
投資を始めたいけど、どんなリスクがあるんだろう?
このような疑問にお答えします。
- 投資のリスクはどのようなものがあるか
- 投資のリスクを回避するには
投資のリスクはどのようなものがあるか


商品に関するリスク
将来の資産形成を行うためには「貯蓄」と「投資」をうまく組み合わせることが大切です。
言葉の定義は様々ですが、一般的に「貯蓄」は金融機関への預貯金や国債等の元本が保証の可能性が極めて高い商品で、比較的自由に引き出しできる(流動性が高い)ものです。
一方「投資」は、株式や不動産等に資金を投入して、積極的に資産を殖やすことを目的としています。
リターンがあるということはリスクも存在しています。一般的にはリターンの大きさとリスクの大きさは比例します。
商品によってはリスクが高い「投機」に近い商品もあるため、注意が必要です。


上に行くほどリスクが高く、右に行くほど収益性が高い商品です。
預貯金や債券はほぼ元本が保証されていますが、その分収益性は低くなります。
個別企業に投資することも可能ですが、紫の破線は投資信託の商品として扱っています。
投資開始序盤は左下の商品から始めつつ、徐々に右上にも挑戦するのが良いでしょう。
右上の赤点線ゾーンは投機的な面があります。
FXや先物は少ない投資金額で大きな取引を行う(レバレッジをかける)ことができます。
リターンが大きくなる可能性もありますが、その分リスクも高くなるため、十分に理解する前に手を出すことはお勧めしません。
仮想通貨は”ビットコイン”が有名ですね。
瞬間的には何百倍、何千倍になった仮想通貨も存在します。
ただし、情報が得にくいこと、対象の通貨によっては取引が難しいこと、影響力の大きなビジネスパーソンの言動でも簡単に急激な動きをすることなどから、こちらも初心者が大きな割合の金額を投下するのはお勧めしません。
不動産投資については私は詳しくありませんが、様々な投資情報もあり、情報を吟味して実行する能力があればリスクは下げられるかもしれません。
しかしながら、初期投資額などを考えると初心者が手を出しやすい商品ではないと思います。
資産運用の一般的な投資のリスク
投資の「リスク」という言葉を使っていますが、資産運用では「危険」や「損失」という意味ではなく、「期待収益の不確実性」 つまり収益の振れ幅が大きいことを意味します。


リスクが大きくなる要因としては、以下のような内容があげられます。
種類 | 内容 | 主な商品 |
---|---|---|
価格変動リスク | 運用商品は、経済動向などで日々価格が変動(上昇または下落)するため、 お受取り金額が投資元本を下回ることがあります。 | すべて |
信用リスク | 経営状態の悪化や国の財政破綻などで、元本の支払いや金利の支払いが滞ることがあります。 | 債券、株式 |
為替リスク | 為替レートの変動によって予期せぬ損益が生じる場合があります。 | FX、外国株式 ※外貨建ての商品 |
カントリーリスク | 特定の国の政治・経済情勢により、想定以上に価格が変動することがあります。 | 外国債券、外国株式、FX |
このほか、流動性のリスクや地政学的リスクといったものも考えられます。
またインフレリスクとして物価上昇率が預金の利率よりも高い場合、実質的には資産が下がります。
したがって、元本保証されている=リスクがないということではありません。
投資をしないことにもリスクがある
それでは全く投資をしなければリスクがないのでしょうか?
ところがそんなこともありません。
インフレなどにより物価が上がると、相対的に資産の価値が下がります。
最低でもインフレ率と同様程度の上昇は確保しておく必要があります。
投資をしないリスクについてはこちらの記事で紹介しています。


投資のリスクを回避するには


残念ながら完全にリスクをゼロにするということはできません。
しかし、ある程度リスクを軽減することは可能です。
- 分散投資をする
- 長期間投資をする
- 投資の勉強をする
- 損切をする
分散投資をする
「卵は1つのかごに盛るな」と言われるほど、分散投資が推奨されています。
これは、複数の企業に投資するということだけでなく、預貯金と株式と投資信託といった商品でも分散させることで相対的にリスクを軽減することができます。
アセットアロケーション(資産配分)の重要性について、以下の記事でまとめています。


ただし、分散させすぎると管理が大変であること、それに伴い収益性も低下することも理解しておく必要があります。
長期間投資をする
長期間投資をすることのメリットとして、長期間(例えば毎月)一定金額投資することで、ドルコスト平均法により価格変動リスクを低減することができます。
ドルコスト平均法についてはこちらを参考にしてください。


また、無理のない範囲で投資を行うことは非常に重要であるため、長期間投資をする前提で資金投下の計画を立てるのが良いでしょう。
投資の勉強をする
そして、上の2つと同じくらい大切だと個人的に思うのが、投資の勉強をするということです。
投資の勉強といっても、最初からテクニカルの手法を覚えたり、難しいファンダメンタルズの分析手法を覚えたりということではありません。(長期的には実施するに越したことはありませんが)
例えば、購入するときには誰かがいいと言ったからとか、ネットで評判が良いからといった理由で決めず、自分で投資信託の目論見書を確認したり、購入した後に定期的に状況を確認したりといったことから始めましょう。
ほったらかし投資で気が付いたら資産が増えていたということもありえなくはないですが、例えばiDeCoの投資でもリバランスを行うなど、PDCA(Plan-Do-Check-Action)を回すことが重要です。
特に初めのうちは、最初の計画(Plan 購入の根拠)と、途中のCheckをしなくなりがちです。
投資の勉強についてはこちらも参考にしてください。


損切をする
当初計画から予想が変わってきて、許容できないマイナス幅になった時には損切しましょう。
特に個別企業の株式に投資していたり、FXなど特定の国との取引をしている場合、業績の下方修正やカントリーリスクなど、想定していなかった事象が発生することはよくあることです。
投資していたのは当初の計画だからであって、現時点で状況が変わっているようでしたら投資計画も修正しなければなりません。
株式やFXなどは注文で事前に損切を入れておくこともできますので、実施しておくことをお勧めします。
まとめ:リスクとリターンの関係を理解して投資しましょう
投資のリスクについて説明しました。
分散・長期投資を意識することがまずは重要です。
そして、投資の勉強をして知識を増やしてからリターンが大きい投資商品へ挑戦しましょう。
レバレッジなどは抑えてくれぐれも無理をしない範囲で、です。
ありがとうございました。