
ROAは保有している資産に対する投資効率を評価する指標です。
ROEとも関係が深いです。
こんにちは、みたおです。
この記事ではROAについて説明します。
ROAはROE(自己資本利益率)と同様に、どれだけ効率よく収益をあげているかを測る指標です。
どういったときにROAを使用すればよいのでしょうか。
ROA(Return On Asset):利益率とは
ROAは以下の式で計算します。
ROA(%) = 利益 ÷ 総資産
利益にどの値を使用するかの決まりはありません。
会社の本業で見たければ営業利益をつかえばよいですし、当期純利益を使っても構いません。
会社四季報では当社純利益を使用したROAが記載されています。
※この記事ではROEとの比較をわかりやすくするために当期純利益を使って説明します
いずれにしてもROAが高いほど資産あたりの利益を効率よく稼げていることになります。
分解してみる
ROAはさらに以下のように分解できます。

つまり、ROAを高めるには、売上高利益率を高めるか総資産回転率を高めればよいということです。
売上高利益率が高いのは、ブランドの付加価値などで高単価な商品になっている場合などです。
逆に薄利多売で売る場合は売上高利益率が下がります。
ただし、資産をおさえる(例えば高い賃貸料金のビルを使わない、在庫を減らすなどで貸借対照表の左側部分を小さくする)ことで総資産回転率があがります。
これはどちらが良いということではなくて、ROAを高めるための手がかりがつかめるということです。
(もっと付加価値を上げようとか、費用を抑えようといったこと)
ROEとの関係は?
ROAと似ている指標にROE(自己資本利益率)があります。
ROEの詳細はこちらをご覧ください。
さて、ROAとROEは分解式を比較してわかる通り、売上高利益率と総資産回転率の部分は同じです。
※この記事内では利益は当期純利益としています。

つまり、関連性が非常に高いことがわかると思います。
ROAにはない財務レバレッジは、高めるほど安全性が低くなります。(自己資本比率が低くなるため)
したがって、企業はROAを高めることでROEを高めるという手順を踏むことが健全な姿です。
昨今、ROEを高めることを目標として掲げられることが多くなっています。
ただし、ROEが高まっているのにROAが高まっていない場合、財務レバレッジを上げて経営に無理が出ている場合も考えられます。
そういったことを考えるとROAは非常に重要な指標となります。
企業側の観点でROAを考える
企業側の目標としてROEを掲げることが多くなっていると記載しました。
企業内では全社のROEを高めるために、各部門が努力をすることになると思いますが、個々の部門でROEを高めようとするのは現実的ではありません。
その理由はROEは「利益÷自己資本」であるからです。
自己資本は会社全体としての数字であるため、各部門にどのように按分するかは難しい問題です。
その点、ROAは「利益÷資産」です。
資産は貸借対照表の左側なので、各部門がどれだけ資産を使用しているかがわかりやすいはずです。
企業の内部(部門別など)ではROAを目標として、その結果として会社全体ではROEを達成するといった形がよいのではないでしょうか。
まとめ
ROAについて説明しました。
各企業でROEを目標として掲げることは、株主還元の観点からも間違いではないと思います。
そのROEは正しい形で高まっているのかを判断するためにもROAも注目しましょう。
企業の健全な成長にはまずROAが高まることが重要です。
ありがとうございました。