米SVB破綻は株式市場よりも債券市場が動揺。今後は株価も下落か?

こんにちは、みたお(@mitao_kabu99)です。

SVB(米シリコンバレー銀行)の破綻にって債券市場は大きく揺れてますが、株式市場は一時下落したものの大きな混乱はありませんでした。

とはいえ、これも要因の一つになり、政策金利は大きな転換点を迎えようとしています。このことは米国の株式市場にも大きく影響するはずです。個人的には年内に米国のリセッションは起きると想定しています。

目次

SVB破綻以降、債券利回りは大きく下落

SVBの破綻以降、債券市場が大きく動いています。とりわけ米2年物債券利回りが大きく下落しました。

米2年物国債利回りと10年物国債利回り
米2年物国債利回りと10年物国債利回り

これによって2022年以降に発生していた逆イールド状態が解消しようとしています。

直近1年間のイールド差
直近1年間のイールド差

この水準は過去30年さかのぼってもほとんどないといっていいほど特殊な状況でした。

約30年間のイールド差
約30年間のイールド差

債券のVIX指数「MOVE指数」は大きく上昇

債券のVIX指数(恐怖指数)といわれていMOVE指数(Merrill Lynch Option Volatility Estimate もしくは ICE BofAML MOVE Index)は大きく上昇しています。200近い数値まで上昇しており、これはリーマンショックに近いレベルの上昇のようです。

VIX指数をうっすら重ねていますが、VIX指数でいうとだいたい40~50に近いレベルなのかもしれません。VIX指数でこの数字は市場がかなり混乱している状態といえます。

MOVE指数とVIX指数
MOVE指数とVIX指数

日米の金利差縮小により為替も円高傾向へ

米国2年物国債の利回りの低下は日米の金利差縮小を意味します。下の表は日米の2年物国債利回りの差(赤線)とドル円の為替レートを表しています。下はこの2つの相関係数です。この2つの相関関係は極めて高く、今後も米国の金利低下が予想されるので、ドル円の為替レートも中長期的には円高に進む可能性は高そうです。

相関係数は-1~+1の間を動き、+1になるほど同じ動き、-1に近いほど逆の動きをします。下を見るとこの2つの相関係数は+1に近くなっているので同じ動きをしやすいということです。

2年物債券利回りの差(赤)とドル円為替レート(青)
2年物債券利回りの差(赤)とドル円為替レート(青)

政策金利は利下げとなるか FRBと市場の駆け引き

短期国債利回りの低下は政策金利の低下を招く要因になりますが、2023年の政策金利はFRBと市場での駆け引きが続きそうです。2023年3月のFOMCで0.25%の利上げが行われましたが、今後の動きについてはFRBと市場で反応が違います。

FRBは年内利下げ否定 市場は6月からの利下げを見込む

FOMCの声明発表と一緒に発表されているFOMC会合の経済予測によれば、FRBは年内の利上げを否定しています。

FRBの経済予測
FRBの経済予測

参考:FRB公式サイト(2023/3/2プレスリリース)

一方で、FedWatchツールでは7月からの利下げが予想の主流となっています。こちらは正直かなり流動的ではあるものの、現時点では市場は早期利下げを見込んでいるということです。

FedWatchツール予想
FedWatchツール予想

参考:FedWatchツール

市場が早期利下げを予想しているのは、2年物債券利回りとFFレートがかなり近い動きで、かつ若干早く2年物債券利回りが動くためだと考えられます。下のチャートは、2000年からの2年物債券利回り(赤)、10年物債券利回り(青)、FFレート(緑)を示しています。赤と緑が近い動きをしていることがわかります。

国債利回りとFFレート
国債利回りとFFレート

2022年の年末からFFレートと2年物国債は同じような水準になっていましたが、直近のFOMCでの利上げと債券利回りの急低下により、この差が徐々に開き始めようとしているので、利下げも開始されるのではと判断できます。

直近1年間の2年物債券利回りとFFレート
直近1年間の2年物債券利回りとFFレート

いずれにしても株価は下落しそう

年内なのか来年なのか、利下げのタイミングがいつになるかを別にしても、株価は今後下落していくと考えています。個人的には逆イールドが解消するときに大きく落ち込むことが多い点は注目しています。

直近でいえば、2000~2001年、2007~2009年などは逆イールドが解消したタイミングでした。(赤線が緑の点線を下から上に抜ける)

青線はS&P500です。逆イールド解消とともに大きく下落しています。このタイミングはいわゆるITバブル崩壊(2001年)やサブプライム問題・リーマンショック(2007年~2009年頃)なので、単純に逆イールドが解消したら株価が下がるというわけではありませんが、因果関係は強そうです。

以前に書いた記事でも紹介しています。

2000年付近
2000年付近
2008年付近
2008年付近

次はどれに投資するべきか?

それでは、今後どんなものに投資すればよいのでしょうか。S&P500を基準にしていくつか見てみます。以下のセクターETFを並べてみました。

ティッカーセクター
VGT情報技術
VCR一般消費財
VDC生活費術品
VHTヘルスケア
VDEエネルギー
VFH金融
セクターETF(チャートの上から記載)
セクターETFのチャート
セクターETFのチャート

年初来からだと正直よくわかりませんでした。。セクターローテーション的には今後不景気に陥るタイミングと考えると、ヘルスケア(VHT)や生活必需品(VDC)などが強いかと思いましたが、そんなこともなく。(期間の問題かもしれませんが)

セクターETFについてはこちらの記事で解説しているので参考にしてください。

また、上のチャートにGOLDも入れてみました。S&P500(赤線)の上にある緑線がGOLDです。今後は金利の低下が予想されるので、GOLDの価格は徐々に上がっていく可能性があります。また、金利が低下すると債券価格は向上(債券利回りは低下)するので、債券にも注目です。債券はちょっと遅いかもですが。

6月か7月のFOMCに注目

次の5月FOMCは現在の金利を維持するのはほぼ確実だと思います。注目は6月と7月です。市場の予想通り利下げが始まるのか、やはり年内は利下げしないのか、ここは大きな転換点になりそうな気がします。(7月と9月かもしれません。。)

とはいえ個人的にはどのタイミングで利下げしてもあまり気にしていません。どちらにしても市場全体は下落すると予想しているからです。株価が下落してもいいようにリスクヘッジはしておきたいところです。

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この記事を書いた人

◆ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)
大卒から15年以上、東京でシステムエンジニアとして働いたが40歳を前にFPに転身。ライフプランや資産運用に関する無料セミナーや個別相談を通じてお金に不安がある人の悩みを解消中。
得意な分野は資産運用。最近は不動産投資型クラウドファンディングの運用割合を増やし、投資初心者の方にもおすすめの分散投資先として布教中。

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