こんにちは、みたお(@mitao_kabu99)です。
今やインドの人口は14億人を超えており、中国を抜いたともいわれています。インドの経済成長と投資機会に注目が集まっており、インド株は多くの投資家たちにとって魅力的な選択肢となる可能性があります。
これから大きな成長が期待できるインドですが、米国株などと違い簡単に投資できません。インド株に投資したいけどどうすればいいのというときに利用したいのがEPI(ウィズダムツリー インド株収益ファンド)です。
EPIはインドの主要企業を代表する株式を組み込んでいるため、インドの経済成長や消費需要の拡大に連動する可能性が非常に高いETFといえます。この記事では、EPIの基本的な特徴やインドの経済状況、投資戦略への適用方法などについて詳しく探っていきます。
EPIの基本情報
まずはEPIの基本情報を説明します。
EPIの概要
ティッカー | EPI |
名称 | ウィズダムツリー インド株収益ファンド |
基準価額(米ドル) | 33.01 (2023/05/15) |
純資産総額(百万米ドル) | 818.18 (2023/04/28) |
分配金回数/年 | 4回 |
分配利回り | 5.59 % |
経費率 | 0.84% |
設定日 | 2008/02/22 |
運用会社 | ウィズダムツリー |
分配利回りが高い銘柄だと感じますが、直近分配金がない点に注意が必要です。分配金についてはの詳細は次に説明します。インド株ですのでインカムゲインを狙うだけでなくキャピタルゲインも狙える銘柄です。経費率は人気の米国ETFと比較するとかなり高めです。もともとは分配金で十分カバーできる状況でしたが、2023年の分配利回りがどうなるか予想できません。6月に注目する必要があります。
EPIの株価チャート
インド株はこれから成長が期待できる投資先だと思いますが、まだその真価を発揮していないという状況です。米国株式市場の主要なインデックスであるS&P500と比較すると運用成績は下回っています。
とはいえ、短期間で見れば、S&P500の動きを上回ることもあり比較的値動きが大きい銘柄といえるかもしれません。
EPIの構成銘柄とセクター比率
EPIは100%インド関連銘柄で構成されています(2023/5/18現在)。インド銘柄に詳しい人でなければほとんど知らない銘柄が並んでいるという印象でしょうか。トップ10銘柄で40%弱の組み入れ比率となっています。保有割合が0.01%以上の銘柄は約340銘柄あったので、特定のインド銘柄というよりもインド銘柄全体の動きも影響しそうです。
ティッカー | 銘柄 | 組入比率(%) |
---|---|---|
RIL | リライアンス・インダストリーズ | 6.73 |
TATA | タタ・スチール | 6.11 |
CICIIBC | ICICI銀行 | 4.46 |
ONGC | インド石油ガス公社 | 3.95 |
INFO | インフォシス | 3.64 |
TCS | タタ・コンサルタンシー・サービシズ | 2.77 |
AXSB | アクシス銀行 | 2.71 |
PWGR | パワーグリッドコーポレーションオブインディア | 2.08 |
NTPC | ナショナル・サーマルパワー | 2.05 |
IOCL | インド石油会社 | 2.05 |
セクター別でみると、素材やエネルギーが多くを占めているのはインドらしさが出ているといえるのかもしれません。
セクター | 組入比率(%) |
---|---|
素材 | 23.62 |
エネルギー | 18.15 |
金融 | 16.34 |
情報技術 | 11.41 |
公益事業 | 7.26 |
資本財 | 6.47 |
一般消費財 | 5.51 |
生活必需品 | 4.41 |
ヘルスケア | 3.79 |
通信サービス | 2.51 |
不動産 | 0.52 |
EPIの配当はいつもらえる?
EPIは現状では年4回(3,6,9,12月)に分配金がでているETFです。分配利回りが高くなっていますが、かなり分配金の金額の変動が大きく、2022年12月と2023年3月は分配金が出ていません。米国株の他の高配当ETFもかなり分配金を下げているので、今後もどうなるかわかりません。
年度 | 分配金(米ドル) |
---|---|
2022年度 | 1.96023 |
2022年9月 | 0.00023 |
2022年6月 | 1.845 |
2022年3月 | 0.115 |
2021年度 | 0.43042 |
2020年度 | 0.22706 |
20019年度 | 0.279242 |
年度 | 増配率(前年比) |
---|---|
2023年度 | ▲100%(※) |
2022年度 | 355.42% |
2021年度 | 89.56% |
2020年度 | ▲18.69% |
インド株価の今後の見通しは明るいのか?
これから20~30年程度は比較的明るい見通しが多いですが、課題もあるというのが一般的な意見のようです。
15~64歳の人口は多いが、少子化も進んでいる
人口は約15億人程度まで増加しそうで、当面15~64歳の生産年齢人口も増え続けそうです。人口の規模が大きいことは間違いなく経済成長にとってプラスとなります。一方で実は0~14歳の人口はすでに減少しつつあり、少子化が進んでいることも事実です。
製造業が弱いといわれている
インドはサービス業などが強いイメージがありますが、製造業に関しては周辺のアジア諸国と比べても成長が遅れているといわれています。経済成長はしていますが、国内需要を輸入品に頼る必要があるという状況が生まれています。
一人当たりのGDPはまだ低い
国としてのGDPは急成長していますが、人口も考慮したときに1人あたりのGDPは日本と比較しても大きな差があります。地域別格差や制度や宗教など、日本ではあまり考えないような課題も多く残されています。
その他のインド株に投資する方法
インド株に投資する方法としては、ここで紹介した米国ETFのほかにも、国内市場の投資信託や米国ADR(個別株)という方法もあります。
投資信託とETFはどちらがいい?
S&P500などの指標の場合、ETFと投資信託でどちらが良いというのは結構難しい判断で、(特に投資初心者の方は)投資信託をおすすめすることもあります。今まではインド株の投資信託はコストが高く、ETFのほうが良さそうと考えていたのですが、大和アセットマネジメントから出た商品(設定日は2023/3/13)は期待しています。
国内で購入できるインド関連投資信託には以下のようなファンドがあります。(これでも信託報酬率が安いものを選んでいます)
銘柄 | 基準価額 | 信託報酬 | ベンチマーク |
---|---|---|---|
大和-iFreeNEXT インド株インデックス | 10,846 | 0.781% | Nifty50指数(配当込み、円ベース) |
ピクテ-iTrustインド株式 | 15,307 | 0.9828%程度 | なし ※中長期的に成長が期待できるインド企業 |
大和アセットから出たインド株インデックスの投資信託を見ると、EPIの経費率(0.84%)を下回っています。Nifty50というのはインドナショナル証券取引所に上場している中心的な50社で構成されている株価指数です。EPIとは異なる銘柄で構成されているのでこの辺りは好みの問題になりそうです。
直近1か月の騰落率は上記の投資信託が約5.1%、EPIは約2.4%となっていたので、コスト、リターンの両方から投資信託が上回っていそうですが、この投資信託は分配金は出ていません。まだ運用開始したばかりでもう少し見てみないとわかりませんが、EPIも分配金が出なくなるかもしれない、でても外国税額控除申請のが必要と考えると、手間がかからない投資信託を選んでもよいかもしれません。
まとめ:インド経済に詳しければ面白い銘柄
インド経済に精通していないと若干怖い部分もありますが、全体としてはインド株式は今後伸びていくと感じます。インド市場に簡単に投資できる方法としてEPIを利用してみるのは面白そうです。