりました。

出典:SeekingAlpha SPYDとS&P500のトータルリターン比較
出典:SeekingAlpha SPYDとS&P500のトータルリターン比較

SPYDとVYMの比較

SPYDとVYMを比較すると、SPYDは約5000円から購入可能で、投資しやすくなっています。純資産総額はVYMのほうが圧倒的に大きく安全性が高いといえます。分配利回りと経費率はどちらも優れた水準といえます。

項目SPYDVYM
基準価額(米ドル)35.77 (2023/06/23)103.57 (2023/06/23)
純資産総額(百万米ドル)6,152.16 (2023/05/31)46,533.82 (2023/05/31)
分配利回り4.97%3.22%
経費率0.07%0.06%
構成銘柄約80銘柄約460銘柄
運用会社ステートストリートバンガード
SPYDとVYMの比較

SPYDとVYMのセクター比較

SPYDとVYMのセクターを比較してみます。一番の違いは不動産セクターの有無です。理由はわかりませんが、VYMは不動産セクターへの投資がありません。また、ヘルスケアセクターや情報技術セクターなどの割合もVYMのほうが大きく、全体的にSPYDに比べてセクターの偏りが少なくなっています。

セクター名称SPYDVYM
不動産22.76%
金融17.45%19.10%
公益事業14.32%7.90%
一般消費財・サービス9.68%9.20%
生活必需品8.19%13.60%
素材7.78%2.30%
コミュニケーション・サービス5.62%5.00%
エネルギー5.19%10.40%
ヘルスケア3.51%13.20%
情報技術2.76%7.50%
資本財・サービス1.18%11.80%
SPYDとVYMのセクター別構成比較 2023/6/27時点

SPYDとVYMの株価チャート

SPYD(赤線)とVYM(青線)と比較すると、SPYDのほうがに値動き大きい傾向にあります。これは上のセクター構成でも紹介した通り、SPYDのほうがセクターの構成に偏りがあるからと考えられます。また、情報技術セクターのような、成長性が高いセクターの割合が少ないため、上昇率は低めとなっています。

SPYDとVYMの株価チャート比較
SPYDとVYMの株価チャート比較

SPYDとVYMの増配率を比較

次にSPYDとVYMの増配率を比較してみます。過去5年間の平均増配率は約5%となっています。ただし、この結果は偶然の一致です。実際にはSPYDは増配率にはかなりの差があります。この期間からは、VYMの方が分配金が順調に増加していく傾向が見て取れるため、積立投資にはVYM、スポット購入にはSPYDの方が適していると感じます。

年度分配金(SPYD)増配率(SPYD)分配金(VYM)増配率(VYM)
5年平均5.2%5.2%
20221.9828.0%3.254.8%
20211.55▲5.1%3.16.5%
20201.63▲6.5%2.912.5%
20191.757.9%2.847.2%
20181.622.65
増配率の平均は2022年と2018年の差から算出

SPYDに投資するなら大手ネット証券がお得

SBI証券やマネックス証券、楽天証券などの大手ネット証券ではSPYDは買付手数料無料銘柄に指定されているので、SPYDに投資するなら大手ネット証券がお得です。

特にマネックス証券の場合、買付手数料無料になるのに加えて、買付時の為替手数料も無料なので、米国株の取引をするのにとてもおすすめな証券会社です。

マネックス証券は口座開設するだけで銘柄スカウターという高性能分析ツールが使えるのが超便利です。外国株式取引口座を開設すると、米国版銘柄スカウターも利用できるようになります。

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マネックス証券がおすすめな3つの理由
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SPYDの注意点 外国税額控除は欠かせない

話が変わりますが、SPYDだけでなく、米国株の配当は二重課税となります。これに対応するには確定申告で外国税額控除の申請をしなくてはいけません。外国税額控除は初めてだとかなり面倒ですが、一度やり方を覚えれば慣れるので頑張って覚える価値はあります。外国税額控除の申請を覚えると、米国株の投資がしやすくなり投資の幅が広がります。

ちなみに、外国税額控除をしなくても問題はありませんが、10%分課税されているので絶対したほうがいいです。ただし、外国税額控除をすると必ず還付されるというわけではありません。

外国税額控除の方法はこちらで詳しく解説しています。

参考:国税庁「No.1240 居住者に係る外国税額控除

SPYDの買い方は? 結論:SPYDはスポット購入が適している

SPYDとVYMはどちらも高配当銘柄ですが、特徴が少し違います。個人的には、VYMは積立投資、SPYDはスポット購入に適していると考えています。2023年から2024年は米国株式市場のリセッションの可能性もあるので、基準価額下落時は積極的に狙っていきたい高配当ETFの1つになりそうです。

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この記事を書いた人

◆ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)
大卒から15年以上、東京でシステムエンジニアとして働いたが40歳を前にFPに転身。ライフプランや資産運用に関する無料セミナーや個別相談を通じてお金に不安がある人の悩みを解消中。
得意な分野は資産運用。最近は不動産投資型クラウドファンディングの運用割合を増やし、投資初心者の方にもおすすめの分散投資先として布教中。

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