11月FOMC後の米国株式市場はどうなるかを予想。中間選挙、雇用統計などイベント多数

こんにちは、みたお(@mitao_kabu99)です。

11月のFOMCの結果がもうすぐ出ます。今回は0.75%上昇でほぼ間違いないでしょう。注目は12月以降に向けてどのような印象の発表をするかというところです。

この記事では、今後の米国株式市場がどうなるのかを以下の4つの観点で予想してみます。

注目ポイント
  • FOMCの声明の内容
  • 債券市場の動き
  • 米国中間選挙
  • 各種統計指標

結論から言うと、私は中期的(今後1~2年)は下落傾向だと思っています。ただ、逆に直近はどう動くのかが非常に難しいと感じます。わからないというのが正直なところです。

とはいえ、自分の投資スタイルは短期ではなく長期なので、長期的な動きを捉えようとしています。

目次

FOMCの声明が12月0.5%上昇を示唆(ハト派)するなら株価は上がりそう

今回の利上げが0.75%だとして、12月の利上げ幅が0.75%なのか、0.5%なのか、現在のところ意見は真っ二つの状態です。以下はFedWatchツールの本日の状況です。

12月のFOMC後ターゲットレート
FedWatchツール 12月のFOMC後ターゲットレート

今回の声明で12月が利上げ幅を小さくする(0.5%上昇)ようなコメントがでれば、おそらく株式市場は短期的には歓迎するでしょう。ただし、FRB的には望ましい状況ではないように思います。

直近では度重なる利上げに否定的な意見が出ていることも確かです。12月0.5%、その次のFOMCでも0.5%利上げくらい(最終的に5%前後)にするのではという気がしています。

とはいえ、長期的な観点でいえば、12月が0.5%なのか0.75%なのかということよりも、最終的にどこまであがってどれだけの期間高止まりするのかのほうが気になります。

今後の金利予想
FedWatchツール 今後の金利予想

直近は逆イールドが発生し、3カ月物の利回りも逆転した

個人的には株式市場よりも債券市場のほうが、市場が間違うことが少ないような気がしています。

直近の10年物(赤ライン)2年物(青ライン)の債券利回りをみてみると、7月ごろから逆イールドが発生しています。さらに、パウエル議長が好きなより短い期間の債券(下の図は3カ月物債券利回り(緑ライン))でも、長期国債利回りとの逆転現象が起きました。

逆イールドは簡単に言うと、短期の国際利回り > 長期の国債利回り の状態になっていることです。

年初来の債券利回り比較
年初来の債券利回り比較

このような逆イールドが発生するのはかなり珍しく、2000年以降でいえば、2000年のITバブル崩壊、2007年頃のサブプライム問題、リーマンショック、2019年のコロナショックの3回です。

少しごちゃっとしてますが、以下のチャートは2000年~2008年頃の債券利回り推移です。網掛け部分のあたりが逆イールド状態(赤いラインが下に来る)になっていることがわかります。

過去の債券利回り推移の比較

債券利回りにS&P500のローソク足とリセッション期間(青い網掛け)を加えるとこのようになります。

この3回に関しては、すべてリセッションが発生しており、この期間より少し後に発生しました。(青い網掛けが赤い網掛けの後ろにきている)

S&P500(ローソク足)とリセッション期間(青網掛け)を追加

現在はすでに逆イールドが発生しており、今後リセッションが起きれば、かなりの確率でS&P500も大きく下落することになりそうです。個人的に債券市場のほうが間違いが少ないというのは、このあたりの再現性が高いと考えているからです。この動きは短期というよりも中期的な流れといえます。

リセッションについてはこちらの記事でも紹介しています。どこまで下落するのかを知りたければ参考にしてください。

ここにきて、IT関連銘柄などを筆頭に決算も厳しい内容が出てきました。今まで米国企業の数字がよかったのですが、徐々に利上げの効果が出てきていると言えるかもしれません。

中間選挙はどちらの政党が勝っても大きく動かない

直近では米国の中間選挙も重なってきます。個人的には今回の中間選挙はどちらの政党が勝ってもそれほど株式市場に影響しないのではという気がしています。ニュース等で報じられる情報を見る限り共和党が有利、もしくは上院は民主党、下院は共和党のねじれになりそうな気がします。

ちなみにバイデン大統領は民主党の人です。トランプさんは共和党の人でした。
ここでは各政党がどんな政党なのかは説明しませんが。。

過去のデータでは中間選挙後のS&P500のリターンは平均をアウトパフォームしているそうです。

ただし、今回はどちらの政党が勝利してもFRBの利上げは当分変わらず、経済政策に大きな変化はないと予想しています。

もちろん財政支出の実行のしやすさなどに差はでますが。。

インフレと雇用がさがれば、株価は下落

いまだに比較的強い数値を示す指標は、理由が正直よくわからない部分はあります。特に顕著なのがインフレ(消費者物価指数)雇用です。

消費者物価指数についてはこちらの記事で詳しく書きましたが、物価が上昇しているのが「食品」「住宅」「医療」といった項目なので、今後すぐに下がるかどうかの判断が難しいところです。

雇用について、下のチャートは米失業率の推移ですが、リセッション時期(網掛け)の少し前あたりから失業率が上がり始めています。(2020年のコロナショックは動きが急すぎるので特別ですが)

リセッション時期と失業率の関係
リセッション時期と失業率の関係

直近の失業率が一向に上がらないのも少し疑問なところです。むしろ雇用は強く賃金増にもつながっている状態です。

米雇用者数26.3万人増、失業率は予想外に低下-FRBへ圧力続く(記事へ飛べます)

出典:Bloomberg

この雇用の強さは大幅な利上げの継続を想起させる内容になりますが、逆に雇用の悪化が見られるようであれば一気にリセッションに近づくと言えるかもしれません。

まとめ:短期的な動きの予想は難しいが、中期的には下落する

ここまで読んでいただきありがとうございました。

この記事のポイントはこんな感じです。

  • FOMCの声明 ⇒ 12月の利下げ幅減少なら株価↑
  • 債券市場の状況 ⇒ 長期的には株価↓
  • 中間選挙 ⇒ 株価にそれほど影響しない
  • 各種統計 ⇒ 判断が難しい

どちらかというと、株価上昇の要因になっているのがよくわかないけど数値が良いインフレや雇用統計なので、ここが悪化してきたら一気に株価にも影響するかもしれません。

ありがとうございました。

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この記事を書いた人

◆ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)
大卒から15年以上、東京でシステムエンジニアとして働いたが40歳を前にFPに転身。ライフプランや資産運用に関する無料セミナーや個別相談を通じてお金に不安がある人の悩みを解消中。
得意な分野は資産運用。最近は不動産投資型クラウドファンディングの運用割合を増やし、投資初心者の方にもおすすめの分散投資先として布教中。

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