こんにちは、みたお(@mitao_kabu99)です。
中国ではゼロコロナ政策を放棄し、ウィズコロナ政策へと転換したことによって中国の経済は急速に回復しようとしています。
IMFの見通しでは2023年の中国の成長率は5.2%(2022年は3.0%の成長)となっており、主要国の中ではインド(6.1%)についで高い数字になっています。
参考:IMF(国際通貨基金)「IMF世界経済見通し」
2023年は中国株への投資、もしくは中国企業への依存度が高い中国関連銘柄などは狙い目かもしれません。
中国株式市場 2023年の見通しは?
中国株式市場は昨年10月後半から急速に回復しています。現在は中国当局の政策方針の転換により経済には追い風が吹いているといえます。
中国株式指数 上海総合指数・香港ハンセン指数は上昇中
中国の主な株式指数に「上海総合指数」と「香港ハンセン指数」があります。
株式指数 | 概要 |
---|---|
上海総合指数 | 上海証券取引所に上場しているすべての銘柄を対象にした時価総額加重平均指数。基準日である1990年12月19日の時価総額を100として算出します。 上海証券取引所は人民元建てのA株(中国本土の投資家および適格海外機関投資家のみ取引できる)と米ドル建てのB株(中国本土の投資家以外の投資家でも取引できる)で構成されています。 |
香港ハンセン指数 | 香港証券取引所の主要な33銘柄を対象にした時価総額加重平均指数。1964年7月31日を100として算出しています。 |
下のチャートは上海総合指数です。22年前半から10月にかけて約20%下落した後、上昇しつつあります。

一方こちらは香港ハンセン指数です。こちらも動きは同様ですが、値動きの幅が大きく、22年開始から10月終わりにかけ約40%下落した後、現在はそこから50%上昇中です。

1月末発表の中国PMIは急回復
1月末には「中国総合PMI(52.9)」「製造業PMI(50.1)」「非製造業PMI(54.4)」が発表されました。いずれも過去下落していたところから急回復しており、判断の基準となる50を超える数字に戻っています。
旧正月などの時期的なものなどもあるかもしれないので今後も注目していく必要がありそうですが、大きく下落しないのではと予想しています。


中国株へ投資する方法
実際に中国株や関連の銘柄に投資するにはいくつかの方法があります。大きくければ以下の4つです。
- 中国株式市場へ投資する
- 米国株式市場から中国企業へ投資する(ADR)
- 投資信託やETFで投資する
- 中国に関連する国内銘柄に投資する
中国市場にかなり詳しいということであれば別ですが、基本的には4.の中国関連銘柄へ投資するのが無難です。
中国株式市場への投資
1つは中国株式市場へ投資する方法です。SBI証券や楽天証券、マネックス証券といった証券会社であれば、外国株式口座を開設することによって中国株式へ投資できます。
ただし、中国株式への投資はそんなにおすすめできません。理由としてはそもそも中国銘柄を調べるのが難しいというのと、手数料がかなり高いからです。もし中国株へ投資するならおすすめは楽天証券です。楽天証券は現地通貨ではなく円換算での手数料なので少し安い水準になります。
現在香港ドルと円の為替相場は1香港ドル=16.41円(2023/2/2時点)なので、50香港ドルがおよそ820円です。
証券会社 | 手数料 |
---|---|
SBI証券 | 約定代金の0.26%(税込0.286%) 最低手数料:47香港ドル(税込51.7香港ドル) 上限手数料:470香港ドル(税込517香港ドル) |
楽天証券 | 約定代金が 20万円まで : 550円(税込) 20万円超 ~ 200万円未満 : 約定代金の0.275%(税込) 200万円以上 : 5,500円(税込) |
マネックス証券 | 約定代金の0.25%(税込0.275%) 最低手数料:45香港ドル(税込49.5香港ドル) 上限手数料:450香港ドル(税込495香港ドル) |
ADRで米国株式市場から間接的に投資
中国ADR銘柄を米国株式市場から取引することもできます。ADRは「American Depositary Receipt」の略で、日本語では米国預託証書といいます。厳密には少し株と違いますが、簡単に言えば中国の銘柄の一部を米国市場で買うことができます。イメージは下の図です。

米中関係の対立を背景に、中国のADRは上場廃止されるのではと言われていました。ここ数年なんやかんやといろいろありましたが、結論としては22年12月に米国当局の監査作業が終了し、事実上容認した声明が発表されました。これによって中国ADRの上場廃止は当面なくなったと考えられます。
中国ADRに投資するには外国株式口座が必要です。米国株式市場から投資することになります。中国ADR銘柄には以下のような企業があります。
銘柄(ティッカー) | 株価 | 時価総額 (百万USD) | 概要 |
---|---|---|---|
阿里巴巴集団(アリババ グループ)(BABA) | 112.8200 | 291,758.40 | テクノロジーインフラとマーケティングプラットフォームの提供を行う会社 |
トリップ・ドットコム(TCOM) | 37.6400 | 25,229.25 | ワンストップ旅行プラットフォームの運営を行う中国を拠点とする会社 |
中国南方航空(チャイナ サザン)(ZNH) | 33.0600 | 17,721.34 | 乗客、貨物、郵便配達及び他の長期輸送サービスの提供を含む民間航空事業に従事する会社 |
H ワールド グループ(HTHT) | 47.9800 | 15,583.38 | リース、所有、管理、フランチャイズの各ホテルの運営する中国に本拠を置く投資持株会社 |
中国関連の投資信託やETF
中国関連の投資信託やETFもあります。ただし、投資信託はコストがかなり高めなのでそんなにおすすめしません。どちらかといえばETFのほうがコストが低めです。
種類 | 市場 | 銘柄 | 信託報酬 |
---|---|---|---|
投資信託 | 日本 | SBI・中国A株インデックス・ファンド | 0.4138% |
投資信託 | 日本 | One-新成長中国株式ファンド | 1.76% |
ETF | 日本 | NEXT FUNDS ChinaAMC・中国株式・上証50連動型上場投信 (1309) | 0.30% |
ETF | 米国 | iシェアーズ 中国大型株 ETF(FXI) | 0.74% |
日本企業の中国関連銘柄
中国に投資するなら国内銘柄で中国の影響が大きそうな企業に投資するのが無難です。中国の売上割合が多い企業などを選ぶのが良さそうです。詳しくは次で説明します。
中国関連銘柄 中国依存度が高い銘柄はどれ?
中国関連の指標として、日経中国関連株50という日経が算出している指標がありましたが、21年6月25日で算出が終了になりました。とはいえ、まだ終了してから日が浅いのでこの指標を基準に選ぶのも悪くありません。
日経中国関連株50(算出終了)
算出は終了しましたが、日経中国関連株50は以下のような指標です。
日経中国関連株50は、国内主要企業の中から、中国で積極的に事業展開を進めている50銘柄を選定し、浮動株を考慮した時価総額加重平均方式で算出する株価指数です。
【銘柄】
東京証券取引所上場の内国普通株式で、原則として日経株価指数300の構成銘柄の中から選定します。銘柄は、①日本経済新聞社が発行する新聞での中国関連記事の掲載度合い(件数と出現率)、②有価証券報告書に開示された中国関連事業の積極度、を評点化してその得点が高く時価総額の大きい50銘柄で構成するのが原則です。
日経プロフィル ~日経中国関連株50 (算出終了)~
対象の銘柄は株探などを見るのがわかりやすいです。(ただ、いつまで確認できるかはわかりません)
中国依存度が高い銘柄から選ぶ
日経中国関連株50の中でも特に中国売上割合が多い企業から良さそうな企業を選んでみました。
TDK(6762)
総合電子部品メーカーで中国の売上割合は約55%となっています。売上は増加傾向で、ROEやROAも回復しています。また対中国売上が近年増加しています。


村田製作所(6981)
大手電子部品メーカーで中華圏の売上高割合は約55%です。中華圏の売上高は増加傾向にあります。すべての利益率が素晴らしく高いところが好感できます。営業キャッシュフローが豊富でフリーキャッシュフローは基本的にほぼプラス圏にいます。
参考:バフェットコード「村田製作所【6981】」


SMC(6273)
世界トップの空気圧制御機器メーカーです。中国売上割合は25%程度ですが、中国に依存しているということではなく幅広く海外に進出しています。利益率が非常に高く、キャッシュフロー、自己資本比率を見ると非常に安定した銘柄です。
株価が高い(割高という意味ではなく)ので、現実的には投資するには単元未満株での購入となると思います。
参考:バフェットコード「SMC【6273】」


東京エレクトロン(8035)
世界4位の半導体製造装置メーカーです。半導体は先行きがかなり怪しかったのですが、ここのところ半導体銘柄の株価は好調です。中国の需要増と半導体市場が今後も好調であれば、非常に期待できる銘柄です。
利益率だけでなくROEも非常に高い数字になっています。PERはそれほど割高ではなく、PEGレシオも加味すれば割安水準といえますが、株価が単純に高いのでこちらも単元未満株を利用するほうが良さそうです。


今年の中国株式市場には注目したい
ここまで読んでいただきありがとうございました。
今年は中国が息を吹き返す年になるかもしれません。日本企業でも追い風になる銘柄は多そうです。中国に投資する方法はいくつかありませんが、コストや投資のしやすさを考えると、日本企業で中国の影響が大きい銘柄に投資するのが良さそうです。
ありがとうございました。
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