【米国】PCEデフレーターとCPI(消費者物価指数)の違いは?

こんにちは、みたお(@mitao_kabu99)です。

米国ではインフレ率の上昇に伴い2022年は政策金利を上げ続けています。物価の上昇率に関してはピークアウトしつつあるとされているため、2023年中旬ごろまでには利上げがストップするものと思われます。

ところで、インフレ率を判断するときにはCPI(消費者物価指数)が有名ですが、FRBが利上げするときに重視するのはPCEデフレーターだと言われています。この2つは何が違うのでしょうか?

この記事ではCPIとPCEの違いについて簡単に説明します。

目次

CPI(消費者物価指数)とPCE(個人消費支出)の違いと概要

CPIとPCEを比較すると以下のような違いがあります。

項目CPI(消費者物価指数)PCE(個人消費支出)
正式名称Consumer Price IndexPersonal Consumption Expenditure
公表元米労働省労働統計局米商務省経済分析局
内容衣料や食料品など約200項目の品目の価格の変化を調査した指標全米のすべての国内個人消費物価の平均的上昇を調査した指標
データソース家計調査で報告される消費者購買データ企業調査の小売販売データ
計算方法対象になる品目が固定されている(期間中に発売された新商品や価格変化などが反映されない)左記のような変化を織り込んでいる
調査範囲都市部全米
CPIとPCEの違い

PCEデフレーターは米商務省が発表する物価指数です。米国の個人消費支出はGDPの約7割を占めるためGCPの先行指標として注目されています。上の表のとおり、PCEはCPIよりも調査対象が広く、実際の物価動向を反映しています。そのため、価格変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレーターはFRBがインフレ指標として重視しています。

CPIは米労働省が毎月中旬に公表している衣料や食料品など約200項目の品目の価格の変化を調査して指数化したものです。CPIから食料品など価格変動の大きい品目を除いたものをコアCPIといいます。

CPI(消費者物価指数)とPCE(個人消費支出)はいつ発表される?

CPIは毎月中旬ごろ、PCEは月の下旬(場合によっては翌月はじめ)に発表されます。

CPI(消費者物価指数)PCE(個人消費支出)
発表日時毎月中旬ごろ毎月下旬
タイミング早い遅い
11月のデータを12月中旬に発表11月のデータを12月下旬に発表
指標の発表タイミング

FRBの政策金利(FFレート)の決定に関しては、PCEのほうが重要視されています。

出典:FRB

ただし、市場はどちらかというとCPI(消費者物価指数)に反応しやすいです。その理由は発表タイミングの違いにあります。CPIのほうが発表タイミングが早く速報性が高いため、市場が注目しています。

PCEの発表タイミングはFOMCのタイミングと近い(FOMCがない月もありますが)ので、その場合はFOMCのほうが注目されることになります。

CPIとPCEの見方 CPIは上方バイアスがかかりやすい

以下のグラフは2020年からのコアCPIとコアPCEの推移です。

CPIとPCEの関係

計算方法の違いや、個別商品の急激な価格の高騰によりCPIはPCEよりも上方バイアスがかかりやすいと言われています。実際に2021年頃からの急激にインフレになったタイミングでCPIがPCEを上回っていることがわかります。

SBI証券のレポート(※)では、CPIからPCEを引いた値をみると、景況感が悪化すると格差が拡大し、景況感が拡大すると格差が縮小するという関係性があるとしています。

ちなみに下の図で青線が1%を超えている(CPEが1%以上PCEよりも高い状態)場所ではその後大きく下落していますが、この期間は米国でリセッション(景気後退)が起こっていた期間です。2001年はITバブルの崩壊、2009年はリーマンショックがあったタイミングです。

出典:SBI証券

※2022年12月12日 ストラテジーフラッシュ「CPIとPCEの違いと使い方」

CPIやPCEを確認できるサイト

CPIやPCEを確認できるサイトや関連サイトをいくつか紹介します。利用しやすいものがあれば使ってみて下さい。

【米労働省労働統計局】
CPIを公表しています。見やすいとはいえませんが、情報としては最も確実です。
URL:https://www.bls.gov/

【米商務省経済分析局】
PCEを公表しています。下のページは米商務省経済分析局の中のPCEのページです。
URL:https://www.bea.gov/data/personal-consumption-expenditures-price-index

【FRED】
FREDはFRBが提供している経済指標データが確認できるサイトです。期間や項目を調整したり、グラフの種類を変更したり必要に応じて可視化方法を変えることができるので便利です。
URL(CPI):https://fred.stlouisfed.org/series/CPIAUCSL
URL(PCE):https://fred.stlouisfed.org/series/PCE

【investing.com】
一般的な経済サイトですが、指標を探したり確認するのが見やすいサイトだと思います。個人的には使いやすいです。
URL:https://jp.investing.com/economic-calendar/

まとめ:どちらにも注目しておく

ここまで読んでいただきありがとうございました。

CPIにもPCEにも長所と短所があります。両者の特徴を理解してどちらも注目しておきましょう。発表翌日は株価も動くことがありますので、意識しておきたいですね。

ありがとうございました。

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この記事を書いた人

◆ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)
大卒から15年以上、東京でシステムエンジニアとして働いたが40歳を前にFPに転身。ライフプランや資産運用に関する無料セミナーや個別相談を通じてお金に不安がある人の悩みを解消中。
得意な分野は資産運用。最近は不動産投資型クラウドファンディングの運用割合を増やし、投資初心者の方にもおすすめの分散投資先として布教中。

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