この記事は2021年12月期通期決算短信までの情報をもとに作成しています。
この記事は投資の助言あるいは投資の勧誘等を行うものではありません。
また、結果を保証するものでもありません。
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私も購入する銘柄を探すのはこの本を参考にしています。
結論
中期的には医薬DX関連は引き続き堅調に成長すると予想しています。
2025年には売上300億円、営業利益100億円を計画しています。
2022年3月27日時点で株価は792円であり、PER18倍程度です。
同業種の企業やEPS成長率を考えるとPER30倍程度が妥当と考えています。
その為、2022年度中に1500円は抜くと予想しています。
ストーリー
このようなストーリーを考えました。
ケアネット(2150)は医師向け情報サイトを通じ、製薬の営業支援をする会社である。
同業社としては、エムスリー(2413)やメドピア(6095)でメドピアは規模もほぼ同様。
エムスリーは桁が違うレベルで大きく時価総額は100倍近い差がある。
ケアネットはCareNet.comというサイトを通じて、製薬会社と医師をつなぐビジネスモデルである。現在会員数は約19万人で2025年には25万人を目指している。
このビジネスモデルは会員数の増が売上・利益につながるため、会員数増の見込みはプラス材料である。
このビジネスモデルが可能なのは、現状では上記の3社でほぼ固まっているといっても過言ではなく、中長期の日本の医薬、医療のDX化がどのようになっていくか見通せるポジションにいる。
中期的には、製薬業界のプロモーションは費用が圧縮される見通しである。
MR関連の費用は大幅に圧縮される見通しだが、インターネット関連は医薬DX市場として今後伸びる予想である。
2023年1月からの電子処方箋運用開始予定など、医療関連のDX投資は引き続き旺盛であると見込んでいる。
2022年9月上旬には直近では米アマゾン・ドット・コムが日本での処方薬販売への参入を検討しているというニュース
も流れた。このあたりのニュースも好感されている。
中長期的な成長をみすえる新規事業としてヘルスデータサイエンス部門も期待できる。
2021年2月に買収したアドメディカもグロース連結事業として売上に貢献している。
直近でも株式発行で資金調達をしており、今後もM&Aや開発投資のスピードを上げていくものと考えられる。
財務状況としては、医療DX企業全般であるが売上は右肩上がりで利益率が非常に高い。
配当性向は低いが、これは内部の成長に資金を回すためであり成長ステージなので問題ない。
中期経営計画では2025年売上300億円、営業利益100億を見込んでいる。
これを達成するためには競合他社との開発競争に勝る必要がある。
2022年は今後の飛躍のために重要な年となる。
022年3月27日時点で株価は18倍程度であるが、今後5年程度のEPS成長率は30%程度と予想している。同業他社のPERが30倍~45倍程度であることを考えると、ケアネットも同程度までの上昇を期待したい。
その場合、2022年度中に1500円程度まで上がる可能性は十分ある。
企業概要・ビジネスモデル
【決算】12月
【設立】1996.7
【上場】2007.4
【特色】医師向け情報サイトを通じ製薬の営業支援。DVD、動画配信による医師教育コンテンツ提供も
【連結事業】医薬DX86(56)、メディカルプラットフォーム5(14)、連結グロース10(6) <21・12>
【従業員】<21.12>連161名 単147名(39.1歳)[年]890万円
現在の主なセグメントは医薬DX事業で全体の85%程度の売上割合です。
また、メディカルプラットフォーム事業が約15%程度です。
グロース連結事業としてその中の10%程度がグループ会社の売上高となっています。
ヘルスデータサイエンス事業は、中長期の成長に貢献する予定のセグメントです。

ビジネスモデルは以下のようになっています。
CareNet.comを通じて、製薬会社と医師、病院をつなぐ形になります。
その為、会員数の増加が売上、利益に直結します。
会員数は増加しており、今後も増加を見込んでいます。(2025年に25万人)

今後の新規事業の方向性は以下のイメージです。
ヘルスデータサイエンス事業として、企業のヘルスケア事業を開始します。
メディカルプラットフォーム事業として、クリニック支援を実施します。

事業に影響しそうな要因
PEST分析やSWOT分析などをイメージした要因を羅列します。
- 医師会員数の増加傾向 2021年:約19万 → 2025年:約25万
- 連結グロース事業が伸びている。M&Aなどの取り組みが進む見込み
- 来期予想はかなり固い数字で純利益13%増。 上方修正の可能性あり
- 中期経営計画 2025年売上300億円営業利益100億円
- 中長期で日本の医薬、医療のDX化がどのようになっていくか見通せるポジションにいる
- プライマリ医薬品の特許が切れ、スペシャリティ医薬品の開発が進むにつれてMR数が減少する
- MR関連の費用が大幅に圧縮される予想だが、インターネット関連は医薬DX市場として今後伸びる予想
- 2023年1月から電子処方箋の運用開始が見込まれている
- 医師の働き方改革 2024年4月より時間外労働の上限規制
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財務分析
画像はバフェット・コードの情報を使用しています。
https://www.buffett-code.com/company/2150/financial

売上高は直近でかなり伸びています。
これはグループ会社や子会社となったアドメディカによる影響もあります。
粗利率は約70%、営業利益率は30%弱、純利益率が20%程度と非常に高い数値となっています。
利益率の高さはケアネットだけでなくエムスリー(2413)やメドピア(6095)も同様です。

EPS、BPSともに増加傾向です。
今後もこの傾向は続くとみています。
配当に関しては、配当性向10%前後で配当利回りは1%弱です。
もともとグロース株であるため、配当を期待する銘柄ではありません。
その分を会社の成長に回しています。

直近の財務CFで大幅にプラスになっているのは、株式発行で資金調達をしたからです。
今後の成長に向けての資金調達とのこと。
「事業計画及び成長可能性に関する事項」でも述べられています。

従業員数は増加傾向、従業員増を含めても一人当たりの営業利益は増えてます。
ただ、中期経営計画では2025年に売上300億となっているので、従業員はもっと増えてほしいです。
【その他】
21年12月決算数値からは ROIC > WACC 、 EVA > 0 であり、事業に問題ないと判断しています。
β値を高くとっているので、WACCが高くなっています。(β値=1.94)
ROICがかなり高い数値になっているところはプラス材料です。
有利子負債 10,000,000 (0.3%)
株主資本合計 2,937,483,000 (99.7%)
投下資本 = 有利子負債+株主資本合計=2,947,483,000
営業利益 1,510,077,000
実行税率 41%
NOPAT = 営業利益 × (1-実行税率/100) = 890,945,430
ROIC = NOPAT / 投下資本 ≒ 30.23%
借りたお金の金利 3%とする。
借りた資金の資本コスト = 金利 × (1-実効税率)≒ 1.77%
Rf(10年物国債利回り)= 0.2% とする。
Rm(市場の長期平均リターン)= 7.3% とする。
マーケットリスクプレミアム(RmーRf)≒7.1%
β=1.94とする。(バフェット・コードの値を採用)
CAPM = Rf + β(RmーRf)=13.974
WACC =(1.77*0.003)+(13.974*0.997)≒ 13.9
EVA = NOPAT ー 投下資本 × WACC ≒ 480,284,556
株価の想定
株価(3/27) / EPS = PER
792 / 38.1 ≒ 20.79 【21.12期実績EPS】
792 / 44.7 ≒ 17.72 【22.12期予想EPS】
年度 | EPS(円) | 1年前 | 2年前 | 3年前 | 4年前 |
---|---|---|---|---|---|
17 | 10.7 | ||||
18 | 6.1 | -43.0% | |||
19 | 10.6 | 73.8% | -0.5% | ||
20 | 19.6 | 84.9% | 79.3% | 22.4% | |
21 | 38.1 | 94.4% | 89.6% | 84.2% | 37.4% |
22(予想) | 41.1 | 7.9% | 44.8% | 57.1% | 61.1% |
23(予想) | 61 | 48.4% | 26.5% | 46.0% | 54.9% |
PER = 株価 × 株式数 / 当期純利益
20.44 ≒ 792 × 41,526,832 / 1,609,000,000 【21.12期実績純利益】
18.09 ≒ 792 × 41,526,832 / 1,818,000,000 【22.12期予想純利益】
22.84 ≒ 1000 × 41,526,832 / 1,818,000,000
15.38 ≒ 1000 × 41,526,832 / 2,700,000,000 【23.12期予想純利益】
30.76 ≒ 2000 × 41,526,832 / 2,700,000,000 【23.12期予想純利益】
株価 = PER / 株式発行数 × 当期純利益
788 ≒ 18 / 41,526,832 × 1,818,000,000【22.12期予想純利益】
876 ≒ 20 / 41,526,832 × 1,818,000,000
1313 ≒ 30 / 41,526,832 × 1,818,000,000
1300 ≒ 20 / 41,526,832 × 2,700,000,000【23.12期予想純利益】
1951 ≒ 30 / 41,526,832 × 2,700,000,000
4335 ≒ 30 / 41,526,832 × 6,000,000,000【25.12期予想純利益】
現在の株価792円(22年3月27日時点)は、21.12期実績EPSの38円だとPERは約21倍。
22.12期予想EPS44.7円では約18倍となっている。
ただし、22.12期の予想はかなり固い数字であり、業績の上方修正をすると予想している。
2025年が中期経営計画最終年になるが、売上300億、営業利益60億を計画している。
現在の純利益率約20%とすると、当期純利益は60億円程度を見込む。
2022年度は飛躍に向けての種まきの年になるとしており、固い計画を提示しているが、直近数年のEPS成長率は30%程度になると予想する。
同業種であるエムスリー(2413)やメドピア(6095)のPERは30倍~45倍程度となっている。
ケアネットも規模、売上増加傾向、収益率、PEGレシオ1を基準と考えても同程度まで上がる要素は十分である。
そのため、2022年度中には株価1500円は抜けると予想する。
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございました。
ケアネット(2150)の銘柄分析でした。
医薬DX関連の市場は好調で今後も堅調に推移すると予想しています。
ほかの同業種企業と比較しても現在の株価は割安と考えています。
ありがとうございました。
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