
業務のために調達したお金をどれだけ効率的に使用できたかの指標です。
ROEとは異なり、借入で操作することが難しいため、本質的な強さがわかります。
こんにちは、みたおです。
この記事ではROIC(投下資本利益率)について説明します。
ROICは企業の本質的な強さを知ることができるため、企業の分析をする際には利用したい指標です。
ROIC(Return On Invested Capital):投下資本利益率とは
ROICは以下の式で計算します。
ROIC(%) = NOPAT ÷ 投下資本
NOPATは「Net Operating Profit After Tax」の略で税金を差し引いたうえでの本業での利益です。
投下資本は有利子負債と株主資本を合計したものです。
ROICは事業で稼ぐ力を測ることができます。
例1)1億円の資本を投下して3千万円の利益を得た
例2)5億円の資本を投下して5千万円の利益を得た
細かい計算は抜きにすると
例1)3千万円 ÷ 1億円 = 30%
例2)5千万円 ÷ 5億円 = 10%
となり、額としては例2)のほうが大きいですが、例1)のほうが効率的に利益をあげており、稼ぐ力が大きいといえます。
ROICのメリット
同じく収益性を測る指標としてROE(自己資本利益率)があります。
ROEの分母は自己資本であるため、自己資本を圧縮するとROEが高まります。
そのため、自社株買いで株式を消却したり、借り入れの割合を増やすことで財務レバレッジをあげてROEを増やすことも可能です。
ROICは借入金(有利子負債)も分母に入るため、調達コストに合わせた稼ぐ力を測ることができます。
ROICがWACC(加重平均資本コスト)を超える必要があると考えます。
NOPATとは
NOPATは以下の式で計算します。
NOPAT(円) = 営業利益(円) × (1 ー 実効税率)
NOPATは営業利益に税金を差し引いたものです。
当期純利益などではなく、営業利益を使用することで本業で稼ぐ力を測ります。
※私は実行税率はバフェット・コードから取得できる情報を使用しています。
投下資本とは
投下資本は以下の式で計算します。
投下資本(円) = 有利子負債(円) + 株主資本(円)
買掛金や新株予約権などを除外した、債権者と現在の株主が投下した本質的な金額です。
有利子負債は主には短長期の借入金や社債などです。
以下のような項目ですが、面倒なので私はこちらもバフェット・コードの情報を使用しています。
有利子負債(円)= 短期借入金【B/S】+従業員預り金【B/S】+長期借入金【B/S】+社債・転換社債・ワラント債【B/S】+受取手形割引高【注記】
まとめ
ROICについての説明をしました。
ROICをKPIとして掲げている企業もよく見かけます。
ROICは本業の稼ぐ力を測ることができます。
ROIC > WACC であることが、債権者や株主の期待に応えることになると理解しています。
ROEだけでなくROICも利用してみるのはどうでしょうか。
ありがとうございました。