配当性向・配当利回りとは?:当期純利益の配当の割合と株価に対する配当の還元率

配当性向と配当利回りはどちらも配当関連の指標ですが、内容は少し違います。成長企業では配当性向が低い傾向があります。

こんにちは、みたお(@mitao_kabu99)です。

あなたは成長株に投資してキャピタルゲインを狙っていますか?
それとも安定株の配当(インカムゲイン)を期待していますか?

どちらのほうが良いということはありませんが、外的要因によって市場全体が暴落するときもあるので、高配当銘柄の安定性は魅力的ですよね。

この記事では配当性向と配当利回りについて説明します。

この記事のポイント
  • 配当性向は当期純利益のうち、どれだけの割合を配当に回したかの指標
  • 配当利回りは、購入した株価に対して1年間でどれだけの配当を受け取ることができるかの指標
  • 配当性向が高ければよいわけではない
  • 配当性向が高い=配当利回りが高いわけではない
配当性向と配当利回りのイメージ
配当性向と配当利回りのイメージ
目次

配当性向は利益をどれだけ配当に回したか

配当性向は当期純利益のうち、どれだけの割合を配当に回したかの指標です。
配当性が高いということは株主に積極的に利益を還元しているとも言えます。

配当性向(%)= 配当金支払金額(円) ÷ 当期純利益(円)
※配当金支払金額(円)= 配当金(円) × 発行株式数

配当性向(%)= 配当金(円) ÷ 1株当たりの当期純利益(円)

例)当期純利益10億円 配当金60円 発行済み株式数200万株
60 × 2,000,000 ÷ 1,000,000,000 = 0.12 = 12%

配当性向は会社四季報にも記載されていますし、企業のIR情報に記載されていることも多いです。
配当金などは決算短信のサマリ情報(1ページ目)にもありますので、簡単に計算できます。

配当性向は高いほうがいいのか?

配当性向が高いと、株主への利益還元が多いのでその会社に残る資金が少なくなります。当然、設備投資などの会社の成長に回すお金が減るということになります。そのため、配当性向が高いことがいいことだとは限りません。

基本的に企業は利益剰余金(厳密には少し違いますが、いわゆる内部留保)を大きくしていく必要があります。利益剰余金は「企業の信用」的な観点でも、万が一の備えとしても重要ですが、配当性向が高すぎると利益剰余金を貯めることができません。

高すぎる配当性向のデメリットはこちらの記事で解説しています。

配当性向の目安は30%?

ザイマニによれば2021年の全業種の配当性向の中央値は28.1%でした。配当性向を経営指標とする会社ではおよそ20%~40%程度を目標にすることが多いように感じます。ただし、20%~40%だから合格というわけではありません。

ザイマニ 配当性向

成長中の企業では配当を出さずに将来の成長にお金を使っている企業も多いです。安定的に利益がでているけど成長が止まっている企業の場合、自社の成長にお金を使える部分が少なくなります。そのため、内部留保が増えてしまうことを防ぐために配当性向をあげて、株主に還元することもあります。

配当利回りは、購入した株に対してどれだけ配当を受け取れるか

配当利回りは、購入した株価に対して1年間でどれだけの配当を受け取ることができるかの指標です。

配当利回り(%)= 一株当たりの配当金 ÷ 株価(円)
配当利回り(%)= 配当金支払金額(円) ÷ 時価総額(円)

例)株価1000円で購入 1年間の配当:50円
50 ÷ 1000 = 0.05 = 5%

株価が低いうちに購入した企業の株価が上昇していくと、最新の株価では利回りが高くなくても、あなた個人の配当利回りは高いということになります。

ただし、高配当株だから良いということでもありません。配当利回りが異常に高い銘柄は、業績が悪化すると減配や無配になるリスクもあります。そうなると配当利回りは急速に悪化します。

さらに、配当狙いの投資家の資金が流出するので、株価が下落する可能性もかなり高くなります。すると高配当でもなくなるうえに損失がでて売り時もなくなるという2重のリスクが発生することもありえます。

つまり、、、業績と配当のバランスが重要です。

配当性向が高い=配当利回りがいい わけではない

配当性向は純利益に対する配当の割合で、配当利回りは株価に対する配当金の割合です。そのため、配当性向が高い=配当利回りが高いということではありません。

ただし、業績の向上に伴い配当性向をあげることも多いです。
そのため、株価が上がっていない状態で配当性向が上がれば、配当利回りは上がります。

連続増配銘柄

花王(4452)は33期連続で増配しています。(決算期:22.12)
これは連続増配としてはとびぬけていますが、20期前後で連続して増配している企業もあります。

このような企業は業績の悪化にかかわらず、配当を下げない可能性が高いです。
※その場合、極端に配当性向が高くなる可能性があります。

株価が上がる想定をするのであれば、比較的安心して保有できるかもしれません。
連続増配しているといっても必ずしも配当利回りが高いということではありません。

花王ユーエスエスSPK小林製薬三菱HCキャピタルリコーリース
33期25期25期24期24期23期
連続増配ランキング(2022年8月現在)

まとめ:高配当株を検討して、うまく保有しましょう

最近では配当性向を中期経営計画の目標に入れている企業もあります。
配当をあげて株主に還元しようという動きも増えてきています。

株主の視点では株価と配当利回りを確認しましょう。
今後株価があがってくれば最新の株価の配当利回りよりも、あなたの配当利回りは高くなります。

キャピタルゲインとインカムゲインの両方を狙うこともできますので、企業選別の1つの材料にしてみてはどうでしょうか。

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この記事を書いた人

◆ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)
大卒から15年以上、東京でシステムエンジニアとして働いたが40歳を前にFPに転身。ライフプランや資産運用に関する無料セミナーや個別相談を通じてお金に不安がある人の悩みを解消中。
得意な分野は資産運用。最近は不動産投資型クラウドファンディングの運用割合を増やし、投資初心者の方にもおすすめの分散投資先として布教中。

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