こんにちは、みたお(@mitao_kabu99)です。
この記事では初めて投資信託を利用する人へ向けて、購入時のポイントをいくつか紹介します。「金融機関の人に勧められたから…」と自分で何も調べずに投資すれば失敗してしまう可能性もあります。
投資信託も細かく考えればいろいろありますが、私個人としては細かいことを考えずに投資しても問題ないと思っています。とはいえ、今回紹介するポイントは投資信託を利用するなら最低限知っておくべき内容です。最大公約数的な選び方や考え方ですので、とりあえずこれを見れば投資信託の選び方がわかると思います。
投資信託の投資先
投資信託購入時に一番最初に考えるのは、どんな商品に投資している投資信託を選ぶかということです。投資信託商品には、株に投資するものもあれば、債券や不動産などへ投資しているファンドもあります。
ファンド例 | 投資先 |
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三菱UFJ-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | 海外株式 |
三菱UFJ-eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | 国内株式 |
三菱UFJ-eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | 株式・債券・不動産(リート)など |
これと決めているものがあればその中からファンドを選べばよいですし、どれか選べないということであれば海外株式を選べばよいと思います。これは次に説明しますが、海外株式がおすすめというよりも、手数料が低いものを選ぶと海外株式のファンドが多いからです。
投資信託で知っておくべき3つの仕組み
投資信託の仕組みとして、この3つは覚えてきましょう。
- 信託報酬手数料
- 為替の影響
- 基準価額の違い
信託報酬手数料率が低いほうが基準価額は上がりやすい
少し極端な言い方になりますが、簡単に投資信託を選びたいのであれば、信託報酬手数料が低い商品を選べば大きな間違いはありません。信託報酬手数料は、保有期間ずっと必要になる費用です。購入時の手数料のように直接資金が必要になるわけではないので、イメージしにくいかもしれません。
上の図は分配金について記載されていますが、信託報酬もこれと考え方は同じで、ファンドの財産から信託報酬分の金額が減るので、その分だけ投資信託の基準価額が上がりにくくなります。逆に言えば信託報酬が低いほどその投資信託の基準価額は上昇しやすいということになります。
この選び方をすると、対象となるのはオールカントリー(オルカン)やS&P500などのファンドなどの海外ファンドが多くなります。運用成果は主に米国の経済状況が大きく影響しますが、どれをとっても間違いの少ない商品で、投資信託を利用している多くの投資家が結局これを選ぶということが多いと思います。
国内インデックスだと、TOPIXや日経平均(日経225)が対象となります。一般的には米国株など世界へ海外へ投資するよりも成長率は高くないといわれていますが、タイミング次第で十分利益は狙えます。
外国株へ投資している商品は為替の影響を受ける
投資信託で外国株へ投資している商品は為替の影響を受けます。「為替の影響」とは、対象となっているインデックスが上昇しても為替が円高になれば投資信託の基準価額が下がるかもしれないということです。逆に対象のインデックスが下落しても、円安に動けば投投資信託の基準価額は下がりにくくなります。
下の表は2022年のドル円為替相場(ローソク足:左ラベル)とS&P500(赤ライン:右ラベル)の推移を示しています。S&P500は2022年に入り下落が続いた一方で、為替は1ドル115円程度から、2022年10月頃に1ドル150円程度まで円安が進みました。
これを見ると、S&P500に連動する投資信託も2022年は大きく下落するように感じますが、実際には2022年はほとんど下落しておらず、円安が進むタイミングではむしろ上昇しています。
為替の影響は考えたくないというのであれば、海外株式のファンドはやめるか、為替ヘッジありの商品を選ぶことになります。為替ヘッジという為替の影響を受けないようにしている商品もありますが、全体としては為替ヘッジ無しのほうが多いです。為替ヘッジの有無については、投資信託の目論見書などでも確認できます。
購入時点の基準価額の違いは気にしなくていい
同じインデックスに投資していて、信託報酬も変わらないのに基準価額が違うことがあるのはなぜか疑問に思う人もいるかもしれませんが、現時点での基準価額の違いはあまり気にする必要はありません。
投資信託は運用開始タイミングでは、基準価額は必ず10,000円からスタートします。そのため、現時点の基準価額が10,000円を下回っている場合は、運用開始から成果が出ていないということになります。同じ商品性で基準価額が違う場合は運用が始まった日(設定日)が異なるはずですので、以降の動きはほとんど変わらなくなるはずです。
購入するならNISAを利用
2024年からNISA制度が新しくなり、つみたて投資枠(旧つみたてNISA)と成長投資枠(旧一般NISA)の併用が可能になりました。積立投資枠のみ利用するのであれば、非課税枠の1800万円を投資信託だけで使い切ることもできます。
NISAをそれほど積極的に利用する予定がないのであれば、基本的に投資信託の購入はつみたて投資枠を利用して運用することをおすすめします。
その他のチェック項目
細かい仕組みなどは他にもたくさんありますが、始めのうちは細かいことは考えずにとりあえずNISAで積立投資設定をしておけばいいと思っています。慣れてきて興味がでたら下記のようなことも調べてみてもよいかもしれません。
- 純資産が大きいほうがいいのかどうか(基本的に大きいほうがいい)
- 投資信託とETFの違い(注文方法の違いなど)
- アクティブファンドのリターン(信託報酬が高めのファンドであまりおすすめしない)
- 分配金が出る投資信託はどうなのか(個人的にはおすすめしない)
- 購入方法(ドルコスト平均法など)
- 損失が出たらどうなるのか(NISAで損失が出るのは通常取引で損失がでるよりもったいない)
- 分散投資方法の違いによるリターンの違い(バランス型の商品1本買う場合と複数ファンドを購入した場合)
結論:おすすめの商品は…
以上のことから、やはりおすすめはS&P500やオルカンなどのファンドです。結局多くの人が買っているものと同じかと思われるかもしれませんが、それだけ大きな失敗が少ないということになると思います。
ちなみに、これらの商品は多くの場合、最大の利益が取れるわけではありません。短期的に見ればそれよりもリターンが多いアクティブファンドなども存在するはずです。ただし、投資は宝くじをあてるよりも、外れをつかまないようにすることが重要だと考えています。
特に投資信託のような積立型の商品は比較的安全なものを選ぶことをおすすめします。
例えば | 投資対象 | ファンド例 |
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信託報酬が低いもの | 海外株式 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) SBI・V・全米株式インデックス・ファンド |
為替の影響が小さいもの | 国内株式 為替ヘッジあり | たわらノーロード 日経225 iFree 外国株式インデックス(為替ヘッジあり) |
1つの商品で分散投資できる | 複数資産 | たわらノーロード バランス(8資産均等型) eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) |