S&P500のETFと投資信託はどっちがお得?コストとリターンで比較してみた!

こんにちは、みたお(@mitao_kabu99)です。

投資信託とETFは似たような投資商品で、どちらにも同じような商品があります。

結局どっちに投資するのがいいの?

このように、結局どっちがいいかわかりにくいと感じる人も多いのではないでしょうか?この記事ではコストとリターンからどちらに投資したほうがお得なのかを考えてみます。

目次

投資信託とETFの違い

投資信託とETFの大きな違いは上場の有無ですが、これによって具体的にいくつかの違いが出てきます。ETFは基本的に株式に近い考え方となります。

投資信託とETFの比較7項目

項目投資信託ETF
上場有無上場していない上場している
基準価額(株価)1日1回更新リアルで変動
購入タイミング1日1回リアルタイム
注文方法金額買付・口数買付株式と同様
種類の多さ多い(良いものが多いわけではない)少なめ
保有中期間中のコスト高めと言われている低めと言われている
つみたてNISA〇(対象商品のみ)×(ごく一部では可能)

上場有無の違いによる購入方法の違い

基準価額(株価)と購入タイミング、注文方法は上場有無の違いによるものです。

投資信託の基準価額は純資産総額と口数によって決まります。運用費用が差し引かれた総額から算出するので、保有期間中のコストが小さいほど基準価額が上がりやすくなります。

投資信託の基準価額は1日1回算出されるため、購入も1日1回となります。購入タイミングでは約定単価が決まっていないことに注意してください。そのため、注文方法も成行や指値といったものは使えません。

一方でETFの場合、上場しているので株式とおなじ考え方です。価格も基本的に需給によって決まり、成行や指値などが利用できます。

ETFの場合、「インディカティブNAV」というETF基準価額のリアルタイム推定理論値がJPX日本取引所グループからほぼリアルタイムで公表されています。この値と価格を比較して割安かどうかを判断します。
日本取引所グループ:インディカティブNAV・PCF情報はこちら

つみたてNISAの利用可能有無の違いが大きい

あまり話題になりませんが、投資信託とETFの違いで大きいのは、「つみたてNISA」の利用可能有無だと考えています。

2023年までの現行NISAであれば、つみたてNISAを利用すれば一般NISAが利用できません。投資信託やETFが長期つみたて型の金融商品と考えるとつみたてNISAを利用できるのは大きなメリットです。(ETFも一般NISAであれば利用可能)

2024年以降の新しいNISA制度では、つみたて投資枠(つみたてNISA)と成長投資枠(一般NISA)の併用が可能ですが、1800万円の生涯投資枠の中で成長投資枠の利用は限界でも1200万円なので、すくなくとも600万円はつみたて投資枠として利用することになります。

つみたて投資枠(つみたてNISA)は現行制度と同様に原則は投資信託が対象商品となります。成長投資枠でETFを購入することは可能ですが、売却時に利用可能枠が復活(再利用可能)と考えると、成長投資枠は長期投資ではなく、比較的ハイリスクハイリターンでの短期売買で使ったほうがメリットが大きいと言えるでしょう。

S&P500のETFと投資信託でコストを比較した結果

一般的に投資信託と比べてETFのほうが保有コスト(信託報酬手数料など)が低いと言われていますが、実際どれだけ違うのかを検証してみます。

100万円を10年間保有した場合のコストの違いは約2000円

S&P500をインデックスとする以下の2商品で検証します。

種類銘柄信託報酬分配利回り基準価額(株価)
投資信託三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)0.0968%17961円
ETFMAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558)0.07%1.2%14470円
2022/12/27時点

(実際にはぴったり買うことは無理ですが)100万円分保有したとすると、保有コストの違いは以下のようになります。

保有量と期間eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558)
100万円で5年間4840円3500円
100万円で10年間9680円7000円
100万円で20年間19360円14000円
概算の数字です。実際には価格の変動などによっても変わります。

仮に保有金額が1,000万円だとしたら、およそこの10倍と考えてください。100万円レベルであれば、ほとんどコストの違いはないと考えてもよいと思います。

リターンの違いは(つみたて)NISAの利用で大きく変わる

MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558)が上場した2020年からでリターンを試算してみます。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)MAXIS米国株式(S&P500)上場投信(2558)
基準価額の上昇幅約6000円×100約4500円×100
分配金36000円
合計運用益約60万円約48.6万円
課税額60万円×20.315%=約12万円48.6万円×20.315%=約10万円
手取り約48万円約38万円
分配金は100万円で1.2%を3年分と仮定

リターンの違いはこんなに単純にはいかないので、この結果から投資信託がいいというわけではありません。

ここで言いたいのは、運用益の合計が全く同じとした場合、投資信託でつみたてNISAを利用すればこの課税額がすべてなくなるので大きな違いになるということです。(ETFもNISA枠を利用すれば同じですが、上述したように成長投資枠は短期売買に利用したほうがよいと思います)

米国ETFに投資して運用した場合は?

米国ETFに投資するには外国株式取引口座の開設が別途必要です。

米国ETFの場合、さらに保有コストが下がります。例えばS&P500に連動しているETFは以下の通りです。

ティッカー銘柄経費率分配利回り株価(米ドル)
VOOバンガード S&P 500 ETF0.03%1.7%351.87
2022/12/27時点

米国ETFでは分配金の二重課税に注意する

米国ETFの分配金は米国で10%課税されてから、国内で20.315%課税されることになります。二重課税の対策として、確定申告で「外国税額控除」を行えばよいのですが、これはかなり面倒です。

参考:国税庁「No.1240 外国税額控除

円貨決済の場合、為替の影響にも注意する

ドル建て商品の場合、為替の影響を受けます。特に円高に動いたときには相対的に資産価値が目減りすることになります。円貨決済の場合、「ETFの株価」と「ドル円の為替レート」の2つの観点で売り時を探ることになるので、少々難しくなります。

可能であれば外貨決済をしたほうが運用が簡単になるかもしれません。SBI証券を利用しているのであれば住信SBIネット銀行との連携で簡単に外貨決済ができます。

結局、S&P500のETFと投資信託はどっちを選べばいい?

個人的には、特に投資初心者の方は投資信託から始めるがよいと考えています。特につみたてNISA(2024円以降であればつみたて投資枠)を利用するのがおすすめです。

ETFを利用する場合は米国ETFのほうがおすすめですが、上で紹介したような注意点をよく理解しておいてください。

投資信託とETF、それぞれの特性を理解して投資するようにしましょう。

ありがとうございました。

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この記事を書いた人

◆ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)
大卒から15年以上、東京でシステムエンジニアとして働いたが40歳を前にFPに転身。ライフプランや資産運用に関する無料セミナーや個別相談を通じてお金に不安がある人の悩みを解消中。
得意な分野は資産運用。最近は不動産投資型クラウドファンディングの運用割合を増やし、投資初心者の方にもおすすめの分散投資先として布教中。

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