金ETFのおすすめはどれ?日本と米国の金ETFを比較した結果!

こんにちは、みたお(@mitao_kabu99)です。

この数年で金(GOLD)価格は大きく上昇してきました。リスクヘッジ資産として金を一定の割合保有しておくのもよいかもしれません。金地金で購入するのはなかなか難しいですが、ETFなどを利用すれば簡単に金を保有することができます。(現物を保有ということにならないものも多いですが)

金ETFのポイント
金ETFのポイント
目次

金ETF銘柄は? 日本と米国の金ETFチャート

日米でメインどころになる金ETFや投資信託を紹介します。

投資先種類コード名称信託報酬
日本投資信託三菱UFJ 純金ファンド0.99%程度
日本ETF1326SPDRゴールド・シェア0.40%
日本ETF1328NEXT FUNDS 金価格連動型上場投信0.50%
日本ETF1540純金上場信託(現物国内保管型)0.49%
日本ETF1672WisdomTree 金上場投資信託0.39%
米国ETFGLDSPDR ゴールド シェア0.40%
米国ETFGLDMSPDRゴールド ミニシェアーズ トラスト0.13%
2023/4/20時点

大きく分けると、日本の投資信託、日本のETF、米国のETFの3種類です。ETFも商品によって対象としているインデックスは若干違います。(ただ、正直あんまり気にしなくていいと思います)

日米の金ETFチャートの特徴

日米の金ETFチャートを見ると特徴がわかりやすいと思います。ここでは細かい動きを見ることを目的としていません。

日本のETF(上のほうにあるオレンジっぽい線の4種類)と米国ETF(青っぽい線の2種類)&GOLD(ローソク足)で大きく2つに分かれているということがわかると思います。

日米ETFとGOLD価格のチャート
日米ETFとGOLD価格のチャート

これは為替が影響しているからです。金の購入は基本ドル建て(つまりドルで買う)です。ですが、この国内ETF商品は為替ヘッジをしていないので為替リスク(ドル円相場の変動がETF価格に影響する)が発生します。

そのため、国内ETFと米国ETFで動きが分かれることになります。

金価格チャートと為替チャートの関係

もう少し詳しく見てみましょう。下のチャートはGOLD(赤線)とドル円の為替レート(青線)とその相関関係(下ペイン)を表しています。相関係数が-1というのは全く逆の動きをすることを意味するので、金価格と為替レートは逆の動きをしやすそうだということがわかります。

GOLDとドル円の関係
GOLDとドル円の関係

次は純金上場信託(現物国内保管型)(1540:青線)も加えてみます。ドル円為替レート(赤線)とGOLD(オレンジ線です)

2022年の動きは特徴的で、金価格は大きく下げていますが、日本ETFはなんとか下げずにもちこたえています。これは、2022年に為替が大きく円安に動いたからと考えられます。

1540、GOLD、ドル円為替のチャート
1540、GOLD、ドル円為替のチャート

つまり、ざっくり言うと下のようなことが言えそうです。

円高円安
国内ETF・金価格は上昇しそう
・為替の影響的には下落
・金価格は下落しそう
・為替の影響的には上昇
海外ETF・GOLD金価格は上昇しやすそう金価格は下落しやすそう
為替とETFの関係

この十数年を見る限りでは、円高時は為替の影響よりも金価格上昇が効きそうで、円安時には金価格下落よりも為替の影響がプラスに働きやすいようにも見える(上がりやすく下がりにくい?)のですが、今後どうなるでしょうか。

金価格の今後の見通しは

金価格は大雑把に言えば金利と逆相関の関係にあると言われています。金は現物資産で配当などのインカムゲインを生み出さないので、金利が上昇する局面ではインカムゲインを生む商品のほうが魅力が増すからです。

ただ、実際にはどうなんでしょう、、。下のチャートは2010年以降の米国10年物債券利回りと2年物債券利回りとGOLDの価格です。(青っぽい線が債券利回り、赤がGOLDです)下にはそれぞれの相関をつけていますが、まぁ逆の動きと言えなくはないかなというレベルな気がします。

債券利回りと金価格
債券利回りと金価格

もう少し期間を絞ると、2022年以降の金価格下落は米国の利上げが影響しているといってもおかしくないと感じます。

2022年以降の債券利回りと金価格
2022年以降の債券利回りと金価格

時期についてはわかりませんが、米国の金利は今後下がってくることは確実と言ってもよさそうです。ぶれが大きいことは確かですが、FedWatchツールを見ると年内には利下げが開始される可能性は非常に高いといえます。つまり、金利の低下から金への資金流入が多くなれば、金価格の上昇を招くかもしれません。

2023/4/21時点
2023/4/21時点

参考:FedWatchツール

また、米国の金利低下により日米の金利差が縮小すれば円高になりやすいことは確かです。以下はドル円の為替レート(赤線)と、米国2年物国債利回り(青線)のチャートです。中期的には国債利回りは下落していくので、円高に向かうと予想できます。これも前述した通り金価格上昇を招きやすくなります。

ドル円の為替レートと2年物国債利回りのチャート
ドル円の為替レートと2年物国債利回りのチャート

2022年後半から金価格がかなり上昇しているので、短期的には下落する可能性もありますが、中期的に見れば金価格が上昇しそうな材料が多いと感じます。

金ETFのおすすめはどれなのか?日本か米国か、現物転換できるかどうか

最後に日米の金ETFを紹介します。上でも紹介した通り、日本と米国では違いがありますが、日本国内のETFであればそれほど大きなリターンの違いはありません。

米国ETFの取引ができるのであれば、長期的には経費率の低いGLDMがよいかもしれません。流動性の観点ではGLDのほうが高そうです。どちらもステートストリート社なので安全性の部分はそれほど心配しなくてよいと思います。

純金上場信託(現物国内保管型)【1540】:金の果実

銘柄コード1540
銘柄名純金上場信託(現物国内保管型)
信託報酬0.49%
連動指標金地金1グラムの現在価値(理論価格)
2023/4/21時点

金の果実(1540)が面白いところは、一定の口数を保有していると金の現物に転換「交換」できるところです。実際の金を保有しているのに近い投資方法と言えるかもしれません。

金価格に投資するだけではなく、現物を保有したいけど金地金をどう買えばいいかわからないという人には向いているかもしれません。

現物への転換方法
現物への転換方法

参考:三菱UFJ信託銀行 転換(交換)の流れ

SPDRゴールド・シェア【1326】

銘柄コード1326
銘柄名SPDRゴールド・シェア
信託報酬0.40%
連動指標金地金価格(ロンドン金値決め)
2023/4/21時点

SPDRゴールド・シェアは世界の複数で上場されている商品です。投資先はこちらも金ですが、現物への転換などはありません。現物への転換は不要だけど金の安全な投資先を選びたい人には良さそうな商品です。

三菱UFJ 純金ファンド(ファインゴールド)

銘柄コード
銘柄名三菱UFJ 純金ファンド
信託報酬0.99%程度
2023/4/21時点

こちらは投資信託での金関連商品です。投資先は金ではなく上で紹介した「金の果実(1540)」が主要対象となっており、信託報酬が約1%と国内ETFに比べると割高になっています。また、この投資信託商品はつみたてNISAの対象ではありませんので注意してください。

SPDR ゴールドシェア(GLD)

ティッカーGLD
銘柄名SPDRゴールド・シェア
純資産総額(百万米ドル)59,048.72 (2023/03/31)
経費率0.40%
分配利回り0.00%
連動指標金地金価格(ロンドン金値決め)
2023/4/21時点

こちらは国内ETFで紹介したSPDRゴールド・シェア(1326)の米国ETF版です。外貨決済で取引すれば為替の影響を受けにくくなります。(それがプラスになるとは限りませんが)

組入れ比率はほぼ100%がGOLDなので分配はありません。保有期間中の課税をあまり気にしなくてよいのはいいところかもしれません。

SPDRゴールド ミニシェアーズ トラスト(GLDM)

ティッカーGLDM
銘柄名SPDRゴールド ミニシェアーズ トラスト
純資産総額(百万米ドル)6,088.35 (2023/03/31)
経費率0.13%
分配利回り0.00%
連動指標LBMA Gold Price PM
2023/4/21時点

GLDMはGLDと同じくステートストリートから出ている商品です。大きな違いは経費率でGLDMのほうがはるかに経費率が低いです。

ただ、、上の米国版サイトのファクトシートや目論見書も見たのですが、GLDとの仕組みの違いが実はよくわかりませんでした。GLDM自体も金の保有はしているのですが、それを証券化して提供しているってことなのかなぁ…

純資産や流動性はGLDのほうが高いので短期的な売買はGLDで、長期的な保有はコストが安いGLDMでといった使い方が良さそうです。

まとめ:資産の一部をリスクヘッジにしてもいい

金は現物資産なのでインフレ対策としても有効です。ここ数年でかなり金価格が上昇しているので、大きなキャピタルゲインを狙うのは難しいかもしれませんが、一定の割合はアセットアロケーション(資産配分)に加えておくほうがリスクヘッジになりそうな気がします。

米国株への投資が可能ならGLDM、国内ETFならリターンに大きな違いはないので現物転換できるかどうかなどが判断材料になりそうです。

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この記事を書いた人

◆ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)
大卒から15年以上、東京でシステムエンジニアとして働いたが40歳を前にFPに転身。ライフプランや資産運用に関する無料セミナーや個別相談を通じてお金に不安がある人の悩みを解消中。
得意な分野は資産運用。最近は不動産投資型クラウドファンディングの運用割合を増やし、投資初心者の方にもおすすめの分散投資先として布教中。

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