2024年はNISA制度が大幅に改正されました。使い勝手が良くなったおかげもあってか、証券10社のNISA口座の新規開設数は5月末で224万件にも達しているそうです。
2024年は大きくNISAが変わりましたが、同じく資産運用が可能な年金制度であるiDeCoや企業型DCもマイナーチェンジが繰り返されています。2024年12月からはiDeCoと他制度を併用する場合の拠出時限度額などが見直されます。iDeCoは拠出年齢の引き上げも検討されているので、まだ利用していない人は是非検討してみてください。。
※DB:企業型確定給付年金、DC:企業型確定拠出年金
国民年金第2号被保険者 | 2022年10月1日~ | 2024年12月1日~ |
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企業型DCのみに加入 | 月額5.5万円ー各月の企業型DCの事業主掛金額 (ただし、月額2万円を上限) | 月額5.5万円ー(各月の企業型DCの事業主掛金額+DB等の他制度掛金相当額) (ただし、月額2万円を上限) |
企業型DCと、DB等の他制度に加入 | 月額2.75万円ー各月の企業型DCの事業主掛金額 (ただし、月額1.2万円を上限) | |
DB等の他制度のみに加入(公務員を含む) | 月額1.2万円 |
iDeCoは70歳まで拠出できるのか?
結論からいえば、現時点では70歳までの拠出はできません。現在の仕組みをざっくり言うと、iDeCoは65歳まで拠出(例外もあり)できます。受取は最長75歳まで伸ばすことができます。
しかし、働き方改革で高齢者の就業確保の努力義務が70歳まで伸びたことなどによって、iDeCoも加入年齢を引き上げる動きは進んでいます。政府が6月にまとめる「骨太の方針」でもこの点を明記して、大幅な拡充を求めるという意見もあるようです。遠くない未来に70歳まで拠出可能となる可能性は高いと思います。
70歳までiDeCoが利用できるなら新NISAよりも有利なのか?
iDeCoとNISA、どちらが有利なのかは人によります。ただし、以下のような条件に当てはまる場合はiDeCoのほうが有利になることもありそうです。
- NISAの全額をつみたて投資枠で利用しようとしている人
- iDeCoにもある商品をNISAで運用している人
- 売買する予定がなく、長期間で積立だけを考えている人
なぜ、この場合にNISAよりもiDeCoが有利になりやすいかというと、掛金の全額を所得控除できるからです。(ただし、受取りは一時金(退職金のイメージ)か年金になるので、金額によっては受取時に課税されることがあります。)
例えば、毎月2万円を30歳から70歳まで40年間拠出したと考えます。
2万円×12ヶ月=24万円/年
所得税:24万円×0.2(20%)=4.8万円(所得税率を20%で計算)
住民税:24万円×0.1(10%)=2.4万円(住民税率を10%で計算)
年合計:4.8万円+2.4万円=7.2万円
総合計:7.2万円×40(年)=288万円
毎月2万円を40年間拠出すると、節税効果は288万円になる計算です。
現在は新NISAの影響でNISAばかりにスポットが当たっていますが、iDeCoを利用するのが有利になるケースもあります。NISAとiDeCoはもちろん併用可能ですので、NISAだけを利用するのではなく、iDeCoの利用も検討してみてもいいかもしれません。