
2022年7月26日、27日はFOMCです。
米国では2022年3月に0.25ポイントの利上げが発表されました。
さらに5月には0.5ポイント、6月には0.75ポイント上昇しています。
今後の米国の政策金利はどうなるでしょうか?
この記事では今後の米国のインフレ率と政策金利について予想します。
米国の利上げの理由は?


米国が利上げを急ピッチで進めている理由は、インフレ率の高止まりを抑制するためです。
2020年の新型コロナウイルスによってサプライチェーン(物資の供給網)が混乱したこともインフレの要因だといわれています。また、2022年はウクライナ危機でエネルギー関連の価格が急騰したことも影響しています。
2022年6月の米国消費者物価指数(CPI)は、前年比9.1%と予想を大幅に上回ったことで6月の利上げは0.75ポイントの上昇となりました。
PCEデフレーターとは?インフレ率の今後の見通し


今後、米国のインフレ率と政策金利はどうなるでしょうか。
FOMCでFRBが利上げを検討する際に消費者物価指数(CPI)と同様に(もしくはそれ以上に)注目している指数があります。それが「PCEデフレーター」です。
個人消費の物価動向を示す指標で、米商務省が毎月末に発表しています。
CPIよりもPCEデフレーターの方が調査対象が広いため、実際の物価動向を反映しているとされています。
PCEデフレーターから価格変動が大きい食品とエネルギーを除いたものは「PCEコアデフレーター」と呼ばれており、FRBが最も重要視しています。
コアCPIとコアPCEの2022年の推移は以下の通りです。
基準年月 | コアCPI | コアPCE |
---|---|---|
2022年6月 | 5.90% | (7月末発表) |
2022年5月 | 6.00% | 4.70% |
2022年4月 | 6.20% | 4.90% |
2022年3月 | 6.50% | 5.20% |
2022年2月 | 6.40% | 5.40% |
2022年1月 | 6.00% | 5.20% |
コアCPIは2022年3月をピークに、コアPCEは2022年2月をピークに下落基調です。この結果から、2022年6月のCPIが予想を大幅に上回っていた理由はエネルギーの高騰だったと考えられます。
ただし、このエネルギーも6月以降は下落しつつあります。下の図はWTI原油先物の推移です。2022年6月上旬に1バレル=約120ドルをつけてから下落しており、現在7月下旬では1バレル=約95円まで下落しています。


別の指標では、米ミシガン大学が24日発表した6月の消費者信頼感指数は50.0と過去最低を更新しました。
他にも6月の米景気先行指標総合指数も前月比で0.8%低下し、市場予想を下回りました。7月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数もマイナス12.3と前月から低下し市場予想を下回っています。
各種経済の指標も消費者マインドも冷え込みつつあり、景気後退の兆しが出つつあります。
まとめ:利上げペースは緩やかになっていくはず
これらの結果から、9月以降の利上げペースは緩やかになっていくと考えています。
おそらく7月の利上げは0.75ポイントになると思いますが、9月に向けてのコメントに注目です。
インフレ抑制がある程度数字で見えてきて、ハイペースの利上げ観測が後退すれば、景気後退懸念が和らぎ株式市場に好影響になる可能性があります。
直近では、米国と日本の株式市場の相関性はそれほど高くありませんが、米国市場が良くなれば日本にも影響するでしょう。米国株式市場が軟着陸しそうなのであれば、今は投資するには良いタイミングと言えるかもしれません。
米国のリセッション(景気後退)の影響が大きくなるのか、軟着陸できそうかは引き続き注目です。
ありがとうございました。
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