こんにちは、みたお(@mitao_kabu99)です。
6月後半には住宅関連の指標が数多く発表され、そのほとんどが市場予想を上回る結果となりました。2023年に入って以降、S&P500は順調に株価が上昇していますが、住宅関連株はそれを上回る成長を示しています。
ここでは2023年現在の住宅関連指標と住宅関連株の状況を簡単に紹介します。以下に挙げる指数は住宅関連の主要な指数なので、これをチェックしておけば住宅関連市場の状況をおおむね把握できると思います。
将来の住宅関連に関して私個人としては悲観的な見方をしています。というのも、私は将来的に米国はリセッションに直面すると予想しているからです。FRB(米連邦準備制度理事会)がインフレに対処しようとしており、(現在の状況は別にして)市場全体としてはそれほど良い状況ではないと感じています。
とはいえ、、住宅関連は米国経済の重要な要素であるため、引き続き注目していきたいと思います。
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住宅関連指数一覧 FREDデータ
主な住宅関連の指数として、月の後半に住宅着工件数、中古住宅販売戸数、新築住宅販売戸数、ケースシラー住宅価格指数などが発表されます。
住宅着工件数
住宅着工件数は、米商務省から発表される指標であり、新築住宅販売戸数などよりも先に発表されるため、先行指標として重要視されています。6月20日には5月の住宅着工件数が発表され、市場予想(1400万件)を大きく上回る1631万件となりました。この数値は直近1年間において緩やかな減少傾向でしたが、5月の数値は大きく反発しました。そのため、翌月の数値には注目が必要です。
中古住宅販売戸数
中古住宅販売戸数は下落を続けています。2023年に入り下落が止まった感もありますが、米国内では中古住宅が枯渇しているといわれており、新築住宅に重要が多くなる要因の1つとなっているようです。
新築住宅販売戸数
下記の新築住宅販売戸数のグラフは過去5年間を示しています。2020年のコロナショックで下落したのち、金融緩和によって大きく上昇、その後は下落を続けていましたが、2022年7月頃から反転して現在上昇中です。
これを見てわかる通り、現在の数値はコロナショック前の水準を超えています。次に紹介するローン金利は高止まりしている状況で、金利が高い状況は住宅には悪影響を与えるので現在の水準は少し違和感を感じます。
ケースシラー住宅価格指数
ケースシラー住宅価格指数は、全米版や主要な10都市、20都市などで指数が分かれますが、以下のグラフは20都市版です。2022年の中ごろから下落が続いていますが、2023年に入り実指数(2000年=100)としては、前月を上回る数値になっています。前年までの数値が異常に高いため、しばらくは前年比としてはマイナスとなる見込みです。
ただし、前年比としても2023年6月発表(5月分)の予想は市場予想-2.6%に対して、-1.7%となっており、市場予想を大きく上回っています。
ローン固定金利
以下のグラフは30年固定(青線)と15年固定(赤線)のローン金利を示しています。これからローンを組む(借り換えなんかも同じだと思いますが)ローン金利が高いのは望ましくありません。現在の水準は2007年付近のサブプライム問題やリーマンショック時と同水準となっています。その後、固定金利は減少を続け、現在のような水準になったことはありません。これほど金利が上昇しているにもかかわらず新築住宅販売が好調なのが少しいびつに感じる理由です。
住宅関連のCPI
以下のチャートはシェルターの消費者物価指数(青線)と、粘着性CPI(赤線)と呼ばれている消費者物価指数の前年比です。これらのCPIについては以下の記事で詳しく紹介しています。
これを見る限りでは、2023年頃から住宅のインフレ率上昇は止まっていますが、大きく下落したとまでは言えない状況になっています。粘着性CPIは住宅のみの指数ではないため、住宅関連以外が下落したと予想できます。
住宅関連株は大きく上昇
以下のチャートは、S&P500(ローソク足)と不動産関連ETF(ITB:赤線)、ITBの構成割合上位銘柄であるDHI、LEN、NVRを示しています。
これを見ると不動産関連株が上昇してきているのは2022年後半からだということがわかります。確かに、ここまで紹介してきた指数をみると、2023年頃から上向いてきているので、これから不動産が持ち直すと考える投資家が多かったのかもしれません。実際にこれらの個別銘柄は2022年の業績も堅調でした。
住宅関連株の今後は
しかし、冒頭に述べた通り、個人的にはこれらの不動産株が今後も上昇していくのかと考えると、そんなに簡単ではないように感じます。特に、FRBは今後再インフレがおこならないための対処をしてくると考えられるので、その点は不動産業界にとってはマイナスになるのではないでしょうか。
とはいえ、実際にはどうなるのかわかりません。住宅のインフレ率の高止まりは政策金利の高止まりに直結しそうな問題ですので、不動産業界への投資は難しい判断となりそうです。
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