こんにちは、みたお(@mitao_kabu99)です。
米国の機関投資家が米証券取引委員会(SEC)に四半期ごとに提出する「FORM13F」と呼ばれる報告書の結果がここ最近ニュースにもなっています。
カリスマ投資家、安定志向にじむ エネルギー・中国株離れ 景気減速や割高感を意識
2022/11/19 日本経済新聞 朝刊 11ページ
米国の著名な投資家やファンドがどのような動きをしているのか、実際に米国の各セクターはどうなっているのか確認してみます。
著名投資家でも動きは分かれている
上記の日経新聞記事やFORM13Fを見た結果では、機関投資家の一部なこのような動きをしています。
FORM13の保有報告内容
投資会社 | 新規投資・買い増し | 売却・保有削減 |
---|---|---|
バークシャーハサウェイ | オキシデンタル(エネルギー) TSMC(半導体) | アクティビジョン・ブリザード(ゲーム) U.S.バンコープ(金融) |
ソロスファンド | エネルギーETFのプットオプション ケモセントリクス(医薬) | アファーム(決済) |
ブリッジウォーター | アルファベット(IT) ビザ(決済) | JPモルガン(金融) フォード(自動車) |
サード・ポイント | コルゲート・バルモリーブ(日用品) Tモバイル(通信) | セノバス・エナジー(石油) EQT(天然ガス) |
ツーシグマ | アルファベット(IT) コカ・コーラ(飲料) | バンク・オブ・アメリカ(金融) オキシデンタル(エネルギー) |
まず、大きく分かれたのがエネルギー関連です。ウォーレン・バフェット氏のバークシャー・ハサウェイはオキシデンタルを買い増していますが、サード・ポイントやツーシグマなどはエネルギー関連は減らしています。
一方で、アルファベット(グーグルのこと)などのハイテク株は割安と考えられたのか、買い増しする機関投資家も増えています。エネルギーや中国関連など不安定な銘柄をある程度利益確定で売却して、安定的な銘柄に人気が集中しているようです。
ただし、これらの動きが市場全体と一致しているかというとそういうわけでもありません。
実際に株式市場はどのように動いているのか
下のチャートは、S&P500といくつかのセクターETFの年初来からのチャートです。各ETFの説明は以下の通りです。チャートの上から順に記載しています。
セクターETFの詳細はこちらの記事で詳しく解説しています。

ティッカー | セクター |
---|---|
VDE | エネルギーセクター |
VDC | 生活必需品セクター |
VHT | ヘルスケアセクター |
VFH | 金融セクター |
SPX | S&P500全体 |
VGT | 情報技術セクター |
VOX | 通信サービスセクター |

エネルギーだけ異常に上昇していますが、他は年初来でみるとマイナス成果です。ただし、直近ディフェンシブ銘柄である生活必需品やヘルスケアなどを筆頭に上昇傾向とも言えます。
直近1カ月でみるとこのようになります。年初来のチャートと比べるとかなり近い値動きになってきますが、特徴的なのが、VGT(情報技術セクター)とVOX(情報通信セクター)です。(VDEもかなり個性的ですが。。)

下に2年物国債利回りをつけていますが、網掛けしている期間にVGTとVOXは大きく下落しています。一方、国債利回りが急上昇していることもわかります。ハイテク株は金利上昇に弱いというのが顕著に出ていると考えられますね。
11月のCPIの結果から利上げ減速などの予想がされていますが、楽観視できる状況ではありません。むしろインフレ率が思ったよりも下落せずに、金利が高止まりする可能性は十分に考えられます。実際にFedWatchツールでは、少なくとも2023年年末まで1年以上は今よりも高い金利が続くという考えが8割以上を占めています。

現在は逆イールド状態も続いており、米国株式市場のリセッションが起こったら、一番影響が出そうなのは情報技術セクターや情報通信セクターになりそうな気がしています。
実際、機関投資家が買い始めているアルファベット(グーグル)もそれほど株価は上がってきていません。メタはそもそも厳しそうですが、アップルもアマゾンも業績が伸びておらず、GAFAといわれた企業も今年は全滅で、来年もどうなるか不透明といえます。

まとめ:機関投資家の真似をしてもリターンが増えるわけではない
つまり、何が言いたいかというと、ウォーレン・バフェットが買い増してるから買えばいいというわけではないということです。機関投資家は、実は売り抜ける判断も早いです。その動きに追随する他の投資家の動きも早いので、機関投資家の真似をしてもだめだということです。
個人的には、ハイテク株はここからもう一段階下落しそうな気がしているので、買うとしても2023年だと思っています。もちろん、この予想が当たるという保証もないので、投資をするときにはいろいろな検討をして、自分の考えで行ってください。
ありがとうございました。
【投資の知識を勉強したい人へ】
このような情報を調べて数%投資のリターンが大きくなれば、生涯リターンは何倍にもなります。
最初は簡単なことからどうやって勉強したらいいか学ぶのがよいですよ。
私も試しましたが、こちらのセミナーは自宅でWEBのみで見れるので、最初の1歩には向いています。
今なら\5,000⇒0円なのでお早めに。

参考:FORM13Fの確認方法や、DATA ROMAでの機関投資家ポートフォリオの見方
米証券取引委員会(SEC)のFORM13Fの確認方法を簡単に紹介しますが、正直見やすくないです。かなり上級者の方以外はそこまで気にする必要はないと思います。機関投資家のポートフォリオを見たいならDATAROMAのほうが見やすいですね。(見たい投資家の情報が絶対にあるわけではないですが。。)
米証券取引委員会(SEC)のサイトから検索
FORM13Fにアクセスするには以下のサイトを利用します。
URLはこちら「https://www.sec.gov/edgar/searchedgar/companysearch」
上のリンクからアクセスすると、下のサイトに行くので、確認したいファンドを入力して検索します。下の場合だと「SOROS FUND MANAGEMENT」と入れています。

Filingsが13F-HRのドキュメントを選択します。下の図だと、2022/11/14と2022/8/12が並んでいます。上のほうが新しいファイルです。13Fのドキュメントを開くと2つ目の画像にいくので、TYPEが「INFORMATION TABLE」のドキュメント(infotable.html)を選びます。


こんな感じです。

DATA ROMA のほうが見やすい
はっきり言ってFORM13Fはわかりにくいので、DATA ROMAのサイトで見たい人が見つかるならそのほうが見やすいです。
URLはこちら「https://www.dataroma.com/m/home.php」
Superinvestorsタブを押して画面を移動します。

見たい投資家がいれば、名前をクリックします。下の場合はウォーレンバフェット(バークシャーハサウェイ)

Recent ActivityがAdd(追加)やReduce(減少)、Buy(購入)など書かれており、保有比率もわかりやすいです。


使えそうなら試してみて下さい。