【米国】42年ぶりの大幅逆イールド、しかしリセッションはまだ先。

こんにちは、みたお(@mitao_kabu99)です。

私は米国の逆イールドに結構注目していて、時々ブログでも紹介しています。2023年5月以降、米国債の短期金利利回りと長期金利利回りの間には広がりが生じており、これは42年ぶりの大幅な逆イールド幅となっていると報じられています。逆イールドは一般的には景気後退を予測するサインとされていますが、今回の状況ではリセッションはまだ先になりそうです。

ロイター:情報BOX:米国債の42年ぶり大幅逆イールドが発するメッセージとは

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目次

逆イールド差が拡大

通常、国債の利回りは短期国債の方が低く、長期国債の方が高いことが一般的です。これを順イールドと呼びます。逆イールドとはその逆で、短期国債の利回りが長期国債を上回る状況を指します。

逆イールドが発生するのは、市場が短期的に金利が上昇し、その後金利が下落すると予想しているためです。この状況には様々な要因が関係してきますが、特に金融引き締めが大きな要因となります。具体的には、2022年の米国のようにインフレを抑えるために政策金利を上昇させることで短期金利が大幅に上昇することが見られます。

金利上昇は、企業の資金調達の困難化や金融機関の貸し渋りなどを引き起こすことがあります。その結果、景気に悪影響を及ぼし、景気後退につながる可能性が高まります。実際、2023年3月には米シリコンバレー銀行(SVB)の破綻が大きく報道されました。

米国債の逆イールド状況【2023年7月】

現在のイールド差を見るとこのようになっています。以下は10年物国債利回りー2年物国債利回りのチャートです。緑色の点線(金利差0%)より下方にある部分が逆イールド状態となっている状態です。以下のチャートでは約30年しか表示できませんでしたが、42年前は現在の水準になってことがあるようです。それほど現在の水準は大幅な逆転現象が起きているということがわかります。

10年物国債利回りー2年物国債利回りの推移
10年物国債利回りー2年物国債利回りの推移

以下のチャートは10年物国債利回りー3か月物国債利回りのチャートですが、上のチャートとほぼ同じような動きとなっています。(金利差はさらに大きい)

10年物国債利回りー3か月物国債利回りの推移
10年物国債利回りー3か月物国債利回りの推移

逆イールドがリセッション判断のサインの1つとされているといいましたが、現在の状況からすぐにリセッションが始まりそうかというと、現在の米国株価が好調なことはご存じの通りで、まだリセッションは左記になりそうだと考えられます。ただし、個人的にはやはり今後リセッションの可能性は高いのではないかと考えています。

実際に米国の株価に影響するのは逆イールド解消後から始まることも多く、今後の株価の推移は注目が必要です。下は10年物国債利回りー2年物国債利回りのチャート(ローソク足)にS&P500(赤線)を重ねたものです。逆イールド発生時に株価が下がることがありますが、2007年頃のサブプライム・リーマンショック時などは逆イールド解消後に大きく株価が落ち込んでいることがわかります。

イールド差とS&P500の関係
イールド差とS&P500の関係

また、話は少しそれますが、リセッション(景気後退)は株価が下がるということではありません。米国の場合、簡易的にはGDPが2四半期マイナスになった時とされていますが、詳細はNBER(全米経済研究所)という組織が行っています。

ただし、GDPがプラス成長でもリセッションが発生することももちろんあります。以下はFREDのGDPデータ(前年比)で、灰色網掛けがリセッションのタイミングを示しています。前年比が連続で大きく減少しているタイミングではリセッションが発生していることも多いため、このままGDPの成長率が小さくなればそろそろリセッションとなってもおかしくなさそうな感じはしています。

米国のGDP前年比推移
米国のGDP前年比推移

為替にも影響しやすい

逆イールドが直接影響しているわけではありませんが、米国の金利が上昇しているということは、日米の金利差も拡大傾向にある可能性が高くなるため、円安に傾きやすくなります。2023年7月時点では2022年につけた1ドル=150円に突入するのではという報道もされるほどです。

以下のチャートは米2年物国債利回りー日2年物国債利回り(赤線:左ラベル)とドル円の為替相場(青線:右ラベル)を示しています。(下は相関係数で、強い正の相関(つまり同じ方向に動く)があります)

金利差の拡大(赤線の上昇)に伴い、ドル円の為替相場も円安(青線の上昇)に動いていることがわかります。米国の利下げは2024年になってからという見方が主流になってきているので、2023年中はまだ円高になりにくい状況といえるかもしれません。

日米金利差とドル円為替相場
日米金利差とドル円為替相場

引き続き今後に注目

逆イールド差が大きくなっているという報道はありますが、大きく状況は変わっていません。雇用が強い間は米国経済は持ちこたえそうですので、引き続き米国の経済指標を注視していくということになりそうです。

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この記事を書いた人

◆ファイナンシャルプランナー(CFP認定者)
大卒から15年以上、東京でシステムエンジニアとして働いたが40歳を前にFPに転身。ライフプランや資産運用に関する無料セミナーや個別相談を通じてお金に不安がある人の悩みを解消中。
得意な分野は資産運用。最近は不動産投資型クラウドファンディングの運用割合を増やし、投資初心者の方にもおすすめの分散投資先として布教中。

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