TQQQはどこで買える?TQQQの長期保有が危険な理由を解説!

こんにちは、みたお(@mitao_kabu99)です。

投資をしている人であれば「レバナス」は聞いたことがあると思います。Nasdaq-100指数に連動する投資信託ですね。ナスダックに連動するレバレッジ型の商品は日本でも人気ですが、2022年11月ごろから米国ETFであるTQQQ(プロシェアーズ ウルトラプロQQQ)がSBI証券や楽天証券を筆頭に多くの証券会社で買えるようになりました。

この記事ではTQQQについて、どこで買えるのか、TQQQはどんなETFなのかなどを掘り下げていきます。

それまでTQQQは多くの証券会社で買えない状態だったので、TQQQが買えないという記事を見たときは、記事が作成された日付もチェックすることをおすすめします。

TQQQのポイント
TQQQのポイント
目次

TQQQの取り扱い証券会社 SBI証券や楽天証券で買える

2023年3月現在では、SBI証券楽天証券などの大手ネット証券などで取り扱っています。サクソバンクのようにCFDで取り扱っている証券会社もあります。メインどころの証券会社でいえばauカブコム証券では現在取り扱っていません。

下にSBI証券や楽天証券など大手証券会社でTQQQの取り扱いが始まったリリース情報を載せていますが、多くの証券会社で2022年11月から取り扱いが開始されました。

証券会社取り扱い取扱商品
SBI証券ETF
楽天証券ETF
マネックス証券ETF
松井証券ETF
auカブコム証券×
IG証券ETF
サクソバンク証券CFD
GMOクリック証券CFD
主な証券会社でのTQQQの取り扱い(2023/3/9時点)

CFDとはなんぞや?ということについてはこちらの記事をご確認ください。

TQQQはなぜ買えないと言われていたのか?

TQQQを調べていると、「なぜ買えない」という検索が出てくることがあります。TQQQは金融庁に届け出されていないETFだったようで、多くの証券会社で取り扱われていませんでした。今は↑の通り、多くの証券会社で取り扱っていますので安心してください。

この方(清明祐子さん)、、、マネックス証券の代表取締役CEOで、めちゃくちゃえらい方です。

【TQQQに投資するのもマネックス証券がおすすめ】

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TQQQとは?ナスダックに連動するETF

TQQQがどんなETFなのか基本情報を理解しておきましょう。

ティッカーTQQQ
名称プロシェア ウルトラプロ QQQ ETF
基準価額(米ドル)26.80 (2023/04/20)
純資産総額(百万米ドル)14,101.612023/03/31)
分配金回数/年4回
分配利回り0.92 %
経費率0.86 %
設定日2010/02/09
基本情報 2023/4/22時点

TQQQはNasdaq-100インデックスの日々のパフォーマンスの3倍を目標としているETFです。Nasdaq-100自体がそれなりに値動きが激しいので、さらに大きく動くことになります。

出来高も大きく、本家QQQを上回ることもあります。SBI証券の出来高ランキング(2023/3/7時点)で4位となっていました。5位がテスラ(TSLA)なので、その大きさがわかると思います。

出典:SBI証券 出来高ランキング上位銘柄
出典:SBI証券 出来高ランキング上位銘柄

基準のQQQとは NASDAQに連動するインデックス

Nasdaq-100に連動するレバレッジ型でないETFがQQQ(インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ET)です。Nasdaq-100は、米国のNASDAQ証券取引所へ上場する銘柄の中で、金融機関を除いた時価総額が上位の100社に絞った指数です。

構成銘柄はTQQQとほぼ同じ(TQQQがQQQと同じというのが正しいかもしれませんが)ですが、純資産総額はTQQQの10倍以上の違いがあります。

ティッカーQQQ
名称インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ET
基準価額(米ドル)318.77 (2023/04/19)
純資産総額(百万米ドル)172,393 (2023/03/31)
分配金回数/年4回
分配利回り0.68 %
経費率0.20 %
設定日2010/02/09
基本情報 2023/4/22時点

分配利回りはTQQQもQQQもどちらも低く、配当を目的とするETFではないので気にしなくてよいと思います。ただし、経費率がかなり違う点は注意が必要です。TQQQの保有コストはQQQよりも高く、約4倍もかかります。

TQQQの構成銘柄

TQQQの構成銘柄はQQQと基本的に変わりません。ただし、レバレッジ型なので先物などを利用している点は違います。(以下の表は個別銘柄のみを記載)

ティッカー銘柄保有割合
AAPLアップル6.94%
MSFTマイクロソフト6.73%
AMZNアマゾン3.37%
NVDAエヌビディア2.65%
TSLAテスラ2.16%
GOOGアルファベットクラスA2.05%
GOOGLアルファベットクラスC2.04%
METAメタプラットフォームズ1.90%
AVGOブロードコム1.17%
PEPペプシ1.09%
銘柄保有割合(2023/3/6時点)

セクターの割合は以下のようになっています。情報技術セクター、通信サービスセクターで約65%を占めています。Nasdaq-100は金融関連は除外されているので金融セクターの保有はありません。

セクター名称割合
Information Technology情報技術49.78%
Communication Services通信サービス16.05%
Consumer Discretionary一般消費財14.28%
Health Careヘルスケア7.28%
Consumer Staples生活必需品6.68%
Industrials資本財4.00%
Utilities公益事業1.45%
Energyエネルギー0.49%
セクター割合(2023/3/6時点)

ProShares:TQQQ

TQQQの株価チャートとトータルリターン

TQQQ(赤)とQQQ(青)を比較は、どの期間を見るかによって大きく結果が変わります。徐々に期間を短くしていきます。まず、直近5年間です。TQQQの変動がQQQに比べてかなり大きいことがわかると思います。

たまたまですが、この期間では最終的なリターンに大きな差はありませんでした。

過去5年間の比較
過去5年間の比較

次に直近1年間の比較です。QQQの下落が約7.5%に対して、TQQQはその6倍程度の45%近い下落をしています。「全然3倍のパフォーマンスじゃない…」と思うかもしれませんが、これがレバレッジ型(インバース型)の怖いところです。このレバレッジ型の注意点についてはこの後説明します。

また、ある断面でみれば、QQQがプラスなのにTQQQがマイナスになるということもありえます。

直近1年間の比較

最後に年初来からの比較です。これをみてTQQQは今後大丈夫そうと判断するのはかなり危険です。現在は米国株式市場が持ちこたえていますが、リセッション(景気後退)が起きる可能性は十分あります。

米国の経済指標が良いと政策金利のターミナルレートが上昇、金利が高止まりする可能性があります。Nasdaq-100のメインである情報技術セクターは金利上昇の影響を受けやすいセクターですので、下落圧力も強くなります。

年初来からの比較
年初来からの比較

ProSharesのTQQQサイトによると、トータルリターンは以下の通りです。(2023年1月31日時点の月末トータルリターン)

期間リターン
年初来(1か月)+32.43%
3か月+9.97%
6か月-30.94%
1年-62.85%
3年-0.53%
5年+9.35%
10年+34.85%
2023年1月31日時点の月末トータルリターン

ProShares:TQQQ

TQQQとS&P500のリターン比較

TQQQがインデックスとしている指標ではありませんが、米国のメインインデックスであるS&P500とのリターンを比較してみます。以下のチャートは2022年のリターンを比較したものです。こちらの比較は株価ではなく分配金なども含めたリターンです。

S&P500も下落していますが、TQQQは約80%下落と散々な動きになっています。

TQQQとS&P500のリターン比較
TQQQとS&P500のリターン比較

TQQQとSQQQの比較

TQQQの関連ETFでSQQQ(プロシェア ウルトラプロ ショート QQQ ETF)という銘柄があります。TQQQがレバレッジ型なのに対して、インバース型(基準インデックスと逆の動きをする)のETFです。

ETFタイプNasdaq-100と比較して
TQQQレバレッジ型同じ動きで3倍
SQQQインバース型逆の動きで3倍
TQQQとSQQQの比較

逆の動きをするETFは保有資産の下落時のリスクヘッジで利用することもできます。

ティッカーSQQQ
名称プロシェア ウルトラプロ ショート QQQ ETF
基準価額(米ドル)30.81 (2023/04/20)
純資産総額(百万米ドル)5,010.15 (2023/03/31)
分配金回数/年4回
分配利回り1.15 %
経費率0.95 %
設定日2010/02/09
基本情報 2023/4/22時点

SQQQもTQQQと同様に経費率が高いことには注意が必要です。

TQQQとレバナスとの違い

日本でも非常に人気の高いレバナス(レバレッジNasdaq-100)は「投資信託」の商品です。TQQQに投資するには、原則として通常の証券口座に加えて外国株式口座が必要になります。ただし、レバナスであれば投資信託なので通常の証券口座のみで投資可能です。

レバナスで有名な投資信託に「大和-iFreeレバレッジ NASDAQ100」と「楽天レバレッジNASDAQ100」がありますが、こちらはNASDAQ-100指数に対して2倍のレバレッジ銘柄です。

銘柄基準価額信託報酬手数料率
楽天レバレッジNASDAQ1004,672円0.77%
大和-iFreeレバレッジ NASDAQ10019,715円0.99%
レバナス投資信託の比較

TQQQ 長期保有の危険性

TQQQなどのレバレッジ型(インバース型)ETFは長期保有には適していない銘柄であることは認識しておきましょう。また、2023年の米国経済も、TQQQにはマイナスな面が多くなりそうです。

レバレッジ型ETFの長期保有は危険

上の株価チャートでもわかる通り、レバレッジ型のETFはパフォーマンスのトータルが3倍(n倍)になるわけではありません。日々の騰落率の3倍を目指しているため、2日以上にまたがった場合ではトータルリターンは変わります。

特に、レバレッジ型やインバース型は株価が上げ下げするような相場に弱く、価格が基準インデックスに対して相対的に下落していきやすくなります。以下はレバレッジ2倍の株価の動きですが、3倍なればさらに差が大きくなります。

指数基準日1日目(騰落率)2日目(騰落率)
基準インデックス10080(-20%)100(+25%)
レバレッジ型インデックス10060(-40%)90(+50%)
レバレッジ(2倍)型の株価の推移
レバレッジ型の株価の動き

詳しくはこちらのSOXLの記事で解説しています。

JPX日本取引所グループからも、レバレッジ型(インバース型)ETFの留意すべき投資スタイルとして以下の内容が注意喚起されています。

原指標の上昇と下落が相互に繰り返されるような相場においては、複利効果により、原指標と比較して指数のパフォーマンスが逓減して行くという特性があり、投資者は利益を得にくくなりますので、留意が必要です。

JPX日本取引所グループ:留意すべき投資スタイル

米国株式市場とナスダック市場 今後の株価の見通しは?

米国株式市場は2023年中旬ごろから株価が落ち込むと予想しています。現在は予想外に経済指標が好調で、昨年末は早期利上げ停止予想が多かったにもかかわらず、ここ23年2月発表の経済指標で政策金利のさらなる利上げ予想に変わってきました。

政策金利は高止まりして、利下げは2024年以降になってからという予想が主流となっています。

出典:FedWatchツール

さらに、QYLDの記事でも紹介しましたが、情報技術セクターは金利上昇の影響を受けやすいため、現在の状況は情報技術セクターがかなりの割合を占めているNasdaq-100には望ましくない状況といえます。

ナスダック100指数は今年に入ってからの金利上昇を嫌気しており、第1四半期における10年物米国債利回りとの相関は-0.28となっています。また、10年物米国債利回りに対する負の相関が第1四半期において最も大きくなったのは情報技術セクターでした。

GLOBAL X社 金利上昇期に対応するカバードコール戦略
10年物国債利回りに対する相関
出典:GLOBAL X社資料 10年物国債利回りに対する相関

QYLDはNasdaq-100でカバードコール戦略を利用したETFです。詳しくはこちら↓

TQQQ上場廃止の可能性は?

現状のTQQQの出来高、純資産総額などから考えると、上場廃止の可能性はかなり低いと考えられます。TQQQはレバレッジ型ETFの中でも圧倒的に純資産総額が大きく、取引量も大きいです。

レバレッジETFで資産総額の降順
レバレッジETFで資産総額の降順

etfdb.com:レバレッジETFリスト

TQQQに投資するメリットとデメリット

実際にTQQQに投資した場合のメリットとデメリットについて考えてみます。

TQQQのメリット

TQQQに投資するメリット
  • 短期間で大きなリターンを得ることができる
  • SOXSを利用すれば、下げ相場でも利益を上げることができる

TQQQなどのレバレッジ型の最大のメリットは、短期間で大きなリターンが期待できるところです。もともと比較的情報が期待できるナスダックにさらにレバレッジがかかるからです。

さらに、Nasdaq-100のメインとなる情報技術セクターは米国が最も得意とする分野です。2022年は厳しい状況になっていますが、過去10年でこれだけ急上昇しています。(以下は情報技術セクターETF:VGTの株価チャート)

情報技術セクターの株価チャート推移
情報技術セクターの株価チャート推移

TQQQのデメリット

TQQQに投資するデメリット
  • 長期投資に適していない
  • 現在は株価が下落する可能性が高い
  • 短期間でも損失が大きくなる
  • 経費率が比較的高い

レバレッジ型(インバース型)全般に言えることとして、長期投資には向いていないETFといえます。上で説明したように、株価の上げ下げが続くと価値が相対的に下がっていくことに加えて、経費率も高いからです。

さらに、2023年はここから株価が下がる可能性も高いと考えています。当然レバレッジ型は株価の下落も早く、急速に損失が膨らむリスクも高くなります。

TQQQの買い方 レバレッジETFを投資に活かすには?

TQQQの特性を活かすなら短期投資のほうが適しています。ただし、できるだけ少額で投資したほうがよいでしょう。どちらかというと、TQQQで株価上昇時に大きくリターンを狙うよりも、保有資産のリスクヘッジとしてSQQQを少額運用するような方法のほうがリスクが小さく良いかもしれません。

上げ下げする相場には弱いですが、一方向に動く相場には強い特性があります。どちらかに動く要因があれば狙ってみてもいいかもしれません。上げ相場であればTQQQ、下落するのであればSQQQへ投資します。

とはいえ、現状の米国市場の判断は難しいと思います。

投資初心者はTQQQはやめとけ、、、が基本

あたればでかいTQQQですが、やはり投資初心者の方やリスク許容度が小さい方は手を出さないほうが無難なETFです。それでも投資してみたいというのであれば、十分検討してから投資するようにしてください。

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この記事を書いた人

◆ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)
大卒から15年以上、東京でシステムエンジニアとして働いたが40歳を前にFPに転身。ライフプランや資産運用に関する無料セミナーや個別相談を通じてお金に不安がある人の悩みを解消中。
得意な分野は資産運用。最近は不動産投資型クラウドファンディングの運用割合を増やし、投資初心者の方にもおすすめの分散投資先として布教中。

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