
投資信託とETFって具体的に何が違うの??
こんにちは、みたお(@mitao_kabu99)です。
この記事ではこのような疑問を解消します。
投資信託とETF(上場投資信託)の大きな違いは上場しているかしていないかの違いです。
結局はどちらも投資信託ですので、投資家から資金を集めてファンドマネージャーが運用するという流れは同じです。ただ、上場しているかどうかで、特性はかなり違います。
「じゃあどっちがいいの?」
ということに関して言えば、まずは「投資信託」から始めたほうがいいというのが私の意見です。
この記事では投資信託とETFの違いを説明していきますので、どちらに投資しようか迷っているようであれば参考にしてください。
投資信託とETFの違い


投資信託とETFの大きな違いは上場しているかどうかだと説明しましたが、他にも色々とあるので説明していきます。まずはこの表でざっくりとしたイメージを理解してください。
項目 | 投資信託 | ETF |
---|---|---|
上場有無 | 上場していない | 上場している |
基準価額 | 1日1回更新 | リアルで変動 |
注文方法 | 金額買付・口数買付 | 株式と同様 |
種類の多さ | 多い(良いものが多いわけではない) | 少なめ |
売買時のコスト | 販売手数料 信託財産留保額 | 取引手数料 外国ETFの場合は為替手数料 |
保有期間中のコスト | 信託報酬手数料 | 経費率 |
つみたてNISA | 〇(対象商品のみ) | ×(ごく一部可能) |
ETFは株式に近いイメージ
ETFは運用方法は投資信託ですが、金融商品の特性は株式に近いものがあります。
その1つが「価格」です。
投資信託は「基準価額」という純資産を口数で割った1万口数分の価格を基準の価額としています。この基準価額は1日1回前日の終値で算出されます。
ただし、ETFは上場しているので市場では売買をリアルタイムで行うことができますよね。そのため、基準価額とは別に市場価格(株価のようなもの)も存在します。
このように、ETFの価格はリアルタイムで更新されるので、基準価額もリアルタイムで判断できるような数字として「インディカティブNAV」が公表されています。
インディカティブNAVとは、取引時間中のETF保有資産(純資産価値,NAV;Net Asset Value)に係る1口あたり推定価値をいいます。従来から、ETFは投資信託同様に1日1回純資産額を公表していますが、取引を活発化させるため、取引時間中に投資家が容易にETFの純資産価値を把握できるようインディカティブNAVの公表を開始することとしました。
JPX取引所グループ
インディカティブNAVよりも市場価格が高ければ割高、安ければ割安ということです。


本数自体は投資信託が多いが、投資に適した商品が多いかは別の話
例えばSBI証券では投資信託の数は約2700本(2022/7/28時点)、国内ETFは295本(米国株は342本)とかなりの差があります。
ただ、本数が多いから優れているというわけではありません。特に投資信託は同じインデックスに連動している商品も多かったり、明らかに信託報酬手数料が高すぎたりということもあります。
むしろ、種類の豊富さとしてはETFのほうが勝っているとも言えます。例えば、長期投資は米国市場に関連する商品にしたいと考えているのであれば、(米国)ETFのほうが種類が豊富ですね。
投資信託はつみたてNISAが使えるのが魅力的
私が投資信託のほうがオススメという一番の理由は、つみたてNISA口座が利用できるからです。
投資信託、ETFどちらも長期投資を前提としているので、ここでは「NISA」ではなく「つみたてNISA」の話です。
投資信託ではつみたてNISA対象の商品が存在します。2022年7月現在では、ETFでは大和証券のごく1部の商品でつみたてNISAが使えるようですが、基本的に利用できないと考えたほうが良いです。
つみたてNISAは運用益が非課税になるメリットがあります。つみたてNISAの場合、非課税枠は20年間利用できますので、長期投資に向いています。
この差は思いのほか大きいもので、使える制度は使ったほうがよいと考えています。
投資信託とETFのリターンを比較


実際に投資信託とETFではどちらのほうがリターンがよいのでしょうか。
ここでは以下の2つの商品を比較してみます。
投資信託:三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
ETF:MAXIS米国株式(S&P500)上場投信 (2558)
前提:1年前に100万円分を一括で購入したと考えます。(実際の購入とは若干異なります)
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
1年前の2021年7月29日の基準価額は16,741円でした。昨日7月28日時点の基準価額は19,242円です。
この商品は販売手数料および信託報酬手数料はありませんので、コストは信託報酬のみです。
ここでは購入時の基準価額をベースに1年間の信託報酬を計算してみます。この商品の信託報酬手数料は0.0968%とすると、1年間のコストの概算はこのようになります。
概算となりますが、基準価額16,741円は1万口数の金額なので、100万円分購入すると約59万7,335口です。
基準価額が19,242円になったので、597,335 × 1.9294 ≒ 1,152,498 円です。
約15万1,000円の運用益が出ています。つみたてNISAを利用すればこの金額が非課税になるのでそのまま利益になります。
MAXIS米国株式(S&P500)上場投信 (2558)
1年前の2021年7月29日の基準価額は13,870円でした。昨日7月28日時点の基準価額は15,795円です。
取引手数料をネット証券の一般的な水準である100万円で535円とします。(売却時も便宜的に同様にします)
信託報酬は0.07%です。投資信託と同様に計算すると
価格の推移も同様に考えると13,870円では720,980口数購入するので、基準価額が15,795円だと1,138,787円の評価額です。
分配金が70円が2回(140円/年)とすると約980円
約13万7,500円の利益ですが、多くの方が特定口座の源泉徴収ありを利用していると思うので、ここから20.315%の税金が引かれます。
最終的な利益は約11万円となります。
もちろん、必ず投資信託のリターンが上回るわけではありません。
さらに長期保有した場合や商品によっても状況は変わります。
投資信託とETFはどっちがおすすめ?


どちらが正解ということはありませんが、上でも説明した通り、個人的には投資信託から始めるのが良いと感じています。最後にいくつかポイントを紹介します。
投資信託はつみたてNISAが使える
全ての商品ではありませんが、投資信託ではつみたてNISA制度が利用できます。
つみたてNISAは20.315%の税金が非課税とるので、運用益が大きいほど威力を発揮します。
100万円の運用でもかなりの差がでることはこの記事内のリターン比較でも説明した通りです。
コストが安いのはETF
全体的に維持コスト(信託報酬手数料や経費率)が低いのはETFです。そのため、長期で保有するほどETFの強みが出てくるといえます。
ETFも証券会社によって、特定銘柄の買付時取引手数料無料などのサービスがあったりするのでそういった銘柄を狙うのも1つの方法です。
為替手数料についてはこちらの記事でも紹介しています。


米国ETFは確定申告したほうがよい
米国ETFの分配金は、まず米国で10%源泉徴収されています。その徴収後の利益に対して日本で20.315%課税されます。
これを回避するには「外国税額控除」の確定申告をする必要があります。
このような手間がかかるのは、米国ETFのデメリットといえます。
まとめ:始めやすいのは投資信託
ここまで読んでいただきありがとうございました。
この記事でも書いた通り、投資信託とETFどちらに投資しようか迷っているのであれば、まずは投資信託から始めたほうがよいと思っています。投資信託のほうがシンプルで、つみたてNISA制度も利用できるのでとっつきやすいように感じます。
維持コストはETFのほうが低くなることが多いので、慣れてきたらETFに挑戦してみてはどうでしょうか。
ありがとうございました。
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