この記事は2022年3月期第3四半期までの情報をもとに作成しています。
この記事は投資の助言あるいは投資の勧誘等を行うものではありません。
また、結果を保証するものでもありません。
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結論
直近は新型コロナウイルスなどの影響により売上が減少していますが、22.3期から盛り返してくると予想しています。
2022年3月13日時点のPERは6.2倍程度で割安だと判断しています。
株価としては5000円程度(PER10倍程度)までは十分あがると予想します。
また、配当利回りが3.7%程度で配当性向は20%程度です。
配当性向は30%程度まで上げてくると予想しており、配当利回り5%程度まで上がるかもしれません。
配当を期待しながら保有してもよい銘柄だと考えます。
ストーリー
以下のようなストーリーを考えました。
富士古河E&C(1775)は富士電機と古河グループの工事会社が合併して再出発した会社である。
主に、電気設備工事と空調設備工事を実施している会社で、現在は6~7%程度が海外(東南アジア)となっている。
親会社は富士電機(6504)でこちらも好調なのはプラス材料。
社会インフラ市場は国土強靭化対応などで投資規模が大きくなっている。
再生エネルギーや物流、半導体は大きな伸長が期待できそう。
東南アジア諸国連合(ASEAN)の製造業購買担当者景気指数(PMI)は2022年1月は52.7となっており、50を4か月連続で上回った。
新型コロナウイルスなどの状況が不透明な部分はあるが、今後アジア市場は間違いなくのびてくると想定しており好材料である。
国内建設市場は中期的には投資は緩やかに減少傾向の見込み。
また、設備工事業界は受注競争が激しく慢性的な人手不足でもある。
そんな中で「働き方改革」「人材の確保」「事業拡大」を主軸とした持続的成長に向けた動きに5年総額100億円規模を投資する。
海外事業にも注力しており、2023年度には売上高の10%(約120億円)を目標とする。
上記の通り、東南アジアは今後伸びてくる市場であるが、進捗を注視する必要がある。
ROE、ROICともに13%を超えており、非常に優秀である。
自己資本比率も50%を超えてきており、今後上記のように投資CFが増えてくると考えるので成長が加速することを期待する。
2021年3月13日時点で株価は2719円で、PERは6.2倍程度であるが、割安と判断している。
PER10倍程度まで上がると予想すると、株価5000円程度までは上昇することが見込める。
企業概要・ビジネスモデル
【決算】3月
【設立】1923.10
【上場】1996.2
【特色】富士電機と古河グループの工事会社が合併で再出発。プラント、空調、建築付帯が主。海外注力
【連結事業】電気設備工事69(7)、空調設備工事29(8)、他2(32) <21・3>
【業種】 設備工事 時価総額順位 26/47社
【従業員】<21.9>連1,558名 単1,169名(43.3歳)[年]760万円
【配当性向】20.7%(3期平均 19.8%)

電気設備工事(約7割)と空調設備工事(約3割)が主な事業です。
海外(主に東南アジア)も注力しています。
設計から保守までの流れも可能のようです。



事業に影響しそうな要因
PEST分析やSWOT分析などをイメージした要因を羅列します。
- 親会社は富士電機(6504)でこちらも好調
- 設備工事業界は受注競争が厳しい
- 社会インフラ市場は「国土強靭化対応」で投資規模が大きくなっている
- 再生エネルギー、物流倉庫、半導体は引き続きのびそう
- 東南アジア諸国連合(ASEAN)の製造業購買担当者景気指数(PMI)は拡大しつつある(2021年1月は52.7%)
- 新型コロナウイルスの影響が大きい。特に海外は地域差があり不透明
- 21年度の受注は新型コロナウイルスの影響で落ちているが、今後は伸びる予想
- 半導体、データセンターは過去実績あり
- 中期経営計画の売上は届かない可能性大(2023年売上高1000億円)
財務分析
画像はバフェットコードの情報を使用しています。
https://www.buffett-code.com/company/1775/financial

売上は新型コロナウイルスなどの影響もあり減少していますがが、22.3期では19.3期並みの売上に戻る想定です。
利益率は増加傾向にあるため、来期以降の売上高を注視します。

EPSは右肩上がりです。22.3期は配当性向は約23%、配当100円を予想しており、配当利回りは3.7%程度の見込みです。その為、配当を期待しつつ保有が可能な銘柄です。
23.3期に配当性向は30%になると予想しています。その場合、配当は140円程度まで上がるとみられ、現在の株価であれば利回り5%程度になります。

直近はFCFがかなりプラスになっています。
中期経営計画で自己資本比率がKPIになっているからということも考えられます。
現金同等物がかなり増えており、自己資本比率はほぼ50%まで上がってきているので、今後投資の額が増えてくることを期待します。

ROEは14%前後の水準を維持しています。
中身としては、財務レバレッジが減少しており、売上高利益率が向上しているため、安全性を低下させずに稼ぐ力がついてきているといえます。

従業員数もわずかずつではあるが増加傾向であり、ひとり当たりの利益も増加傾向である。
【その他】
20年度決算数値からは ROIC > WACC 、 EVA > 0 であり、事業に問題ないと判断しています。
有利子負債 1,469,000,000 (4.9%)
株主資本合計 28,716,000,000 (95.1%)
投下資本 = 有利子負債+株主資本合計=30,185,000,000
営業利益 5,916,000,000
実行税率 33.4%
NOPAT = 営業利益 × (1-実行税率/100) = 3,940,056,000
ROIC = NOPAT / 投下資本 ≒ 13.05%
借りたお金の金利 3%とする。
借りた資金の資本コスト = 金利 × (1-実効税率)≒ 1.998%
Rf(10年物国債利回り)= 0.2% とする。
Rm(市場の長期平均リターン)= 7.3% とする。
マーケットリスクプレミアム(RmーRf)≒7.1%
β=0.78とする。(バフェット・コードの値を採用)
CAPM = Rf + β(RmーRf)=5.738
WACC =(1.998*0.049)+(5.738*0.951)≒ 5.55
EVA = NOPAT ー 投下資本 × WACC ≒ 2,262,981,300
株価の想定
株価(3/13) / EPS = PER
2719 / 433.9 ≒ 6.27 【21.3期実績EPS】
2719 / 439.2 ≒ 6.19 【22.3期予想EPS】
年度 | EPS(円) | 1年前 | 2年前 | 3年前 | 4年前 |
---|---|---|---|---|---|
17年 | 330.3 | ||||
18年 | 317.7 | -3.7% | 1.8% | ||
19年 | 342.8 | 7.6% | 13.5% | 7.4% | |
20年 | 409.1 | 19.6% | 12.5% | 10.9% | 7.0% |
21年 | 433.9 | 5.9% | 3.6% | 8.7% | 8.4% |
22年(予想) | 439.2 | 1.4% | 5.7% | 5.8% | 9.1% |
PER = 株価 × 株式数 / 当期純利益
6.27 ≒ 2719 × 8,993,145 / 3,902,000,000 【21.3期実績純利益】
6.19 ≒ 2719 × 8,993,145 / 3,950,000,000 【22.3期予想純利益】
7.97 ≒ 3500 × 8,993,145 / 3,950,000,000
9.11 ≒ 4000 × 8,993,145 / 3,950,000,000
10.2 ≒ 4500 × 8,993,145 / 3,950,000,000
株価 = PER / 株式発行数 × 当期純利益
2635 ≒ 6 / 8,993,145 × 3,950,000,000 【22.3期予想純利益】
4392 ≒ 10 / 8,993,145 × 3,950,000,000
4837 ≒ 10 / 8,993,145 × 4,350,000,000 【23.3期予想純利益】
5320 ≒ 11 / 8,993,145 × 4,350,000,000
7256 ≒ 15 / 8,993,145 × 4,350,000,000
現在の株価2719円(22年3月13日時点)は、22.3期予想EPSの439円だとPERは6.2倍。
四季報の23.3期の予想では売上利益ともに10%程度の成長が見込んでいます。
自己資本比率やROICの数値からしても安全性、収益性に特に問題は見当たらず、PER6倍台はかなり割安と判断してよいと考えます。
また、PBRも0.8倍で1倍をを切っています。
PER10倍まで上がれば株価は5000円台まであがる計算です。
新市場ではスタンダード市場になりますが、上昇のきっかけとなるカタリストが欲しいところです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
富士古河E&Cの銘柄分析でした。
各種情報を調べる限りでは、収益性や安全性に問題はないと考えています。
そのため、現在の株価はかなり割安だと判断しています。
ありがとうございました。
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