【債券】金利が上昇すると債券価格が下落するのはなぜ?債券価格と景気の関係

金利が上昇すると債券価格が下落すると聞きました。
債券の価格はどう決まるんですか?

こんにちは、みたお(@mitao_kabu99)です。

この記事ではこのような疑問を解決していきます。

この記事を書いているのは2022年5月ですが、ロシアの問題や急激な円安により、国内の株式市場は不安定です。米国の長期金利上昇による下落をうけ、日本株も軟調な動きを示しています。

このようなときに債券の資産をもっているとリスクの分散になります。
債券は株式と異なり、キャピタルゲインを狙う商品ではありません。
原則として、満期日まで保有していれば額面の金額が返却されるため、利回りが予測しやすいです。

この記事では債券について基本部分を説明していきます。

この記事でわかること
  • 債権の基礎知識
  • 利回りの計算方法
  • 金利と債券価格の関係
目次

債券の基礎知識

債券は、発行者(国や企業)が資金を借りる際に発行する借用証書です。
発行する母体によって、「国債」や「社債」といった種類があります。

債券は償還期限と呼ばれる資金が返却される期限まで保有すると、額面金額で償還(返済)されます。
定期預金の満期と同じようなイメージです。

貸したお金と返済されるお金が違う場合があるということですね。

債券の発行時には額面金額ではなく、発行価格で取引されます。
途中購入の場合は時価となります。

債券は定期的に利子が付くものがあります。
額面に対して、1年間にどの程度の利子が支払われるかを表面利率(クーポンレート)といいます。

債券のイメージ
債券のイメージ

額面100円に対して、発行価格が100円の場合をパー発行、100円より高いとオーバーパー発行、100より安いとアンダーバー発行といいます。

債券の種類

債券には以下のような商品があります。

国債

国債は国が発行する債券です。
新発の10年物国債の利回りは日本の長期金利の指標となります。

個人向け国債

個人向け国債は個人に限定した国債です。
発行後1年間は換金ができません。
個人向け国債には3種類の商品があります。

個人向け国債
  • 10年債(変動金利型)
  • 5年債(固定金利型)
  • 3年債(固定金利型)

社債

社債は一般の企業が資金を調達するために発行する債券です。
社債は株式と異なり、調達した資金を返却する必要があります。

金利と債券価格の関係

金利が上昇すると債券価格は下落します。
逆に金利が低下すれば債券価格は上昇します。

もともと表面利率が3%で発行された債券があったとします。
金利が4%になったら新たに発行される債券のほうが利率が良いため、そちらに人気が出ます。
その結果、3%で発行されていた債券は人気がなくなり価格が下がるということです。

ただし、債券は株式と異なり、満期時に償還される額面が決まっています。
その為、債券価格が下落することは運用利回りが上昇することになります。

好景気では株式市場が順調であるため、債券よりも株式のほうが人気が出ます。
今の日本は違いますが、一般的には好況になれば金利が上昇します。

したがって好景気は債券の人気が小さい=債券価格は下落しやすくなります。
不況時にはその逆で債券価格が上昇しやすくなります。

いずれにしても債券の良いところは、リスクが小さい(予想収益のブレが少ない)ということでしょう。

利回りの計算方法

債券の表面利率(クーポンレート)は額面から計算した利率です。
購入する金額は額面と一致するとは限らないので、実際の利回りは表面利率とは異なります。

利回りとは購入価格に対する1年間の収益の合計のことです。
収益の合計とは利子と差益(購入価格と売却価格の差)です。

利回り

利回り(%)= (1年間の収益合計 / 購入価格) × 100

直接利回りは購入価格に対する年間の利子の割合です。

直接利回り

直接利回り(%)= 表面利率 / 購入価格 × 100

【例】表面利率2.0% 額面100円あたり99.50銭で発行
2.0 / 99.50 × 100 ≒ 2.01%

債券は購入と売却のタイミングにより、利回りの呼び方が異なります。
ただし、計算方法は同じです。

①応募者利回り:発行時に購入して、満期まで所有した場合
②所有期間利回り:償還前に売却した場合の利回り
③最終利回り:途中で購入し、満期まで所有した利回り

利回り期間のイメージ
利回り期間のイメージ

利回りは購入価格に対する1年間の収益合計でした。
上記の場合、購入価格は①:発行価格 ②③:時価です。

1年間の収益合計は表面利率+1年間の差益ですので、表面利率は①②③どれも同じです。
差益は計算が異なりますが、根本的には最後の額から購入した額を引いて、所有期間で割るだけです。

差益はマイナスになることもあります。

それぞれの差益の計算

①:(額面金額 ー 発行価格) / 償還期間
②:(売却価格 ー 購入価格) / 所有期間
③:(額面金額 ー 購入価格) / 残存期間

したがって、各種利回りの計算は以下のようになります。

利回り計算

(表面利率 + それぞれの差益) / 発行価格(購入価格) × 100

まとめ:リスクの小さい債券を資産に取り入れてみる

ここまで読んでいただきありがとうございました。

債券は投資対象としては株式よりもとっつきにくいものだと思います。
純粋な債券ではなく、投資信託の国内債券ファンドもあるのでそういったものから始めるのも良いかもしれません。

株式と異なる動きをしやすい債券はリスク分散の観点では、一定の割合保有しておくのが望ましいと思います。
リターンを狙うだけでなく、自分の資産を守る投資もしていきたいですね。

ありがとうございました。

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この記事を書いた人

◆ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)
大卒から15年以上、東京でシステムエンジニアとして働いたが40歳を前にFPに転身。ライフプランや資産運用に関する無料セミナーや個別相談を通じてお金に不安がある人の悩みを解消中。
得意な分野は資産運用。最近は不動産投資型クラウドファンディングの運用割合を増やし、投資初心者の方にもおすすめの分散投資先として布教中。

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