これから投資するならグロース株とバリュー株どっち?VOOGとVOOVの構成銘柄や過去チャートを比較

こんにちは、みたお(@mitao_kabu99)です。

グロース株バリュー株のどちらがよいかという議論はよく聞くと思います。一般的には景気上昇局面ではグロース株、景気後退局面ではバリュー株が有効とされています。

実際に直近の動きとしてはどうなっているでしょうか。この記事では米国ETFのVOOG(S&P500のグロース株)とVOOV(S&P500のバリュー株)の銘柄や過去チャートから、今後どちらが有効かを予想してみます。

目次

VOOGとVOOVの構成銘柄と過去チャート VOOとの比較も

まずはVOOGとVOOVがどのようなETFなのかを紹介します。

VOOG:バンガード S&P500グロース ETF

VOOGはS&P500ののグロース銘柄のETFです。3年間の1株当たり利益成長率、3年間の1株当たり売上高成長率モメンタム(12カ月間の株価変動)の3つの要素によりグロース株を判断しています。

VOOG:構成銘柄上位10銘柄

ティッカー銘柄割合
AAPLアップル14.81%
MSFTマイクロソフト11.98%
AMZNアマゾン・ドット・コム6.79%
TSLAテスラ4.25%
GOOGLグーグル クラスA3.97%
GOOGグーグル クラスC3.71%
NVDAエヌビディア2.32%
METAメタ(フェイスブック)2.29%
LLYイーライリリー1.46%
HDホームデポ1.39%
2022/10/9時点 構成銘柄上位10銘柄 ※グーグルはクラスAとCは別銘柄として表示

VOOG:セクター別構成割合

セクター名称(日本語)セクター名称割合
通信サービスCommunication Services10.80%
一般消費財Consumer Discretionary16.70%
生活必需品Consumer Staples1.80%
エネルギーEnergy1.20%
金融Financials6.80%
ヘルスケアHealth Care11.40%
資本財Industrials3.40%
情報技術Information Technology44.20%
素材Materials1.30%
不動産Real Estate2.30%
公益事業Utilities0.10%
2022/10/9時点 セクター別構成割合
セクター別構成割合
VOOG セクター別構成割合

一目見てわかる通り、情報技術セクターの割合がかなりのウェイトを占めています。個別銘柄でアップルマイクロソフトが上位に来ていることからも情報技術セクターの銘柄に大きく影響します。

VOOV:バンガード S&P500バリュー ETF

VOOVはS&P500ののバリュー銘柄のETFです。株価純資産倍率株価収益率株価売上高倍率の3つの要素によってバリュー株を定義しています。

VOOV:構成銘柄上位10銘柄

ティッカー銘柄割合
BRK.Bバークシャーハサウェイ2.97%
JNJジョンソン&ジョンソン2.48%
XOMエクソンモービル2.35%
PGプロクター・アンド・ギャンブル1.93%
CVXシェブロン1.81%
UNHユナイテッドヘルスグループ1.65%
KOコカ・コーラ1.41%
MRKメルク1.26%
DISウォルト・ディズニー1.19%
ビザ1.09%
2022/10/9時点 構成割合上位10銘柄

VOOV:セクター別構成割合

セクター名称(日本語)セクター名称割合
通信サービスCommunication Services6.00%
一般消費財Consumer Discretionary6.50%
生活必需品Consumer Staples11.50%
エネルギーEnergy8.00%
金融Financials14.70%
ヘルスケアHealth Care16.70%
資本財Industrials12.30%
情報技術Information Technology11.10%
素材Materials3.70%
不動産Real Estate3.40%
公益事業Utilities6.10%
2022/10/9時点 セクター別構成割合
VOOV セクター別構成割合
VOOV セクター別構成割合

こちらはVOOGと比較すると、幅広いセクターの銘柄を満遍なく構成しています。

VOOも含めた比較

VOO(バンガード S&P 500 ETF)も含めたセクター別構成割合と過去チャートの比較です。

セクター別構成割合比較

イメージとしてはVOOGとVOOVの中間がVOOです。

セクター名称セクターVOOVOOGVOOV
情報技術Information Technology27.30%44.20%11.10%
ヘルスケアHealth Care14.10%11.40%16.70%
一般消費財Consumer Discretionary11.40%16.70%6.50%
金融Financials10.80%6.80%14.70%
通信サービスCommunication Services8.40%10.80%6.00%
資本財Industrials7.90%3.40%12.30%
生活必需品Consumer Staples6.80%1.80%11.50%
エネルギーEnergy4.70%1.20%8.00%
公益事業Utilities3.10%0.10%6.10%
不動産Real Estate2.90%2.30%3.40%
素材Materials2.60%1.30%3.70%
セクター別構成割合 テーブル
セクター別構成割合比較 グラフ
セクター別構成割合比較 グラフ

過去チャート比較

下のチャートは過去5年間(上)と直近1年間(下)のVOO(青線)、VOOG(オレンジ線)、VOOV(緑線)の推移を示しています。

過去5年の推移
過去5年の推移

過去5年間は(短い期間コロナショックがありましたが)米国市場は堅調で3銘柄ともに大きく成長しています。上の表を見てわかる通り、VOOG>VOO>VOOVの順で成長率が大きいです。

直近1年の推移
直近1年の推移

こちらは直近1年間のチャートですが、こちらはVOOV>VOO>VOOGの順で下落率が小さくなっています。

これだけをみれば、景気の上昇局面ではバリュー株、後退局面ではグロース株ということは正しいといえます。

今後はどちらに投資していくべきか

もう少し細かくチェックしてみます。

10年物債券利回り(≒政策金利)とセクター別の相関

下の表はVOO、VOOG、VOOVの価格(ラベルは右側)と、米国の10年物国債利回りのローソク足(ラベルは左側)を示しています。長期金利と各銘柄は騰落率が大きいほど相関関係が高い(相関係数がマイナス1に近い)動きを示しています。

おおよそ2022年前後に高値を付けていますが、直近の最安値と比べると下落率はVOOGが約31.0%VOOが24.2%VOOVが16.6%となっています。

米国10年物国債との関係
米国10年物国債との関係

少しデータが古くなりますが、このような騰落率になる理由はブルームバーグの資料で10年物国債の利回りと各セクターの相関に関する資料を見るとわかります。こちらを見ると、特に情報技術セクターは債券利回りの上昇に敏感です。

とりわけIT銘柄のバリュエーションは将来の予想キャッシュフローに依存する傾向が高いため、長期金利が上昇すればキャッシュフローの現在価値が低下します。そのため、バリュー銘柄とグロース銘柄を比較すると、グロース銘柄のほうが金利上昇の影響を大きく受ける(下落する可能性が高い)と考えられます。

10年物国債利回りとセクターの相関
10年物国債利回りとセクターの相関

ここで、上で説明したセクター別の割合を再度見てみます。相関がマイナスのセクターほどVOOGは構成比率が高く、VOOVは比較的相関がプラスになっているエネルギーや金融の構成比率が高くなっています。VOOGがVOOVに比べて上昇しやすく、下落しやすいのはセクター(銘柄)の構成が大きく影響しています。

セクター10年物国債
利回りとの相関
VOOVOOGVOOV
情報技術マイナス27.30%44.20%11.10%
一般消費財マイナス11.40%16.70%6.50%
エネルギープラス4.70%1.20%8.00%
金融プラス10.80%6.80%14.70%

今後の政策金利の動向は?

ご存じの通り、2022年中は利上げが進むことは間違いなく、2023年上旬から中旬にかけて政策金利はピークを迎えることになるはずです。FRBは経済の影響よりもインフレを抑えることを優先させようとしているため、インフレ率の状況によっては政策金利が高止まりする可能性も高いと考えられます。

CME FedWatchツール ドットプロット
CME FedWatchツール ドットプロット

当面の間はグロース株よりもバリュー株が優位になる

ここまで読んでいただきありがとうございました。

この記事で紹介した内容から予想できることは、ここから1年~2年の間はバリュー株のほうが優位になるということです。今後の投資先検討の参考にしてみて下さい。

とはいえ、これはバリュー株、グロース株全体的な話で、個別銘柄では成長する銘柄も当然あります。個別銘柄に投資しているのであれば、当然決算情報は要チェックです。

米国個別銘柄のチェックはマネックス証券の銘柄スカウター(米国版)が便利です。

ありがとうございました。

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この記事を書いた人

◆ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)
大卒から15年以上、東京でシステムエンジニアとして働いたが40歳を前にFPに転身。ライフプランや資産運用に関する無料セミナーや個別相談を通じてお金に不安がある人の悩みを解消中。
得意な分野は資産運用。最近は不動産投資型クラウドファンディングの運用割合を増やし、投資初心者の方にもおすすめの分散投資先として布教中。

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