9/1の日経新聞夕刊で以下の記事が掲載されました。
「経常益最高17.6%増 法人企業統計 4~6月28兆円 経済正常化映す」
この記事では、利益額は過去最大でしたが、利益が設備投資よりも利益剰余金いわゆる「内部留保」にたまっているという内容でした。この記事では資源の高騰により商社や運輸の利益が大きく伸びていることが紹介されていましたが、半導体関連も好調(29.8%増)ということでした。
製造業は11.7%増となった。半導体関連が好調な情報通信機械が29.8%増と伸びが大きい。
2022/09/01 日本経済新聞 夕刊 1ページ

半導体関連銘柄の株価はさえない状況
各企業の業績は好調ですが、半導体銘柄の株価はさえない動きをしているのが現状です。米国のフィラデルフィア証券取引所が算出している株価指数「SOX指数(フィラデルフィア半導体指数)」の動きも同様です。
SOX指数はこちらの記事で紹介しています。


上の図はSOX指数(ローソク足)と半導体関連銘柄「TSMC(TSM)」「東京エレクトロン(8035)」「信越化学工業(4063)」の株価推移です。
大きくはどれも同じような動きをしており、6月に大きく下落して7月以降少し戻り、8月にまた下落しつつあるという感じです。株価は業績の実態を示すものではないので、6月~8月は株価はさえませんが、冒頭説明したとおり各社4~6月の業績はよかったということでしょう。
半導体は2023年は減少に転じそう
半導体関連は当面成長し続けると想定していましたが、若干風向きが変わってきています。
米調査会社ガートナーによると、半導体売上高は緩やかな伸びとなり、2023年には減少し始める見通しということです。特にPCやスマホ関連の半導体需要が落ち込んでいるようです。(車載半導体などはまだ伸びが続くようですが。)
世界半導体市場統計(WSTS)の資料でも2021年以降成長が大きく落ち込んでいます。
SOX指数の下落やこのような調査が業績よりも正確に先を読んでいるのであれば、今後半導体各社の業績は厳しい状況に転じていく可能性があるため、半導体銘柄への投資には注意が必要かもしれません。
ありがとうございました。