こんにちは、みたお(@mitao_kabu99)です。
S&P500は米国株式市場のインデックスで最も人気があり、利用されることが多いものだと思っています。VOOのような米国ETFだけでなく、国内投資信託や国内ETFを通じてS&P500に投資している人も多いのではないでしょうか。
米国株式はS&P500に代表されるような大型企業だけではありません。この記事では米国中型株式のインデックスであるS&P400(S&P MidCap 400)に連動するETF「IVOO」を紹介します。2023年に入りS&P500の上昇が続き割高感がでてきているので、まだ割高になっていないS&P400へ投資してみるのはいかがでしょうか。

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IVOOの基本情報
ティッカー | IVOO |
名称 | VANGUARD S&P ミッドキャップ400 ETF |
基準価額(米ドル) | 87.33 (2023/06/16) |
純資産総額(百万米ドル) | 1,466.75 (2023/05/31) |
分配金回数/年 | 4回 |
分配利回り | 2.77 % |
経費率 | 0.10% |
設定日 | 2010/09/07 |
運用会社 | バンガード |
IVOOのリアルタイム株価チャート
IVOOの株価推移は以下のようになっています。
S&P400とは
S&P400は「S&P MidCap 400」とも呼ばれるインデックスで、S&P Dow Jones Indicesが算出しています。S&P500が米国の代表的な大型株で構成されているのに対して、S&P400は米国中型株のベンチマークとして利用されており、定期的なリバランスも行われています。
詳細指数データは上の公式ページから確認できます。覚えておくべきポイントは以下のような点です。
- 約400銘柄で構成されている
- S&P500とはセクター構成がかなり違う
- 一銘柄のウェイトが小さい
構成銘柄数 | 401 |
リバランス頻度 | 四半期ごと(3月、6月、9月、12月) |
構成銘柄の時価総額最大(百万米ドル) | 17,065.06 |
時価総額中央値(百万米ドル) | 4,990.83 |
最大銘柄ウェイト(%) | 0.8 |
ウェイト上位10銘柄の合計(%) | 6.3 |
IVOOの構成銘柄とセクター構成割合
IVOOの構成上位銘柄は以下の通りですが、中型株ですのでこれらの会社をよく知っているという人は少ないと思います。はっきり言って私も知りません。上位銘柄でも構成割合は1%を切っており、特定の銘柄の影響が少なく分散されていることがわかります。
ティッカー | 銘柄 | 組入比率(%) | 備考 |
---|---|---|---|
BLDR | ビルダーズ・ファーストソース | 0.82 | 建築材料の製造業者および供給業者 |
HUBB | ハベル | 0.72 | 電気部品を中心としたコングロマリット産業会社 |
RS | リライアンス・スチール・アンド・アルミナム | 0.66 | 金属加工や在庫管理サービスを手掛けるメタルサービス企業 |
GGG | グレーコ | 0.62 | 流体、コーティング、および接着剤を扱うために使用される装置の製造を手掛ける企業 |
DECK | デッカーズ・アウトドア | 0.60 | カジュアルで機能的な靴、アパレル、アクセサリーをデザインおよび販売企業 |
JBL | ジェイビル | 0.57 | エレクトロニクス設計、生産、および製品管理サービスを提供する企業 |
PEN | ペナンブラ | 0.56 | 神経血管および末梢血管疾患の治療のための医療機器の開発、製造企業 |
MANH | マンハッタン・アソシエイツ | 0.54 | サプライチェーン、在庫やオムニチャネル管理のためのソフトウェアソリューションを提供 |
LSCC | ラティス・セミコンダクター | 0.53 | 半導体テクノロジーの開発会社 |
DT | ダイナトレース | 0.53 | マシンデータの分析に焦点を当てたクラウドネイティブ企業 |
セクター構成は以下のようになっています。次にVOO(S&P500)とも比較しますが、VOOとは構成割合がかなり違います。VOOは情報技術セクターなどのハイテク関連が中心ですが、IVOOは資本財や一般消費財セクターが中心となっています。
セクターローテーションの考え方では資本財や一般消費財は好景気の時に伸びやすいセクターです。情報技術や金融が回復期に強いといわれているので、回復局面から好況期にかけて投資しやすい構成をしています。

セクター名称 | 日本語名称 | 構成割合(%) | VOOの構成割合(%) |
---|---|---|---|
Industrials | 資本財 | 22.1 | 8.2 |
Consumer Discretionary | 一般消費財 | 15.3 | 10.2 |
Financials | 金融 | 14.3 | 12.4 |
Information Technology | 情報技術 | 10.3 | 28.1 |
Health Care | ヘルスケア | 9.7 | 13.7 |
Real Estate | 不動産 | 8.0 | 2.4 |
Materials | 素材 | 6.3 | 2.4 |
Consumer Staples | 生活必需品 | 4.6 | 6.9 |
Energy | エネルギー | 3.8 | 4.2 |
Utilities | 公益事業 | 3.7 | 2.4 |
Communication Services | 通信サービス | 1.9 | 8.8 |
IVOOの配当
IVOOの分配利回りは約2.5%で、VOOよりも分配金が多くなっています。IVOOは分配金を目的とした銘柄ではありませんが、定期的に分配金を受け取ることができる利回りとしては満足のいく水準といえるのではないでしょうか。ただし、この数年間IVOOの分配金は比較的安定していますが、将来的な分配金がどうなるかは予測できません。
年 | 分配金(米ドル) |
---|---|
2023年 | 0.2055 ※3月実績 |
2022年 | 2.5768 |
2021年 | 2.176 |
2020年 | 1.9149 |
2019年 | 2.0703 |
2023年は3月のみの実績となっています。年4回の分配金なので0.2ドルでは他と比べて少なく感じますが、毎年3月の分配金は少なめになっており、年後半のほうが分配金が多い傾向になっています。
VOO(バンガード S&P 500 ETF)との比較
IVOOとVOOの基本情報や過去の株価チャートを比較して、それぞれの特徴を考えてみます。
IVOOとVOOの経費率や分配金、分配利回りを比較
項目 | IVOO | VOO |
---|---|---|
基準価額(米ドル) | 86.69 (2023/06/20) | 403.22 (2023/06/20) |
純資産額(百万米ドル) | 1,466.75 (2023/05/31) | 296,342.16 (2023/05/31) |
分配利回り | 2.79% | 1.50% |
経費率 | 0.10% | 0.03% |
VOOで目を引くのは純資産総額の大きさと経費率の低さです。純資産総額はIVOOのおよそ200倍で、これは安心感を与えます。
経費率に関して言えば、IVOOの0.1%という経費率は一般的には十分低い水準です。ただし、経費率の差が投資に与える影響は個人の感覚によって変わります。例えば、1000万円の投資資金での差額は年間1万円(0.1%)と3000円(0.03%)です。これをどう見るかは個人の判断にゆだねられます。
2023年6月時点の基準価額はIVOOが約90ドル(1万円程度)に対して、VOOは約400ドル(5万円程度)です。投資しやすさを考えるとIVOOのほうが魅力的といえるかもしれません。また、S&P500(VOO)に連動する商品で少額投資を行いたい場合、国内投資信託という選択肢もあります。こちらはつみたてNISA(つみたて投資枠)を利用できる商品もあるので、米国ETFとしてはIVOOへ投資するというのもよい選択肢の一つといえます。
IVOOとVOOの株価チャートを比較
2010年~2020年まで、IVOO(赤線)とVOO(青線)はほとんど同じような株価の動きをしていました。しかし、2020年以降はVOOのリターンがIVOOのリターンを上回る傾向にあります。ただし、2020年後半から2021年前半はIVOOのリターンのほうが上回っていた時期もありました。また、2022年のではVOOの下落率のほうが大きいなど、どちらのパフォーマンスが優れているかは一概には言えない状況です。

特に直近のS&P500は構成上位の銘柄が大きく引き上げているともいわれています。VOOの構成上位銘柄とVOOの株価を比較するとその傾向が明確に表れています。下のチャートはVOO(ローソク足)と、アップル(AAPL)、マイクロソフト(MSFT)、アマゾン(AMZN)、エヌビディア(NVDA)、グーグル(GOOG)の株価を比較したものですこれらの銘柄はVOOの構成比率の約20%を占めており、株価を上昇させる要因となっています。

そのため、今後もS&P500よりもアンダーパフォームしている中型株が全体的に追いついてくれば、VOOの上昇率を超えることも考えられます。
S&P400の今後の見通しは?
S&P400だけの見通しを予想するのは難しいので、S&P500をベースに考えてみましょう。
S&P500の今後は?米国株の20年後はどうなる?
S&P500は情報技術セクターを中心とした構成をしています。情報技術セクターは米国が最も得とするセクターであり、今後の生活の発展に欠かせないものと考えれば、米国株式は将来的に成長する可能性が高いといえます。
ITバブル崩壊、サブプライム問題、リーマンショック、コロナショックと景気後退時期があっても、その後それ以上い成長をしてきたというのが米国株式市場です。とはいえ、1990年頃からの20~30年でS&P500は10倍ほど株価が上昇しました。次の20年でこれほどの上昇は期待はできない可能性が高い点には注意が必要です。

IVOOに投資するメリット
資本財や一般消費財が中心となっているIVOOに投資するメリットがないのかといえば、そんなことはありません。2023年6月現在、S&P500のPERは約25倍で割高感が強くなってきています。近年はS&P500のPERは上昇傾向にあり、何倍以上が割高という判断は難しいですが、過度に高い水準になった場合には急激な下落が起こることもあります

IVOOのPERは2023年6月現在だと12.8倍とVOOよりもかなり低い水準となっています。IVOOの割安感が好感されれば、VOOの上昇率を上回る可能性があります。

米国中型株は米国ETFを利用しないと投資しにくい
S&P500は最も利用されるインデックスの1つであるため、米国ETFに投資しなくても国内投資信託や国内ETFを利用する選択肢もあります。しかし、米国中型株は米国ETFを利用しなければ簡単に投資できません。S&P500の割高感が高まっている現在では、米国中型株への投資メリットも考えられますので、IVOOへの投資もよい選択肢の1つだと考えられます。